ローマンカモミール ハーブ-ハーブティや精油の原料に使われる-イパネマおやじ

ローマンカモミール (Roman chamomile) は、春の開花期になると白い花を咲かせます。葉や花にリンゴによく似た芳香があります。常緑の多年草で、あまり分枝をしない株の草丈は30~50cmになります。花壇に植えておくと、周りの植物を元気にするコンパニオンプランツとしても人気があります。

ローマンカモミール

日当たりと水はけのよい場所を好む

  • 分類:キク科ローマンカミツレ属 / 原産地:地中海沿岸、北アフリカ、アゾレス諸島
  • 別名:ローマンカミツレ、イングリッシュカモミール
  • 学名:Chamaemelum nobilis (=Anthemis nobilis)
  • 園芸分類:多年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(弱い)
  • 草丈・樹高:30~50cm
  • タネまき:3月~4月、9月中旬~10月上旬
  • 苗の植え付け:3月中旬~4月、9月下旬~10月(育苗後または市販の苗を購入する)
  • 植え替え:3月~4月、9月下旬~10月
  • 株分け:3月~4月、9月下旬~10月
  • 挿し芽:3月~4月上旬、9月下旬~10月中旬
  • 開花期:5月~6月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(植木鉢、プランター) ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)
  • 特徴
  • カモミールと名前の付いている植物は数種類あり、名前が似ているので同じ仲間のように思われがちですが、異なる植物です。ローマン・カモミール (Chamaemelum nobilis) はキク科ローマカミツレ属の多年草。ジャーマンカモミール (Matricaria recutita) は、キク科シカギク属の1年草。ダイヤーズカモミール (Anthemis tinctoria) は、キク科アンテミス(カミツレモドキ)属の多年草です。(国内では、花後に枯れるので一年草として扱われている)
  • 近縁種(類似している植物)
  • ローマンカモミール (Chamaemelum nobilis) → キク科ローマカミツレ属の多年草。アロマオイルとして利用されることが多く、全草に林檎の香りがあります。花の咲く時期以外は草丈が低く、カーペット状に横へ広がり踏み付けにも強いことから”香りの芝生”として、好んで栽培されています。花が咲いていない時期でも、林檎のような香りが楽しめるハーブ植物です。葉を手で揉んでみると甘い香りが匂ってきます。
  • ジャーマンカモミール (Matricaria recutita) → キク科コシカギク属で花後には枯れる一年草です。日本に渡来したのは、江戸時代にオランダ医学の薬として入ってきたハーブ植物です。虫除け効果があり、花壇では近くに植えた植物を元気にしてくれるコンパニオンプランツとしてお奨めです。ローマンカモミールの花とよく似た白色の花を咲かせ、どちらも見分けがつきにくいのですが、こちらは葉に芳香が無いことです。開花した花を、そのままティにしたり乾燥させても香りが残るのが魅力でポプリなどにして利用します。カモミール・ティとして有名です。
  • ダイヤーズカモミール (Anthemis tinctoria) → キク科アンテミス(カミツレモドキ)属の多年草だが、国内では寒さに弱く冬には枯れるので一年草として扱う。この種も「カモミール」という名前が付いていますが、ローマンカモミール、ジャーマンカモミールとはそれぞれ属が異なります。繁殖力のある丈夫なハーブ植物で、和名はコウヤカミツレです。上記2種と異なるのは、葉や花に香りが無く草木染めの原料として利用されるのが特徴です。切れ込んだ形の葉と鮮やかな黄色の花を初夏から秋まで長く咲かせて、花壇を彩ってくれます。種子が出来ないとされているので、挿し芽で繁殖させます。その際には、多肥と多湿を避けましょう。

キク科

全草にリンゴに似た芳香がある

  • 適応(ハーブ、漢方としての適用)/ 料理・飲み物で楽しむ
  • なし
  • 用土
  • コンテナの場合、市販の草花用培養土に2割程パーライトを混ぜ込んだ用土、または赤玉土(小粒)6:腐葉土3:パーライト1:の割合で混ぜ込んだ土を使います。酸性土壌が苦手な草花や野菜の場合、赤玉土は弱酸性ですが少量だけ苦土石灰を混ぜ込みます(用土10L当り20g)
  • 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰(1㎡当たり100g)を混ぜ込んでおきます。さらに、植えつけの1週間程前に、土壌改良用の牛ふん堆肥または腐葉土を(1㎡当たり2kg)混ぜ込んでおきます。
  • 肥料
  • コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、3月~5月に月1回、9月~10月に月1回骨粉入り固形油粕を置肥、生育の様子を見て必要ならば、月に2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。
  • 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、3月~5月に月1回、9月~10月に月1回骨粉入り固形油粕または化成肥料を置肥します。
  • 追肥の際は、植物の根や葉に直接肥料が触れないように注意しましょう。

ローマンカミツレ属

  • タネまき 発芽適温15~20℃
  • 適期は、3月~4月、9月中旬~10月上旬です。タネがとても小さいので、平鉢にまいて鉢底の受け皿から吸水させる底面吸水法(腰水)、他にはピートバンやセルトレイなどにまいてもよいです。(タネまき→サイト内ページ
  • 箱まき(セルトレイが便利)か平鉢で、市販の種まき用土か赤玉土(小粒)を敷きつめてまきます。好光性なので覆土は、5mm弱かほとんどしません。タネが風などで飛ばないように指で押さえて土に張り付けます。弱い苗を間引きながら本葉が2~3枚になり茎がしっかりしたら、ポリポットに移して仮植えします。本葉が5~7枚になって茎がしっかりしたら、花壇やコンテナに定植します。
越水

鉢底吸水法(腰水)

  • 植え付け
  • 適期は、3月中旬~4月、9月下旬~10月です。(育苗後または市販の苗を購入する)
  • コンテナの場合、鉢底石を敷き、根鉢の根を傷めないように植え付けます。「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(65cm深型プランターだと3株が目安)
  • 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は25~30cm位空けて植え付けます。
  • 植え替え
  • 適期は、3月~4月、9月下旬~10月です。(基本は秋がよい)
  • コンテナの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、年に1~2回を目安に行いましょう。根鉢を1/3程軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土と元肥を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。植え替え直後にタップリの水を施します。
  • 地植えの場合、基本は必要ありません。
  • 株分け 
  • 適期は、3月~4月、9月下旬~10月です。植え替えの際、同時に作業しましょう。
  • 挿し芽
  • 適期は、3月~4月上旬、9月下旬~10月中旬です。枝先から8~10cmの長さで切り取り挿し穂にします。(挿し木詳細→サイト内ページ

和名はローマンカミツレ

 

ハーブの仕切りライン

ジャーマンカモミールによく似た白色の花を咲かせる

  • 水やり
  • コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。
  • 真夏などの高温期には、ハダニ防除のために早朝に葉水を施しましょう。通常の季節は朝方に施しましょう。
  • 地植えの場合、基本的には必要ありません。
  • 手入れ
  • 切り戻し→適期は、夏前に伸びすぎたり傷んだ枝を切り戻します。草丈10cm程に刈り込んでおくと、夏の株の蒸れを防ぐことができます。
  • 病気→特になし
  • 害虫→アブラムシ、ハダニ
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。
  • 真夏日の直射に当たるのを避けましょう。コンテナを移動してやりましょう。
  • 地植えの場合、植えつける前に、あらかじめ夏の日差しを事前に予測して、長時間当たる場所は避けて定植します。

ハーブの仕切りライン