ハイビスカス 季節の花木-鉢で育てる熱帯の花-イパネマおやじ

ハイビスカス (Hibiscus) の花で思い浮かぶのは、ハワイや南国の島々ではありませんか。花期は5月~10月で、5枚の花弁が杯状に広がり、中心から長い花柱が伸びている花形が多いです。その花形も、品種により異なります。弁端に細かい切れ込みが入るものやラッパ状のもの、杯状に開くものなど多彩な形があります。熱帯植物なので、耐寒性は低く暖地以外では室内で育てる必要があります。日本では、九州以南~沖縄などの霜の降りない暖地をのぞき、鉢栽培が一般的です。熱帯植物ですが、比較的育てやすい植物として高い人気があります。

低木

ハワイの州花になっている花木

  • 分類:アオイ科フヨウ (ヒビスクス、ハイビスカス)属 / 原産地:ハワイ諸島、マスカレン諸島、モーリシャス諸島
  • 別名:ブッソウゲ、トロピカルハイビスカス
  • 学名:Hibiscus rosa-sinensis
  • 園芸分類:非耐寒性常緑低木 / 耐寒性(弱い)耐暑性(強い)
  • 草丈・樹高:0.5~5m(園芸品種~原種)
  • 苗の植え付け:5月~6月(市販の苗が流通する)
  • 植え替え:5月~6月(生育適温10~25℃)
  • 挿し木:5月~7月上旬
  • 接ぎ木:5月~6月
  • 開花期:5月~10月
  • 栽培方法:鉢植え
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。

長い期間を咲く

  • 特徴
  • 多くの園芸品種の元となった原種は、大別するとインド洋諸島原産種と、ハワイなどの太平洋諸島原種に分けられます。これらを親として多くの園芸品種が作出され、その大半はハワイで品種改良され、その数は数千種といわれています。
  • 現在、市場に流通しているハイビスカスの系統は、3系統に分類されています。登録されているだけでも約8000品種以上とされています。従来系のオールドタイプ。コーラル系。ハワイアン系の3タイプに分類されています。
  • よく見かけるのは鉢植えのハイビスカスは、育てるに矮化剤が施されており、園芸店などで目にするものは、ほとんどが樹高40~60cmのものが多いです。一方、原産地などの自然の環境で栽培されているものは樹高3~5m以上にも及びます。本来の園芸分類ではハイビスカスとは、アオイ科フヨウ属の植物全般を指し、その数は約3000種以上あるとされています。
  • 国内で、一般的にハイビスカスと呼ばれているのは、ブッソウゲ(Hibiscus rosa-sinensis)と、その園芸品種の総称です。アメリカでは、区別するためにtropical hibiscus と呼んでいます。寒さに弱いので、鹿児島以南から沖縄など霜が降らない暖地であれば、屋外の地植え栽培が可能です。暖地以外の地域で、地植え栽培をする場合は、寒さに弱く冬越しができないので、10月下旬頃に株を堀り上げて鉢に上げて、室内に取り込めば花壇での栽培が可能です。(根の張った株を掘り上げるのは大変な作業です)
  • ハワイ諸島原種 
  • 花径が大きく、多くの園芸品種があり多彩な花色があります。日本の高温多湿に弱いので、小まめに半日蔭に移動させて育てます。
  • ヒビスクス・アーノッティアヌス(Hibiscus arnottianus)→ハワイ諸島原産。現在広く流通している園芸品種の元となった原種。白色の花弁の中央から伸びる花柱は桃色で芳香がある。
  • ヒビスクス・ワイメアエ(Hibiscus waimeae)→ハワイ諸島原産。白色の5弁花で、花柱は濃桃色。
  • ヒビスクス・コキオ(Hibiscus kokio)→ハワイ諸島原産。花色は朱色~茶色がかったオレンジ色。5弁花の中央から伸びる花柱は黄色の大輪タイプ。
  • インド洋諸島原種
  • フウリンブッソウゲ(Hibiscus schizopetalus)→アフリカ東海岸のインド洋にあるザンジバル島、ケニアのモンバサ原産。花弁が5裂して丸みのある弁端は反り返る。花は下垂して枝からぶら下がる様子が風鈴のように見える。
  • ハイビスカス・ロバッス(Hibiscus lobatus)→マダガスカル原産。ハイビスカスの中では、珍しい匍匐性で花径4cm程の一重咲きの花を咲かせる。吊り鉢に利用してもよい。冬は室内での栽培が必要。
  • ヒビスクス・リリフロールス(Hibiscus liliflorus)→マダガスカル島東方に位置する、マスカリン諸島原産の野生種。現在は自生地でも減少が著しく、ほぼ絶滅状態。花弁はラッパ状でユリに似ていることから、和名はユリザキムクゲと呼ばれる。

熱帯植物

寒さに弱いので管理しやすい鉢植えで育てる

  • 苗を選ぶ
  • 通販や園芸店で流通している苗の大半は、低い樹高の苗が多いです。これらの苗は矮化剤を使用して生長を抑えているため、植え付け後の生長も緩くなります。春~秋の開花期を通じて、よい花付が維持できない可能性もあります。(経年と共に、矮化剤の効果が薄れて通常の状態に戻ります)
  • 一見は徒長気味に見える丈の長い苗の方が、秋までの長期間を咲き続けてくれる可能性が高いです。そして、開花している花数より、ツボミが多数付いている苗を選びましょう。他には、花が散って花柱だけが付着している苗も避けましょう。
  • 用土 
  • 鉢植えの場合、市販の夏の花用培養土または赤玉土(小・中粒)7:腐葉土3:(他には、赤玉土4:腐葉土3:鹿沼土3:など)の割合で混ぜ込んだ土を使います。
  • 肥料
  • 鉢植えの場合、定植後の施肥は、5月~10月の開花中、2ケ月に1回骨粉入りの固形油かす又は緩効性化成肥料を置肥、加えて1週間に1回、規定倍率に薄めた液体肥料を施します。肥料分が不足すると花つきが悪くなるので、肥料切れには注意して管理します。

ハイビスカスはハワイ原産

  • 植え付け
  • 苗の植え付け適期は、5月~6月です。購入した苗は、小さい鉢に入っていて根が詰まっていることが多いので、すぐに1~2回り大きなサイズに植えつけます。
  • 鉢植えの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土を鉢に入れます。根鉢の周りを崩さないように植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。
  • 植え替え
  • 植え替え適期は、5月~6月です。
  • 鉢植えの場合、根をよく張るので毎年植え替えた方がよいでしょう。年に1回、1~2回り大きな鉢に、植えつけと同じ用土を用意して植え替えます。
  • 挿し木
  • 適期は、在来系とハワイアン系が5月~6月、コーラル系が5月~9月(真夏の高温多湿の時期は除く)です。
  • 挿し穂には、矮化剤が効いていると発根しにくので、薬剤効果の薄れていそうな、節間の長い部分を切り取ります。2~3節の長さで切り取り、下葉を取り除き挿し穂にします。赤玉土8:とピートモス2:などの清潔な用土に挿します。(サイト内 詳細ページ
  • 接ぎ木
  • 適期は、5月~6月です。
  • ハワイアン系の多くは、性質が弱く挿し木が難しいので、丈夫な従来系オールドタイプの台木に増やしたい方のハワイアン系を接ぎ木をするのが一般的です。
  • 増やしたいハワイアン系の枝はV字型の切り口にして「穂木」にします。台木にする従来系の枝は「割り接ぎ」用にカットします。
  • 台木用には、オールドタイプ系の「優花」「イタリアンレッド」「アマン」などが、軸が柔らかく適しています。
  • 発根するまで、明るい日陰に置いて管理しましょう。在来系は根付きやすく、大輪系は根付きにくい品種が多い。(サイト内 詳細ページ

ハイビスカスは常緑低木

植物仕切り線大

流通する園芸品種には3系統がある

  • 水やり
  • 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。年間を通して水切れを起こさないように管理します。
  • 10月下旬~3月の休眠期(冬)は控えめに施しましょう。(表土が乾いてから2~3日待ってから)
  • 手入れ
  • 剪定→適期は、花が少なくなり始める10月下旬です。全体の枝を強剪定します。1/2~1/3程の丈に切り戻します。葉の付け根にある脇芽を残すように、脇芽の真上の部分から切り詰めます。生育期であれば部分的な間引き剪定は可能です。冬の花を楽しむために秋の剪定をしなかった場合、5月頃に剪定します。ただし、この時期に剪定をすると品種によっては、秋まで花が咲かなくなることがあります。
  • 花がら摘み→5月~10月の生育期間は、花後の枯れた花茎を小まめに摘み取りましょう。放置すると余分な栄養分を取られ、次の花へ栄養分が回らなくなります。
  • 冬越し→鉢植えの場合、10月になったら室内に取り込みますが、株が育ちすぎていたら取り込む際に、すべての枝を葉を2~3枚残して切り戻します。暖地以外の霜の降りる地域で、地植えしている株は10月下旬までに、掘り上げて鉢上げして室内へ取り込みます。
  • 病気→特になし
  • 害虫→アブラムシ
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。
  • 5月~9月は、屋外の日当たりのよい場所に置きます。ただし、夏季の株が弱っている時期は、真夏日の直射に当たるのを避け、日蔭に鉢を移動してやりましょう。冬は室内の日当たりのよい窓際などに置きましょう。

植物仕切り線大