ネモフィラ 季節の花-春の花壇やコンテナの寄せ植えに人気-イパネマおやじ
ネモフィラ (Nemophila) は花期の3月頃になると、分枝した茎の葉の付け根から花柄を伸ばして、花径2~3cmの花を咲かせます。薄青色の花として有名ですが、黒紫色や白色の花弁に紫色の斑が入る園芸品種もあります。秋にタネまきして、翌年の春に開花した後に枯れる一年草です。
日当たりと水はけのよい場所を好む
- 分類:ムラサキ科ネモフィラ属 / 原産地:北アメリカ
- 別名:ルリカラクサ(漢字表記:瑠璃唐草)
- 学名:Nemophila
- 園芸分類:一年草 / 耐寒性(やや弱い)、耐暑性(弱い)
- 草丈・樹高:10~30cm
- タネまき:9月中旬~10月(発芽適温15~20℃)
- 苗の植え付け:2月下旬~4月上旬(育苗後または市販の苗が流通する)
- 開花期:3月~5月
- 種の採取:花後に採取する。
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)、グランドカバー
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。
- 特徴
- ネモフィラの仲間は、北アメリカ南部に約11種が分布するムラサキ科ネモフィラ属の一年草です。5枚の花弁を持ち、花心に1本の雄しべと5本の雌しべがあります。最も広く栽培されているのは、青色の小花を咲かせるネモフィラ・メンジエシー(Nemophila menziesii)です。薄青色の花が目立ちますが、白色や白に紫のスポットが入るものや、黒色の弁端が白色になる園芸品種もあります。葉は長楕円形で、羽状に分裂して茎に対生する。
- 満開時は株を覆いつくほど多数の花を付けます。1株でもボリュームがあり、花壇などに複数の株を植えると満開時は見事な華やかさを演出してくれます。野原に自然に咲く草花のようで可憐な趣のある花たちです。
- 近縁種
- ネモフィラ・メンジエシー(Nemophila menziesii)→ムラサキ科ネモフィラ属の一年草です。原産地は北アメリカで、別名はルリカラクサ。日本へは大正時代の初期に渡来しています。薄青色の花色で、一般的にはネモフィラと呼ばれるのは、この種を指しています。最も広く栽培されています。他には、花が黒紫色で白い縁取りのあるペニー・ブラックや白色のノースストームなどの園芸品種もあります。開花の季節になると、茨城県国営ひたち海浜公園で約450万本の薄青色のネモフィラの開花が話題になるのは当種です。
- ネモフィラ・マクラータ(N. maculata)→アメリカのカリフォルニア州の固有種で、別名はモンカラクサ。花径4cm程で、お椀形で薄青色の丈夫な花弁の先端に紫色の斑点がある。開花期は、3月~7月。
秋にタネまきして春に咲く一年草
- 用土
- 鉢植えの場合、市販の草花用培養土または、赤玉土(小粒)6:腐葉土4:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、酸性土壌を嫌うので植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰(1㎡当たり100~200g)を混ぜ込んでおきます。さらに、植えつけの1週間程前に、土壌改良用の牛ふん堆肥または腐葉土を(1㎡当たり2~3kg)混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- 鉢植えの場合、植え付けの時に用土の中に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。苗を定植後は、生育の様子を観て春と秋に月間1~2回、液体肥料を施します。多肥になると茎葉が茂り過ぎて草姿が乱れるので、控えめに施しましょう。
- 地植えの場合、植え付ける際に元肥として少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、基本的に必要ありません。
- タネまき
- 適期は、9月中旬~10月です。発芽適温は、20~25℃です。
- 根が直根性で移植を嫌うので、箱まきかポリポットにまいて育苗して早めに定植します。直根性なので、移植の必要がない直まきが簡単なのですが、直射日光や雨風の影響を受けやすく管理が難しく、発芽率が低いためです。
- ポリポットまきする場合、1本の苗を育てる場合は、2~2.5号ポリポットに市販の種まき用土か赤玉土(小粒)を入れ、2~3粒をまいたら軽く覆土します。弱い苗を間引きながら(引き抜くと残したい苗が傷むのでハサミで切り取る)、本葉が5~7枚になって茎がしっかりしたら、花壇やコンテナに定植します。(冬季はフレームで保護して春に定植するのが望ましい)
- 箱まきの場合、容器に用土を敷きつめ、新聞紙で覆った上から霧吹きをするなど、事前に土を湿らせておきます。タネをバラまきしたら軽く覆土をします。本葉が2~3枚になったらポリポットに鉢上げ(植え替え)します。本葉が5~7枚になり、ポリポットに根が回ったら1本立ちにして、花壇やコンテナへ定植します。(移植の際に根を傷めると、その後の根付きがよくないので、ある程度根が張ったら早めに定植する)
- 寒冷地であれば、春にタネまきして涼しい夏に花を咲かせることも可能です。
- 植え付け
- 適期は、2月下旬~4月上旬です。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないよう、丁寧に植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(株間は15~20cm、60cmプランターで2~3株が目安)
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。(株間は20cm程)過湿を嫌うので深植えにならないように注意しましょう。
- 植え替え
- 1年草で花後は枯れてしますので必要ありません。
多湿を避け水はけをよくする
- 水やり
- やや乾燥気味の土壌を好みます。
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。過湿を避けるために、毎日習慣として水を施すのは避けましょう。
- 花がら摘み→枯れた花や葉は小まめに取り除きます。初夏に向けて、葉が茂り過ぎて込み合うのを避けるために、密集した株は間引いて風通しをよくします。
- 病気→灰色カビ病 葉や茎に白い粉のようなものがカビで覆われたら、早めに取り除き処分します。殺菌剤をまいて拡大を防止します。
- 害虫→特になし
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。寒冷地を除けば、霜や凍結の対策をすれば屋外での栽培も可能です。室内へ取り込む際は、温度が高すぎると茎が伸び過ぎます。