メランポジウム 季節の花-春に植え付けしたら秋まで開花する-イパネマおやじ

メランポジウム (Melampodium) は開花期になると、茎頂部の葉の付け根から花柄を伸ばして鮮黄色の頭花を咲かせます。一見すると一輪のように見える花弁は、外周の舌状花と中心部の細かな管状花からなる集合花です。暑さに強く、真夏の強い日差しの中でも途絶えることなく次々と花を咲かせるので、夏花壇には欠かせない花です。

メランポジウム春から秋まで長く咲き続ける花

  • 分類:キク科メランポジウム属 / 原産地:北アメリカ南部~中央アメリカ
  • 別名:メランポディウム
  • 学名:Melampodium divaricatum (=M. paludosum)
  • 園芸分類:一年草 / 耐寒性(弱い)、耐暑性(強い)
  • 草丈・樹高:20~40cm
  • タネまき:4月下旬~5月(発芽適温20~25℃)
  • 苗の植え付け:4月~6月(育苗後または市販の苗が流通する)
  • 開花期:5月~10月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。
  • 特徴
  • メランポジウムは、北アメリから南アメリカに約37種が分布するキク科メランポジウム属の一年草です。原産地は、北アメリカ南部からメキシコ、中央アメリカで、草原地帯や森林などに自生しています。日本へ渡来したのは1990年代で、国内で栽培された歴史は浅い植物です。春にタネまきして夏~秋に開花、その後枯れる春まき一年草で園芸品種も数種が流通しています。
  • 国内で主に育てられているのは、メランポジウム・パルドスム(Melampodium divaricatum =M. paludosum)の園芸品種です。花径2~3cmの小輪花が株全体を覆うように咲く多花性の花です。乾きすぎない日なたを好み、肥料分の少ない土壌でもよく育ちます。草丈は20~40cmで茎はよく分枝して座布団のように、こんもりと茂ります。初夏~秋まで長い間咲いて楽しませてくれます。緑色の葉と、黄色の花色とのコントラストが見映えよく夏花壇の主役ともいえる花です。一度植えると翌年には元気な芽を出します。基本は一年草として扱いますが、こぼれ種でも丈夫に育つ程の育てやすい草花です。
  • 近縁種
  • Melampodium leucanthum Torrey & A. Gray→アメリカ、メキシコ原産。多年草または亜低木で、草丈10~40cm。花柄は3~7cmの集合花。花冠は淡いクリーム色。花期は3月~10月。
  • Melampodium perfoliatum (Cav.) Kunth→メキシコ、南アメリカのコスタリカ、グアテマラ原産。一年草で、草丈20~150cm。花序柄は2~10cmの集合花。花冠は黄橙色。開期は一年中。
  • ミリオン・ゴールド(Melampodium divaricatum ‘Million Gold’)→メランポジウムの園芸品種。まとまりのよい株姿で、満開時は株全体を覆いつくす程の多花性。
  • パラダイス(Melampodium divaricatum ‘Paradise’)→メランポジウムの園芸品種。葉は大きめで濃緑色で、上記2種に比べると草丈が高くなる。

一年草

春にタネをまき晩秋には枯れる一年草

  • 用土
  • 鉢植えの場合、市販の草花用培用土または赤玉土(小粒)5:腐葉土3:川砂2:(他には、赤玉土の小粒6:腐葉土4:)の割合で混ぜ込んだ土を使います。
  • コンテナの場合、市販の草花用培用土または赤玉土(小粒)5:腐葉土3:川砂2:(他には、赤玉土の小粒6:腐葉土4:)の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に市販の草花用培用土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をします)
  • 地植えの場合、定植する場所の土をよく耕して腐葉土や土壌改良用の牛ふん堆肥などを混ぜ込んでおきます。
  • 肥料
  • コンテナの場合、苗を定植後の追肥は、植え付け後1ケ月経過してから、緩効性化成肥料を定期的に少量だけ置肥、または月2~3回薄めの液肥を施します。
  • 地植えの場合、苗を定植後の施肥はほとんど必要ありません。多肥になると、徒長気味になり生育不良になります。

メキシコ原産

  • タネまき 発芽適温20~25℃
  • 適期は、4月下旬~5月です。タネまき用土は、市販のタネまき用土、バーミキュライト、ピートモス、赤玉土などが一般的。
  • ポリポットまきする場合、1ポットに1本の苗を育てる場合は、2~2.5号ポリポットに市販の種まき用土か赤玉土(小粒)を入れ、数粒をまいたらタネが隠れる程度に覆土します。弱い苗を間引きながら(引き抜くと残したい苗が傷むのでハサミで切り取る)、本葉が5~7枚になって茎がしっかりしたら、花壇やコンテナに定植します。(冬季はフレームで保護して春に定植するのが望ましい)
  • 箱まきの場合、容器に用土を敷きつめ、事前に土を湿らせておきます。タネをバラまきしたら、隠れる程度に覆土します。本葉が2~3枚になったらポリポットに鉢上げ(植え替え)します。本葉が5~7枚になって茎がしっかりして、根が回ったら1本立ちにして花壇やコンテナへ定植します。(移植の際に根を傷めると、その後の根付きがよくないので、ある程度根が張ったら早めに定植する)
  • 植え付け
  • 適期は、4月~6月です。
  • 鉢植えの場合、鉢は8号以上の大きめのサイズに鉢底石を敷き、「用土」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように古い土を落としてから植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(株間は20~30cm)
  • 地植えの場合、「用土」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。生長するとボリュームのある株になるので、株間は少し余裕をもって30cm程で植え付けましょう。

キク科

植物仕切り線大

乾燥を嫌うので水切れに注意

  • 水やり
  • コンテナの場合、土の表面が乾いて白っぽくなったら、株の根元の土に、鉢底から水が流れ出るくらいタップリと施します。真夏の高温多湿にもよく耐えますが乾燥は嫌います。乾燥が続くと、葉先が丸まってきて茶色くなると生育不良をおこします。
  • 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。
  • 手入れ
  • 花がら摘み:夏期は次々と咲き続けるので、小まめに花後の枯れた花や茎の上部を切り取ります。花がらを放置すると、栄養分を取られて、株が弱ってくるのを防ぎましょう。
  • 害虫→アブラムシ、ハダニ
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。
  • 真夏の時期であれば、明るい半日陰でも丈夫に育ちます。

植物仕切り線大