バビアナ 季節の花-アヤメに似た秋植えの球根-イパネマおやじ
バビアナ (baboon flower) は、春になるとアヤメやグラジオラスに似た、細長い剣状の葉が直立して伸長します。葉脈の部分が盛り上がり凹凸があるのが特徴です。根には球根の一種である球茎を持ち、花茎を伸ばして穂状に花を咲かせます。
寒さに強くないのでコンテナ栽培が適する
- 分類:アヤメ科ホザキアヤメ属 / 原産地:南アフリカ
- 別名:ホザキアヤメ
- 学名:Babiana
- 園芸分類:多年草(球根) / 耐寒性(やや弱い -5℃下限)、耐暑性(夏は休眠する)
- 草丈・樹高:30~50cm
- 苗の植え付け:10月~11月中旬
- 植え替え・分球:10月~11月中旬
- 開花期:4月~5月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。
- 特徴
- バビアナの仲間は、南部アフリカに約94種があり、その大半は西ケープ州の西部~南西部、ナマクアランドに自生しています。その中でも観賞用として広く栽培されているのは、バビアナ・ストリクタ種を親として作出された園芸品種です。花形はカップ状や筒状、花色は青紫色、レモンイエロー色、複色など多種多様な品種があります。
- バビアナの仲間は、全体的には寒さにはやや弱い半耐寒性ですが、中間地(温暖地)を除いてはコンテナ栽培にします。中間地でも、地植えにした場合は、霜除けをする必要があります。最も広く栽培されているバビアナ・ストリクタ種は、簡単な霜除け対策で地植えも可能です。
- 近縁種
- バビアナ・ストリクタ(Babiana stricta = B. nervosa)→和名は、ホザキアヤメ。南アフリカ原産で、直系1.3cm程の球茎を持つ多年草。オーストラリアに帰化している。葉丈は10~15cmで、茎は花序を含めて長さ15~30cm。穂状花序が2~3個付き、漏斗形で筒状の花が密生する。花色は、ライラック色、青色、赤色などがある。開花期4月~5月。
- バビアナ・ナナ(B. nana)→南アフリカ原産で、球茎タイプの球根植物。卵形の球茎は直径1.3cm程で、葉柄は5~8cm。穂状花序を見せ、花は筒状漏斗形で花色は淡いライラック色。開花期は4月~5月。
- バビアナ・ピグメア(B. pygmaea)→南アフリカ原産で球茎を持つ多年草。草丈は、12cm未満で、卵形の球茎を持つ球根植物。花は放射相称花で、花径8cm程の杯状形。花色は淡~濃レモンイエロー色の中央が栗紫色になる。開花期は3月~4月。
バビアナ・アーリーブルー
ホザキアヤメ
霜に当たると傷みやすい
- 用土
- コンテナの場合、市販の草花用培用土、または赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に市販の培用土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をします)
- 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰(1㎡当たり100~200g)を混ぜ込んでおきます。さらに、植え付けの1週間程前に、花壇をよく耕して掘り出した土に土壌改良用の腐葉土(1㎡当たり2~3kg)を混ぜ込んで水はけのよい土壌を作っておきます。
- 肥料
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。(用土に、市販の草花用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう)鉢底石を敷いて、球根を定植後の追肥は、発芽からツボミが出てくる頃、10日に1回程、希釈した液肥を施します。
- 地植えの場合、植え付ける際に元肥として緩効性化成肥料(1㎡当たり60g程)を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、発芽からツボミが出てくる頃、10日に1回程、希釈した液肥を施します。少し多めに施した方が、よい花を咲かせます。
- 球根の植え付け
- 適期は、10月~11月中旬です。深く植えすぎないこと、球根の間隔を詰め過ぎないように注意しましょう。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。深さは2~3cmで、植え付けます。株間は、5号鉢で5~6球、7号鉢で10球程度が目安です。
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。球根は深さ3~5cmで植え付けます。株間は5cm程で植え付けます。
- 植え替え・球根の掘り上げ
- 植え替え適期は、10月~11月中旬です。花後に葉色が黄変して枯れたら、夏はそのまま休眠するので、植えっ放しで大丈夫です。
- 但し、数年が経過すると、球根の数が増えたり肥大するので、葉色が1/3~1/4程度が枯れたら、掘り上げて分球しましょう。採取した球根は、よく洗って乾燥させます。余分な皮や根を取り除きネットに入れて、風通しのよい日陰で保存します。植え付け適期になったら、植え付けましょう。
バビアナ・ケダルベルゲンシス
過湿になると株が倒れやすい
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いて白っぽくなったら施しましょう。夏の休眠期の水やりは必要ありません。(表土が乾いてから2~3日待ってから)朝のうちに水やりをするのがベストです。
- 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。
- 手入れ
- 防寒対策・冬越し→寒さにはやや弱い半耐寒性(下限-5℃)です。中間地(温暖地)を除いてはコンテナ栽培にします。中間地でも、地植えにした場合は、ビニールカバーや株元のマルチングなどの霜除け対策をする必要があります。コンテナは、霜に当たらないように軒下などへ移動させましょう。
- 病気・害虫→特になし
- 日当たり
- 日当たりと水はけのよい場所を好みます。