ルー ハーブ-強くて甘い香りと殺菌効果で薬用や料理に利用-イパネマおやじ
ルー (common rue) は、常緑性の小低木で初夏になると、十文字型の黄色い花を咲かせます。中世のヨーロッパでは悪霊を追い払い、疫病から身を守ってくれる神聖な植物とされ、神の恩恵のハーブ(ハーブ・オブ・グレイス)と呼ばれ、香りの花束の中には必ず加えられていました。日曜日のミサの聖水にも、ルーの枝が入れられていたそうです。
古来より葉は薬用に利用されてきた
- 分類:ミカン科・ヘンルーダー属 / 原産地:ヨーロッパ南部
- 学名:Ruta graveolens
- 別名:ヘンルーダー {和名・芸香(ウンコウ)}
- 常緑低木・半耐寒性(~-5℃) / 草丈:60~90cm
- 開花期:6月下旬~8月 / 栽培方法:地植え、鉢植え
- 特徴
- 茎は群がるように何本も生えてきて、高さ45~100cmになります。葉の形はへら形で、花は花弁に鋸歯のある黄色で、丸みを帯びた果実をつけます。
- ルーの葉は独特の強い香りがあり、乾燥させると強力な除虫効果があります。その他、家屋へのアリの侵入を防ぐ効果もあります。葉に強い香りがあるため「猫寄らず草」としても知られています。
- 旧くは、食用や薬用として利用されていましたが毒性があるとの指摘もあり、現在は利用されていません。
- 注意→葉茎からでる樹液に触れると皮膚炎(発疹)を、起こすことがあります。
寒さに強く関東以西なら冬でも緑色のまま育つ
- 適応
- 湿疹、打ち身、ねんざ、腰痛
- 料理・飲み物で楽しむ
- 以前は食用としてとして利用されていましたが、近年になり有害な成分が含まれている事が分かり現在は、食用としては利用されていません。根を染色や、花をドライフラワーにして利用しています。
- 用土
- 水はけの良い乾燥気味の土壌が適しています、酸性の土壌を嫌いますので地植えする時は、事前に苦土石灰を混ぜ込んで中和しておきます。
- 肥料
- 植えつける前に、事前に有機質の肥料(牛フンや鶏フン)を混ぜ込んでおきます。
- 鉢植えの場合は、粒状の化成肥料を使用します。
- 追肥は2週間に1回位で液体肥料を水やり替わりに与えます。追肥の時期は生育中の春から秋にかけて与え、冬は不要です。
- タネまき
- タネまきの適期は3月下旬~4月・秋が9~10月です。地面や鉢に、直まきして間引きながら育てるのが簡単です。
- 地植えの場合は、株間を50cm間隔にします。
- 鉢植えの場合は、鉢のサイズ6~7号(18~21cm)に1株を目安に植え付けます。
- 挿し木
- 適期は4~6月です。
- 元気のよい枝を選んで10cm位に切り取り、土に挿す部分の葉を取り除き、切り口から60分ほど水を吸わせてから、用土を入れた鉢に挿します。活着するまでの約1ヶ月間、乾燥させないように管理します。芽が出てきたら鉢に植え替えます。
- 株分け
- 適期は4月です。株分けは、掘り上げて大きくなったら2~3株に分けます。根を痛めると生育に影響するので、根に付いた土は全部は落とさずに半分くらい残しましょう。
- 植え替え
- 適期は4月頃です。
- 一度植え付けが済んだら、株分けをする時以外は植え替える必要はありません。但し鉢植えにした場合は、できれば毎年植え替えたほうがいいでしょう。
- 植え替えは一回り大きな鉢に、新しい用土を入れ替えて植え替えます。
葉や茎に強い殺菌、防虫作用がある
- 水やり
- やや乾燥気味の土を好むので、土の表面が乾いてから2~3日経ったら水を与えるようにします。
- 手入れ
- 丈夫な植物なので、あまり手間はかかりません。梅雨時になると葉茎が密生して蒸れてしまい、枯れてしまうので風通しを良くするために刈り込みをしてやりましょう。枝を切り落とすと脇から、小枝が出てきて大きくなり、葉の数も増えて葉の収穫量も増えます。
- 寒冷地では冬場の対策として、地植えの場合は、根元を腐葉土やワラなどで覆って防寒対策をしましょう。鉢植えの場合は、霜のあたらない屋根のある場所に移しましょう。
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- 種子の収穫
- 夏の開花期に、葉を薬用にするために収穫します。地上部を刈り取り、日干しにして乾燥させます。秋になり熟したら色の黒い種子を選んで、保存しておきましょう。
- 日当たり
- 日なたが良いが、半日陰(午前中は日が当たるが、午後は日陰になる場所や明るい日陰)でも育ちます。寒さには比較的強く、関東以西の地域では冬でも元気に育ちますが、霜にあたったり寒風にさらされると葉先が傷むので注意しましょう。
- 地植えの場合は、根元を腐葉土やワラなどで覆って防寒対策をしましょう。
- 鉢植えの場合は、霜のあたらない屋根のある場所に置きましょう。