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- ここ最近の記事は、8月中旬~秋に変わる季節に適した、タネまきや苗の植え付けというテーマでご紹介しています。特に「一年草のタネまきと植え付け」に関するものが多いのですが、少々補足します。国内で栽培されている「秋まき一年草」の多くは、外国から輸入された植物です。原産地では、何年間も生育を続ける宿根草だが、国内では夏の高温多湿に適応できずに枯れるため一年草として扱われる植物が多いです。これらは、植物学的な分類ではなく園芸栽培上の便宜的なものです。秋にタネまき・冬前に発芽・翌春に開花・結実・夏に枯死というサイクルを一年以内に完結するものを表記しています。
- ムギワラギク (Strawflower) は、5月頃になると伸長した茎上部に、花径4~5mの頭花を咲かせます。カラフルな花を咲かせる秋まき一年草です。日当たりがよく水はけのよい場所で元気に育ちます。花弁の感触がカサカサとして、麦藁や薄い貝殻のような硬さなのでテイオウカイザイク(帝王貝細工)とも呼ばれます。花弁が萎れないので、切り花やドライフラワーとして人気があります。
温暖地では秋まき一年草
- 分類:キク科ムギワラギク属 / 原産地:オーストラリア
- 別名:ヘリクリサム、帝王貝細工
- 学名:Helichrysum bracteatum (=Xerochrysum bracteatum)
- 園芸分類:一年草(原産地では多年草だが日本では一年草扱い) / 耐寒性(やや弱い)、耐暑性(弱い)
- 草丈・樹高:30~90cm(矮性種は30~40cm)
- タネまき:9月下旬~10月(寒冷地は3月中旬~6月)
- 苗の植え付け:9月中旬~11月上旬(育苗後または市販の苗が流通する)
- 開花期:5月~8月
- 種の採取:花後の6月~7月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。
- 特徴
- ムギワラギクは、オーストラリアやタスマニアに分布するキク科ムギワラギク属の一年草あるいは多年草です。乾燥地帯を中心にして、日当たりと風通しのよい場所に自生しています。原産地のオーストラリアでは多年草ですが、日本では夏の高温多湿の気候に適さずに枯れてしまうので、一年草として扱うわれています。
- 日本へ渡来したのは、明治時代とされています。観賞用と切り花やドライフラワーとして愛用されてきました。草丈は30~90cmで、40cm以上に伸長するの高性種です。
高温多湿に弱いので夏には枯れる
- 用土 砂質土壌を好む
- コンテナの場合、市販の草花用培用土にパーライトを2割程混ぜ込んだ土、または赤玉土(小粒)6:腐葉土3:パーライト1:の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に市販の培用土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をします)
- 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰(1㎡当たり100~150g)を混ぜ込んでおきます。さらに、植えつけの1週間程前に、土壌改良用の完熟堆肥または腐葉土を(1㎡当たり2~3kg)混ぜ込んでおきます。(更に水はけの悪い土壌は、川砂などを1~2割混ぜ込む)
- 肥料 あまり肥料を欲しがらない
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。(用土に、市販の培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう)鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、春になったら4月中旬~6月の間、2週間に1回程液肥を施します。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として少量(1㎡当たり30g)の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、基本的に不要です。
- タネまき 発芽適温は20℃前後
- 適期は、9月下旬~10月です。タネのサイズはかなり細かくて、花壇への直まきをするか?悩むところですが、育苗箱かポリポットまきにします。
- ポリポットまきする場合、市販の種まき用土か赤玉土(小粒)を入れ、数粒をまいたらタネが薄く隠れる程度に覆土します。弱い苗を間引きながら、本葉が3~4枚になったらポリポットに植え替えします。更に、ポリポットに根が回ったら花壇や鉢に定植します。
- 植え付け
- 適期は、9月中旬~11月上旬です。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように、丁寧に植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。株間は20~30cm。(鉢は6号鉢で1本、60cmプランターで3株が目安)
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は25~30cmで植え付けます。
日当たりと水はけのよい場所を好む
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。過湿に弱いので、控えめに施しましょう。
- 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。
- 種の採取
- 花後の6月~7月に、綿毛の付いた種ができます。熟したら花柄から切り取り、種を取り出します。紙袋などへ入れて、涼しい場所で保管しましょう。
- 手入れ
- 摘芯→草丈が伸びる高性種は、茎頂部を摘み取り草丈を低く抑えることで、株のバランスもよくなり花付きも多くなります。
- 防寒対策→地植えの場合、耐寒性は強い方ではないが、関東以南の平地であれば屋外での冬越しは可能ですが、凍結する場所では、株元にマルチングするなどの霜除け対策をした方がよいでしょう。
- 害虫→アブラムシ