アブチロン 季節の花-4月頃に植え付ける花木-イパネマおやじ
アブチロン (Abutilon) は、開花期の5月頃になると、枝先の葉の付け根から花柄を出して、枝にぶら下がるようにして花を咲かせます。花は釣鐘状で、丸みのある愛らしい花形です。流通している種の多くは、園芸品種で花色は、白色、ピンク色です。原種は、オレンジ色か黄色ですね。
半つる性や直立性の樹形
- 分類:アオイ科イチビ(アブチロン)属 / 原産地:熱帯アメリカ
- 別名:ウキツリボク、チロリアンランプ、ショウジョウカ(種により異なる)
- 学名:Abutilon
- 園芸分類:常緑小低木 / 耐寒性(やや弱い)、耐暑性(やや弱い)
- 草丈・樹高:30~50cm
- 苗の植え付け:4月~6月、9月上旬
- 植え替え:4月~6月
- 挿し木:4月~6月
- 開花期:5月~10月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。
- 特徴
- アブチロンの仲間は、主にアメリカ、アフリカ、オーストラリア、アジアの熱帯~亜熱帯地域に約200種が分布する常緑低木が主ですが、多年草や一年草など草花扱いするタイプもあります。樹高が4m以上に伸長する種もありますが、樹高の低いタイプもあり鉢植えにして栽培することもできます。下垂して長期間にわたり花を咲かせ、最近は鉢物向きのコンパクトな品種が作出され人気が高まっています。
- 国内で、主に流通しているのは常緑性低木タイプと常緑半つる性タイプです。熱帯性花木や観葉植物として扱われますが、普通の熱帯性花木と比べると耐寒性は強い性質です。品種によっては0℃程度まで耐えるので、関東地方以西の温暖地であれば、戸外で冬越しも可能です。霜に当たっても枯れることはないが、凍結させないことが前提条件です。
- 近縁種
- アブチロン・メガポタニクム(Abutilon megapotamicum)→イチビ属の原種。和名はウキツリボク。流通名はチロリアンランプ。落葉または落葉低木。樹高は2m程。開花期は4月~12月に花柄を伸ばして、提灯にも見える花弁がぶら下がるように開花。花色は橙黄色で苞が赤茶色になる。
- アブチロン・ヒブリドゥム(A. hybridum Hort. ex Voss)→イチビ属の観賞用園芸品種。常緑または落葉低木。多くある品種群の中でも、世界中で最も多く栽培されている品種。低木で、樹高は3mにもなる。花径6~10cmで、花色は黄色~橙色~ローズピンク色がある。
- アブチロン・ストリアツム(A. pictum = A. striatum Dicks. ex Lindl.)→イチビ属の原種でブラジル原産。和名はショウジョウカ。樹高は1m程。花柄を伸ばして、ぶら下がるように開花する。花径は8~14cmで、花弁は5裂する。花形はランプのシェード型で、花色は橙色に網目状に濃い赤色の脈が入る。
春から秋まで長く開花する
- 用土
- コンテナの場合、赤玉土(小粒 / 大鉢は中粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、掘り上げた土に対して完熟堆肥か腐葉土2~3割を混ぜ込んで水はけのよい土壌を作っておきます。
- 肥料
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、春~秋の生育期に、1~2ケ月に1回緩効性化成肥料を置肥する他に、規定量の2倍程度に薄めた液体肥料を、適時施します。肥料切れが続くと、枝が伸びず花つきが悪くなるので注意しましょう。
- 地植えの場合、植え付ける際に元肥として緩効性化成肥料(1㎡当たり60g)を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、春~秋の生育期に、1ケ月に1回程度緩効性化成肥料を置肥、または10日に1回液体肥料を施します。
- 植物の根に直接肥料が触れないように注意します。真夏や冬の施肥は控えます。(一般的な共通ポイント)
- 植え付け
- 苗の植え付け適期は、4月~6月、9月上旬です。5℃以下にならない場所で育てましょう。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土をコンテナに入れて植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。
- 植え替え
- 適期は、4月~6月です。
- 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、毎年の植え替えが必要です。根鉢を抜いて、古くて傷んだ根を切り取り、新しい用土を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。葉が黄色くなるのは、根詰ましている状態が多いです。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。熱帯植物にしては耐寒性はありますが、冬季は防寒対策や霜に当たるのを防ぐために、ビニールや腐葉土、ワラ、ウッドチップなどで、株元の地表を覆うようにします。
- 挿し木
- 適期は、4月~6月です。当年枝の先端を切り取り挿し穂にします。赤玉土やバーミキュライトなどの清潔な用土に指します(挿し木の詳細はサイト内ページ)
花がらは小まめに摘み取る
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでタップリと水を施します。
- 地植えの場合、基本的には必要ありません。
- 手入れ
- 剪定→適期は、寒冷期を除けば何時でも可能です。伸びすぎた枝を切り戻して、樹形を整えましょう。強めの剪定をする場合、4月~5月が適期です。
- 花がら摘み→花後の枯れた花は、小まめに切り取ります。
- 害虫→アブラムシ、カイガラムシ、ハダニ
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。
- 真夏日の直射に当たるのを避けましょう。鉢を移動してやりましょう。
ガーデンの風景: