ヒメイワダレソウ(リッピア) 季節の花-冬期を除けば通年植え付け可能-イパネマおやじ
ヒメイワダレソウ (Lippia) は、茎が株元から分枝して地面を這うように広がり、茎節から発根して地面に根を下ろす匍匐性の植物です。花期になると、葉の付け根から花柄を伸ばして穂状花序を見せ、数輪の小花を咲かせます。とても強健で爆発的な繁殖力があり、普通に踏みつけられても耐えて、丈夫に育つのでグランドカバーとして利用されています。
強健性で育てやすい
- 分類:クマツヅラ科イワダレソウ属 / 原産地:南アメリカ
- 別名:リッピア(漢字表記・姫岩垂草)
- 学名:Phyla canescens (=Lippia canescens)
- 園芸分類:多年草(宿根草) / 耐寒性(強い)、耐暑性(強い)
- 草丈・樹高:15~30cm
- 苗の植え付け:真冬を除いた春~秋(育苗後または市販の苗が流通する)根が張るまでは水切れに注意。
- 植え替え:真冬を除いた春~秋
- 株分け:4月~7月、9月~11月
- 開花期:5月~9月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。
- 特徴
- 注:「生態系被害防止外来種リスト」に指定されている程の、強健な繁殖力があり栽培には注意が必要です。2022年現時点では、販売や持ち運びに「特定外来生物」には指定されていませんが、扱いには留意点が多い植物です。手間がかからず育てるのは簡単ですが、植えつける場所は慎重に選びましょう。花壇などに植えると、他の植物の領域にも侵入して生育を妨げます。また一旦繁殖すると、広い範囲に深く根を張るので駆除するのが大変です。
- 耐寒性、耐暑性に優れているので栽培の手間いらずで、寒さで落葉して地上部が枯れることもありますが、根はしっかり生きていて春になると、毎年芽吹いてきます。芝生よりも手間がかからず草丈があるので、適度なスペースの空き地に植えると寛げる空間が誕生します。
- 近縁種
- イワダレソウ(Phyla nodiflora)→クマツヅラ科イワダレソウ属の多年草。日本国内の在来種で、関東地方以西の本州、四国、九州、熱帯~亜熱帯になどに広く分布する。当ページに掲載の、ヒメイワダレソウは北アメリカや中国に分布して花形も少し大振りなのが特徴です。開花期は7月~10月。
日当たりがよければ土壌は選ばない
- 用土
- コンテナの場合、市販の草花用培用土または赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に市販の専用培用土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をします)
- 地植えの場合、植え付けの1週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して、掘り出した土に土壌改良用の腐葉土か完熟牛ふん堆肥などの完熟堆肥(1㎡当たり1kg)を混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- コンテナの場合、鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、春と秋に1~2回緩効性化成肥料を置肥します。
- 地植えの場合、定植後の追肥も必要ありません。
- 植え付け
- 適期は、真冬を除いた春~秋です。秋に植える際には、冬の寒さが厳しくなってからだと苗が傷む場合があるので、晩秋までえに植え付けましょう。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。活着するまでは、周囲の雑草を取り除き、水切れを起こさないように管理しましょう。
- 植え替え
- 適期は、真冬を除いた春~秋です。
- コンテナの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、年に1回を目安に行いましょう。古い根を切り取り、新しい用土を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。広がり過ぎて、他の植物の領域に侵入する場合は、掘り上げて取り除きます。
- 株分け
- 適期は、真冬を除いた春~秋です。です。年に1回の植え替えをする際に、同時に作業します。茎の節目から発根するので、根が付いた茎を堀り上げて植え付けます。
- 挿し芽
- 適期は、真冬を除いた春~秋です。手順は他の植物と同じですが、株分けで増やした方が簡単で確実です。
地上部が枯れても翌年には芽吹く
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。植え付け後の、根が活着するまでの期間は水切れに注意しましょう。
- 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。植え付け、植え替え後の、根が活着するまでの期間は水切れに注意しましょう。真夏などに日照りが続く場合は、水やりをしましょう。
- 手入れ
- 防寒対策→耐寒性に優れているので、必要ありません。寒冷地では地上部が枯れますが、根は生きていて春になると再び芽吹きます。
- 病気・害虫→特になし
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。