トルコギキョウ 季節の草花-3月~5月が植え付け期-イパネマおやじ

トルコギキョウ (Prairie gentian) は、秋まきの一年草です。育苗が難しいので、タネまきから花を咲かせるのは初心者には少々ハードルが高い草花です。春先になると苗が流通するので、最初は苗から育ててみるのもよいでしょう。

トルコギキョウ

雨が苦手なので鉢栽培が管理しやすい

  • 分類:リンドウ科トルコギキョウ(ユーストマ)属 / 原産地:北アメリカ南部、メキシコ、南アメリカ北部
  • 別名:ユーストマ、リシアンサス
  • 学名:Eustoma grandiflorum
  • 英名:Prairie gentian, Tulip gentian
  • 園芸分類:一年草 / 耐寒性(弱い)耐暑性(やや弱い)
  • 草丈・樹高:40~120cm(矮性種15~30cm)
  • タネまき:9月~10月(発芽適温20℃前後)寒冷地は3月~4月の暖かくなる時期
  • 苗の植え付け:3月~5月(育苗後または市販の苗が春に流通する)
  • 花期:3月~6月(主な開花期は7月~9月だが盛夏には咲かないことがある)
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(植木鉢、プランター)

注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。

※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。

  • 特徴
  • 花名が「キキョウ」となっていますが、本来のキキョウ科の植物ではなく、北アメリカ南部~メキシコ原産のリンドウ科の植物です。日本へ渡来したのは昭和初期で、本格的に品種改良が始まったのは40年頃です。日本人好みのトルコギキョウは、現在は世界中の園芸品種の大半は日本産といわれる程、多くの品種を作出しています。切り花やブーケにしても、花もちがよく人気があります。コンパクトな矮性種の鉢栽培も盛んです。
  • 原種は一重咲きの薄紫色で、園芸品種には白色、クリーム色、黄色、ピンク色、緑色、濃紫色、赤色、複色など多彩な花色があります。花形も八重咲き、フリンジ咲きや最近はバラに似た花形の品種も作出されています。
  • タネまきからも育てられますが、開花株に育てるのは初心者には難易度が高いでしょう。春先に苗が流通するので、購入して育てるのがお奨めです。花は雨などにより傷みやすいので、移動が可能な鉢植えにするか、梅雨時などは雨除けをするなどの手入れが必要です。
  • 地植えでも育てられますが、つぼみが見え始める頃~開花時期の過湿を嫌うので、屋外で育てるよりも移動のできるコンテナ栽培が適しています。

リンドウ科

弱アルカリ性~中性の土壌で育てる

  • 用土
  • コンテナの場合、肥沃で水はけのよい土壌を好みます。赤玉土(小~中粒)5:腐葉土3:ピートモス(酸度調整済み)2:の割合で混ぜ込んだ土を使います(その他の例 / 赤玉土5:ピートモス3:パーライト2:)。酸性土壌が苦手なので、すでに赤玉土は弱酸性ですが少量だけ苦土石灰を混ぜ込みます(用土10L当り20g前後)
  • 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰(1㎡当たり100~200g)を混ぜ込んでおきます。さらに、植えつけの1週間程前に、土壌改良用の牛ふん堆肥または腐葉土を(1㎡当たり2~3kg)混ぜ込んでおきます。水はけの悪い土壌の場合、土を盛っておきます。
  • 肥料 多肥を好む
  • コンテナの場合、苗を植え付ける際に、用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。(用土に、市販の草花用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう)鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、2ケ月に1回緩効性化成肥料を置肥、または月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。(夏季の7月~8月は施さないようにする)
  • タネまき後の施肥は、育苗中の10月~3月は1000倍以上に薄めた液体肥料を、月1~2回施す。
  • 地植えの場合、苗を植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。苗を定植後の追肥は、1~2ケ月に1回緩効性化成肥料を置肥する。(夏季の7月~9月は施さないようにする)
  • 植物の根や葉に、直接肥料が触れないように注意します。

別名はリシアンサス

  • タネまき 発芽適温20℃前後
  • 適期は、9月~10月です。種が細かく生長も遅いので、タネまきから苗を育てるのが難しい植物です。好光性種子で表面がコーティングされています。
  • セルトレイなどに、粒子の細かいピートモスを主体にした清潔な用土で、まき床を準備します。薄く「バラまき」にして覆土はしないで、風などに飛ばされないように、表土に軽く押さえつけておきます。その後は軽くシャワーで水をかけ、その後は風通しのよい場所で、乾燥させないように底面給水で育苗します。
  • タネまき後の施肥は、10月~3月は1000倍以上に薄めた液体肥料を、月1~2回施す。発芽するまで10日~2週間。本葉が2~3枚になるのに約2ケ月かかります。本葉が4枚になり茎が1本立ちしたら、根を切らないように2号ポリポットに移植します。植え付け適期まで、乾燥させないように管理します。寒さに弱いので冬季は屋内に取り込みましょう。
  • 植え付け
  • 適期は、3月~5月です。
  • コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように、土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(株間は15cm程)
  • 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は15cm位で植え付けます。

北アメリカ原産

植物仕切り線大

過湿を嫌い水はけのよい場所を好む

  • 水やり
  • コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。過湿に弱いので、表土が乾いてから施します。花や芽に水がかかると傷みやすいので、根元から丁寧にかけましょう。
  • 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。
  • 手入れ
  • 雨よけ→地植えの場合、つぼみが見え始める頃~開花時期には、降雨などにより傷みやすいので、雨よけなどを施しましょう。
  • 摘芯→適期は、5月~6月です。茎が5~6節まで生長したら先端を切り取ります。摘芯をすると脇芽が増えて、多くの花が咲かせます。
  • 花がら摘み→花後の枯れた花は、病気の発生を防ぐためにも早めに摘み取りましょう。
  • 病気→立ち枯れ病、灰色カビ病
  • 害虫→アブラムシ、コナガ、ナメクジ、ヨトウムシ
  • 日当たり
  • 日当たりと風通しのよい場所を好みます。

植物仕切り線大