タネまきから苗を育てる-No.4 直まき-花壇などに直接まいて育てる-イパネマおやじ
- 前回の”タネまきから苗を育てる”のページでは、容器にタネをまいて育てる方法として、「床まき」を紹介しましたが、今回は花壇や畑、コンテナ(鉢、プランター)に直接タネをまく「直まき」を紹介します。一度まいたら枯れる(収穫する)まで、植え替えをしないで完結させる栽培方法です。しかし、全ての植物が直まきして無事に苗に生長するわけではありません。耐寒性と強健性が高く、厳しい自然環境に適応できる植物に限られます。
- 最近では、草花の苗を育てるのは「床まき」が主流で、直まきをすることは少なくなっています。花壇やコンテナにまくのが、数の調整や温度管理や水やりなど、多くの手入れが行いやすいからです。それでも、畑や花壇の広いスペース全体に花を咲かせたい場合や、野菜類の栽培に用いられています。
- 直まきが適した(必要な)種類は「粒が大きく扱いやすい」、そして植え替えが適さない(嫌がる)植物が対象です。(粒が大きい、といっても明確な基準はなく、指先でつまめる程度という範囲)直まきは、発芽したら一生をその場所で育てるので、一旦まいたら植え替えなどの細かな作業が必要ありません。(生長の過程によって必要な、植え替えや株分けなどは除く)
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畑や花壇・コンテナに直接タネをまく
コンテナや畑・花壇にタネをまく
- 直まきする・・というと手軽で簡単そうですが、草花のタネは細かい種子が多いので直まきで苗を育てるのは難しいです。広いスペースにまく場合、大雑把にパァ~ッと気持ちよくまいてはみたものの、よい結果が得られなかった、という体験をされた方は多いと思います。失敗する原因の多くは、直射日光や雨風、鳥害の被害を受けやすく、その管理が難しい点にあります。
- 直まきよりポットや鉢で育てる方が、植物の生育にとっては適した栽培方法です。小さな苗は、自分の根に適したスペースで水分を施されると、限られた水分を求めて根が伸長するので生長が活発になります。それに対して、畑や花壇などは、好きなように根が伸ばせるので、かえって根の張りが緩くなってしまいます。それでも直まきを選ぶのは、広い花壇一面に花を咲かせたい場合は、直まきしかありません。
粒が大きく扱いやすい種類をまく
タネの粒サイズが大きいといっても、特に細かい基準はありません。”指先でつまめる”サイズということですね。微細種子をバラまきにすると、用土に均一に広がるようにタネまきしたつもりでも重なりやすく、発芽すると苗が重なっていて”間引く”必要があり、タネとスペースが無駄になります。
直まきを成功させるポイント
- タネが大きいと、数粒ずつ「点まき」したり、1列に並ぶように「筋まき」にすることができます。それに対して、細かいタネは花壇にまくと土に同化して、まいた状態が分かりにくいので、つまんで修正することができないので、扱いがむつかしいということになります。
- 少しでも大きめのタネを使うことで、よい苗がそだちやすくなります。タネが大きいということは、生育も早いので、土壌に根付きやすくなります。そして、もう一つ大切なのは、まくタネの量です。タネの大きさにより、咲かせたい株数の5~8倍のタネをまき、発芽後に間引きをして残る苗の質を高めます。直まき用のタネも流通していて、量が多くてお徳用という商品も販売されています。
土壌の準備
畑や花壇の土を、深さ30cm程に掘り起こしてよく耕し、空気をたくさん含むようにします。土の塊や小石などを取り除いておきましょう。後で元肥を混ぜ込むと、土のかさが増すので同量程度の土を除いておきます。
酸性土壌を嫌がる植物を植えつける場合→植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰(一般的に、1㎡当たり100~200g)を混ぜ込んでおきます。
植え付けの1週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して、掘り起こした土に土壌改良用の腐葉土と赤玉土などを(一般的に、1㎡当たり2~3kg / 土壌の2~3割位の配合比率)を混ぜ込んでおきます。
植え付けの際に元肥を混ぜ込む→元肥として完熟堆肥や緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。(あまり多くの肥料を必要としない植物は省く)
畝立て→野菜の多くは、多湿が苦手で生育不良の原因となります。畝を立てることで、水はけと通気性を高め土壌環境を整える効果があります。特に根菜類の野菜には適しています。
大切なのはタネをまく時期
- 発芽に適した条件→温度、湿度、日当たりなどが揃った適期にまく必要があります。植物の、発芽適温、生育適温などが適している場所に植え付ける必要があります。
- 直まきの代表的なものが、野菜類ではダイコン、ニンジン、トマトなどがあります。草花で直まきに適するのは、ヒマワリ、ジニア、コスモス、菜の花などです。これらの草花は床まきから移植するより、直まきの方が格別によく育ちます。
- 春まきの場合、平均的な植物のまき時(床まきの適期)より遅くして、十分に暖かくなってからが適期です。特に春まきの草花類は生長が著しく大きく育ちすぎます。春まきの時期を遅らせるのは、直まきの苗の生長が緩やかなので、伸び過ぎる草丈を抑え目にしてバランスのよい株に育てるためです。
- ※ タネまき後の管理は、発芽までは乾燥しないよう水やりをしながら、風通しのよい日陰で管理しましょう。