ニチニチソウ 季節の花-真夏の暑さでも元気に開花する-イパネマおやじ
ニチニチソウ (Madagascar periwinkle) は、初夏になると分枝した茎頂部の葉の付け根に、花径2~5cmの花を咲かせます。初夏の強い日差しにも負けすない強さがあり、育てやすい植物です。タネまきから育てることもできますが、発芽温度か高いので播く時期が遅くなりがちになり、開花する時期が遅れ気味になります。初心者は、春になると苗が流通するので、長く花の観賞をしたい場合は苗から育てることをお奨めします。
原産地では多年草だが国内では一年草扱い
- 分類:キョウチクトウ科ニチニチソウ属 / 原産地:マダガスカル
- 別名:ニチニチカ、ビンカ(旧名)
- 学名:Catharanthus roseus
- 英名:Madagascar periwinkle
- 園芸分類:多年草(国内では一年草扱い) / 耐寒性(弱い)耐暑性(強い)
- 草丈・樹高:20~60cm
- タネまき:4月下旬~6月上旬(発芽適温22~25℃)
- 苗の植え付け:5月~7月(育苗後または市販の苗が流通する)
- 開花期:6月~10月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。
- 特徴
- ニチニチソウは世界に8種あり、マダガスカルの固有種が7種、インド、スリランカに1種が分布するキョウチクトウ科ニチニチソウ属の多年草または一年草です。日本へ渡来したのは江戸時代中期の18世紀とされています。名前の由来は、日々ごとに新しい花を咲かせ続けることに由来する。全草にアルカロイドの毒性を含んでいるが、マダガスカルでは古くから糖尿病の民間薬として使われていました。近年では小児白血病などの抗がん剤の原料に利用されている。
- ニチニチソウの根は直根性で、太い根が長く伸びる性質なので、細い根が出る数は少なくメインの根が傷むと、枝分かれをしないので根付きにくい植物です。移植や植え付けの際には、根を傷めないよう根鉢の土は崩さないようにします。本来は多年草で低木状に生長しますが、寒さに弱く冬には枯れてしまうので一般的には一年草として扱います。
- 矮性や高性、這い性の3つのタイプがあるので、栽培目的に合わせた品種選びをしましょう。共通するのは、あまり土質を選ばず、高温と日当たりを好む植物です。よく似た名前の、ツルニチニチソウ(Vinca major ツルニチニチソウ属)がありますが、キョウチクトウ科で別属のつる性植物です。
- 近縁種
- ニチニチソウ(Catharanthus roseus)→マダガスカル原産の多年草または亜低木。草丈15~300cmで、草姿は直立または傾伏する。花色は白色~ピンク色~赤紫色。開花期5月~10月。
- ヒメニチニチソウ(Catharanthus scitulus (Pichon)Pichon)→マダガスカル原産の一年草。草丈5~18cmで、花色はピンク色または青紫色。開花期11月~5月。
- 園芸品種→世界中に多数のシリーズがあり、花色は白色、ピンク色、サーモン色、紫色、赤色、複色など多彩な品種がある。草姿は、直立型と水平型、匍匐型の基本3タイプと半直立型もある。近年は、コンパクトなタイプや這い性タイプが多く作出されている。
日当たりと風通しのよい場所を好む
- 苗を選ぶ
- 大きくなり過ぎた苗は、下葉が落ちたり倒やすいです。見かけは小さくても、茎が太く株張りのよいものを選びましょう。軽く振ってみて、ポットと根鉢の隙間がありぐらつく苗は、根が張っていないので避けましょう。
- 用土
- コンテナの場合、市販の草花用培用土または赤玉土(小粒)6:腐葉土4:(他には、)の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、植え付けの1週間程前に、根鉢の2~3倍の植え穴を掘って、掘り出した土に土壌改良用の腐葉土や牛ふん堆肥(1㎡当たり2kg程)を混ぜ込んでおきます。(更に水はけの悪い土壌は、川砂などを1~2割混ぜ込む)
- 肥料
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。(用土に、市販の草花用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう)鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、1~2ケ月に1回、緩効性化成肥料を置肥(1株当たりティースプーン1杯)、加えて月2~3回規定量の1000倍に希釈した液肥を施します。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、1~2ケ月に1回、緩効性化成肥料を置肥(1株当たりティースプーン1杯)、加えて月2~3回規定量の1000倍に希釈した液肥を施します。
- 追肥の際は、植物の根や葉に直接肥料が触れないように注意しましょう。
- タネまき
- 適期は、5月~6月です。発芽適温は22~25℃です。
- 根が直根性で移植を嫌うので、ポリポットまきにします。
- 育苗ポット(ポリポット)まきの場合、市販の種まき用土か赤玉土(小粒)、またはバーミキュライトなどの清潔な用土を敷きつめ3~4粒をまいたら、嫌光性種子なので5mm程覆土をします。乾燥しないよう水やりをしながら、日陰で管理します。弱い苗を間引きながら本葉が5~7枚になって茎がしっかりしたら、花壇やコンテナに定植します。
- 植え付け
- 適期は、5月~7月です。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。根鉢を崩さないように抜き取り、植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(株間20~25cm、60cmプランターで3~4株が目安)
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げ、水はけをよくするために高畝にします。根鉢を崩さないように抜き取り、植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(株間は25~30cm)
- 植え替え
- 一年草なので植え替えの必要はありません。本来は多年草なので温度さえ適合すれば冬越しは可能です。鉢植えで、屋内やフレーム内などで冬越しできた場合は「冬越し」の項目を参照してください。
梅雨の時期は過湿に注意する
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。梅雨時期と9月中旬以降は土壌が乾きにくいので過湿に注意する。
- 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。真夏日に乾燥が続いたら施しましょう。
- 手入れ
- 摘芯→枝を増やして花数を増やすために、育苗していて本葉が6~7枚になったら頃に先端の芽を摘み取ります。脇芽が出て茎の数が増えるので、株全体のバランスがよくなります。
- 切り戻し→伸びすぎたり傷んで、草姿が乱れたらバランスのよい位置で切り戻します。思い切って切り詰めると、秋の早い時期であれば、再び元気に芽が出て花を咲かせます。
- 花がら摘み→花後の枯れた花はポロリと落ちるので、葉や新芽の上に落ちた花がらは、小まめに取り除きましょう。花後には、サヤが付いて種子ができると栄養分を取られるので、早めに摘み取ります。(種子を採取して播く場合は、そのまま放置する)
- 冬越し・植え替え→本来は多年草なので、温度さえ合えば冬越しは可能です。11月になって霜が降りる前に、屋内やフレーム内などに取り込み10℃以下にならない明るい場所で、冬越しができた場合は翌年の春に植え替えましょう。3月下旬~4月中旬頃暖かくなったら、まず屋外に置いて日に当てましょう。その後5月頃に植え替えます。
- 置き場所→春から秋は屋外に置きましょう。東向き、または南向きの日当たりのよい場所に置きます。
- 病気→立枯病
- 害虫→アブラムシ
- 日当たり
- 日当たりと風通しのよい場所を好みます。
- 西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。コンテナを移動してやりましょう。
- 地植えの場合、植えつける前に場所の環境をチェックして、それでも日当たりが厳しい場合は、寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。