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- エボルブルス (Blue daze) は、初夏の頃になると、横へ広がるように伸びる茎先に、花径2~3cmの涼やかな青色の小花を咲かせます。日が当たると開花、夕方や曇りの日は花を閉じる性質の草花です。茎は直立しないで、横へ匍匐するように伸びていきます。
- 真夏の強い日差しや乾燥にも元気に育ちます。暑い夏の季節に、清涼感のある青い小花は夏の花壇には欠かせません。地植え、コンテナ栽培もできて、特に匍匐性を活かした吊り鉢栽培は、長く枝垂れて咲く風情は観賞価値があります。
寒さに弱く暑さには強い性質
- 分類:ヒルガオ科エボルブルス(アサガオガラクサ)属 / 原産地:ブラジル、中央アメリカ
- 別名:アメリカンブルー(漢字表記:)
- 学名:Evolvulus pilosus ‘American Blue’
- 園芸分類:匍匐性多年草 / 耐寒性(弱い)耐暑性(強い)
- 草丈・樹高:20~40cm
- 苗の植え付け:4月~6月(育苗後または市販の苗が流通する)
- 植え替え:4月~5月中旬
- 挿し芽:5月~9月
- 開花期:5月中旬~11月中旬
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター、ハンギング)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。
- 特徴
- エボルブルスの仲間は、南北アメリカを中心に約400種が分布するヒルガオ科エボルブルス属の一年草あるいは多年草、低木です。その中でも国内で、広く流通して主に栽培されているのがエボルブルス・ピロスス(Evolvulus pilosus)で、これを親として作出された園芸品種です。’アメリカンブルー’はその中の代表的な品種です。
- 日本にも在来種の、エボルブルス・アルシノイデス(Evolvulus alsinoides (L.)L.)と、その近縁種がありますが、あまり観賞用としての栽培はされていません。本来は多年草ですが、冬の寒さに弱く(5℃以上が必要)霜が降りると枯れてしまいます。地植えの株は、霜の降りる11月頃までに刈り込みをして、鉢上げして屋内やフレーム設備で冬越しをさせることができます。
- 近縁種
- エボルブルス・ピロスス(Evolvulus pilosus)→別名の「アメリカンブルー」は当種を元に、ハワイで作出された園芸品種。アメリカンブルーの名前で一般的に流通しているのは、園芸品種「ブルー・デイズ ‘Blue Daze’」です。原産地は北米の多年草。草丈50cm程で、花径は1~2cm。
- エボルブルス・ヌンムラリウス(Evolvulus nummularius (L.)L.)→南北アメリカ原産の多年草。蔓性で地面を匍匐して広がる。長さは20~40cmで、花径6~8mm。花色は白色、花冠は5裂する。
- エボルブルス・アルシノイデス(Evolvulus alsinoides (L.)L.)→和名はアサガオガラクサ。原産地は、九州南部、沖縄で日本の在来種で多年草。アメリカンブルーより一回り小振りな株姿。
日中に開花して曇りや夜間には閉じる
- 苗を選ぶ
- よい苗の選ぶ際のポイントは、株全体は小さめでも茎が太くて、株張りのよいものを選びましょう。葉裏をめくってみて、ハダニやアブラムシなどが付いていないか、葉に不自然な斑点がないかなど、害虫と病気のチェックをしてから購入しましょう。
- 用土
- コンテナの場合、市販の草花用培用土または赤玉土(小粒)6:腐葉土4:の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に市販の培用土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をします)
- 地植えの場合、植え付けの1週間程前に、根鉢の2~3倍の植え穴を掘って、掘り出した土に土壌改良用の腐葉土や牛ふん堆肥(1㎡当たり2~3kg)を混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。(用土に、市販の培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう)鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、生育期の5月~10月に月1回固形の化成肥料を置肥、加えて10日に1回液肥を施します。(固形肥料の置肥は1株当たりティースプーン1杯を目安)
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、生育期の5月~10月に月1~2回固形の化成肥料を置肥します。(固形肥料の置肥は1株当たりティースプーン1杯を目安)
- 植物の根に直接肥料が触れないように注意します。真夏(7月~8月)や冬季(休眠期)の施肥は控えます。
- 植え付け
- 適期は、4月~6月です。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。根鉢の枯れた根を切り詰め、1/3程(軽く崩す程度で)崩して、古い土を落としてから植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(株間10~20cm、60cmプランターで3~4株が目安)
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。根鉢の枯れた根を切り詰め、1/3程(軽く崩す程度で)崩して、古い土を落としてから植え付けます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は20cm程で植え付けます。
- 植え替え
- 適期は、4月~5月中旬です。
- コンテナ・鉢植えの場合、生育旺盛で根詰まりしやすいので、1年に1回を目安に行いましょう。根鉢を1/3程軽く崩して古い根や枯れた部分を切り取り、新しい用土と元肥を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。植え替え直後にタップリの水を施します。(株が大きく生長している場合は株分けもできる)
- 地植えの場合、寒さに弱く冬越しは難しいので、霜が降る前の10月~11月頃に地中から掘り上げて、鉢上げします。(鉢植えにして屋内などで冬を越させる)
- 挿し芽
- 適期は、5月~9月です。
- 茎の先端を7~10cmの長さで切り取り挿し穂にします。挿し床の用土は、清潔で栄養分の少ないものが適しています。市販の挿し木用土、または赤玉土(小粒)、パーライト、バーミキュライトなど保水性のよいものを使いましょう。挿し穂は、2~3時間ほど水に浸して水揚げして、切り口に発根促進剤を塗っておきます。挿し床の用土は、事前に水をかけて湿らせておきます。挿した後は、明るい半日蔭で乾かさないように管理すると、約1ケ月程で発根します。発根した苗をポリポットなどに移して育苗します。
- 水挿しも可能です。茎先から長さ15~20cmで切り取り挿し穂にします。花、花がら、蕾、そして葉は先端を切り取り、その下から2節の葉だけ残し下葉は全て取り除いて水に浸けます。(葉が多いと腐りやすく水が濁る)挿し穂4~5本を水を入れた空き瓶などにまとめて挿します。
- 発根までの管理は、日蔭に置く、3日に1回は水を換える、水が減らないよう補充する。約1週間すると発根するので、上記と同じ挿し床の用土に挿しましょう。用土を入れたポリポットに3~4株まとめて挿すと効率よく育苗できます。ポリポットに移して、鉢底に根が回ってきたら日に当たる場所に移します。
- 冬越し用として、挿し芽をして苗を育てるとよいです。秋に挿すと、苗が大きくならないので室内で冬越しさせて育苗して、翌年春に植え付けましょう。
グランドカバーとして人気がある
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。過湿に弱いので、休眠期(夏・冬)は控えめに施しましょう。(乾かし気味に、表土が乾いてから2~3日待ってから)
- 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。
- 手入れ
- 摘芯→植え付ける際に、新苗の脇芽を増やすためと、風通しをよくするために不要な枝葉を摘芯します。切り取った枝先は、挿し穂に使えます。茎先から2節下(上から2段目の葉の上の位置)で新芽を摘んでいきます。または、脇芽の少し上の位置です。
- 防寒対策→地植えしている株は、10月~11月の霜の降りる前に、株全体を刈り込んで地中から掘り上げ、鉢上げします。鉢植えにして、屋内やフレーム内など5℃以上を保った環境で冬越しさせる。冬越しができた場合は翌年の春に植え替えましょう。
- 剪定→鉢植えで冬越し後は、徒長枝や傷んだ枝などを切り取り樹形を整えます。切り取った枝には、しばらく花芽が付かないので、あまりやり過ぎずに数年に一度のサイクルで切り戻しましょう。(切り口に癒合剤を塗っておきましょう)横へ伸びる性質なので、株姿のバランスが崩れがちになり、風通しも悪くなるので、適宜伸びすぎた枝葉を切り戻しましょう。
- 花がら摘み→花後の枯れた花は、小まめに摘み取りましょう。
- 置き場所→春から秋は屋外に置きましょう。東向き、または南向きの日当たりのよい場所で、エアコンの室外機の風が当たらない場所。(風に当たるとハダニが発生しやすい)
- 病気→ハダニ
- 害虫→アブラムシ
- 日当たり
- 日当たりと風通しのよい場所を好みます。
- 西日や真夏日の直射に、長時間当たるのを避けましょう。コンテナを移動してやりましょう。