アスター(エゾギク) 季節の花-春まきして秋まで長く開花する-イパネマおやじ
- アスター (Chaina astar) は、梅雨入り前の6月~9月に開花するキク科エゾギク属の一年草です。春にタネまきして夏~秋に開花して、その後枯れる春まき一年草として扱うのが一般的です。秋にタネまきして、冬越しをして翌年の6月~7月頃に開花する「秋まき一年草」として育てることも可能です。
- 流通する多くの品種が園芸品種で、一重咲きや八重咲き、ポンポン咲きなど多様な品種があります。初夏から秋の時期に花を咲かせますが、原産地は中国北部なので暑さはやや苦手です。花色は、白、黄、ピンク、紫、複色など多彩な花色があります。
育てPOINT
花壇などへ地植えをする場合、酸性土壌を嫌うので植え付け2週間程前に、よく土を耕して苦土石灰を混ぜ込んで中和しておきましょう。生育中の土の乾きすぎや湿りすぎにも要注意です。
連作と酸性土壌を嫌う
- 分類:キク科エゾギク(カリステファス)属 / 原産地:中国北部
- 別名:エゾギク(漢字表記:蝦夷菊)、サツマギク
- 学名:Callistephus chinensis
- 園芸分類:一年草 / 耐寒性(やや強い)、耐暑性(弱い)
- 草丈・樹高:70~80cm(矮性種20~30cm)
- タネまき:3月中旬~4月中旬、9月下旬~10月下旬
- 苗の植え付け:3月中旬~6月中旬、11月下旬~12月上旬(育苗後または市販の苗が流通する)
- 開花期:6月~9月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。
- 特徴
- アスターの原産地は、中国北部の冷涼な乾燥地帯です。日本へ渡来したのは江戸時代中頃とされています。以前は、アスター属に分類されていて、その名残で現在もアスターと呼ばれています。園芸分類上で、アスター(キク科シオン属)とは異なります。一般的に「アスター」と呼ばれるのは当ページに掲載する、キク科エゾギク属 (Callistephus chinensis) のことです。英名はChina aster。
- 和名は、エゾギクと呼ばれますが北海道には分布していません。茎はよく分枝して、全草を剛毛で覆われています。葉は卵形で縁は鋸歯になり、観賞用や切り花用に利用され人気のある草花です。連作を嫌い、同じ場所で毎年のように栽培を繰り返すと連作障害を起こします。3年~5年間空けるようにしましょう。
- 近縁種(近似だが別属)
- 宿根アスター (Aster) →名前は似ていますが、別属の植物です。キク科シオン属、別名は孔雀アスター、クジャクソウ。原産地はアジア、ヨーロッパ、北アメリカ。草丈30~300cmで、国内でよく栽培されているシオンやノコンギクなどの仲間です。
移植を嫌うのでポリポットで育苗する
- 用土
- 鉢植えの場合、市販の草花用培養土または赤玉土(小粒)6:腐葉土4:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、掘り上げた土に対して土壌改良用の牛ふん堆肥や腐葉土2割程を混ぜ込んで水はけのよい環境を作っておきます。酸性気味の土壌では、植え付けの2週間程前に、よく土を耕して苦土石灰を混ぜ込んでおきます。(1㎡当り100g→1握り)
- 肥料
- 用土に、市販の草花用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので確認してから元肥を施します。
- 鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の施肥は、生育期間中に月3~4回薄めの速効性液体肥料を施します。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として有機質肥料か緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、生育期間中に月3~4回薄めの速効性液体肥料を施すか骨粉入り固形油かすなどを置肥します。
- 追肥または地面に埋める場合、枝先の端下に深さ7~8cm程で株元を囲むように穴を掘り、肥料を地面に埋める。(根と肥料が直接触れないように注意する)
- 真夏(7月~8月)や冬季(休眠期)の施肥は控えます。(一般的な共通ポイント)
- タネまき
- 適期は、3月中旬~4月中旬、9月下旬~10月下旬です。(発芽適温は20℃前後)移植を嫌うので、箱まきかポリポットにまいて育苗します。
- 箱まき(セルトレーが便利)かポリポットまきにします。箱まきの場合は本葉が3~5枚になったらポリポットに仮植えします。ポリポットに根が回ったら花壇や鉢に定植します。ポットまきも同様に、根が回ったら花壇や鉢に定植します。セルトレーなどに2~3粒を覆土5mm程の深さで蒔きます。
- 植え付け
- 苗の植え付け適期は、3月中旬~6月中旬、11月下旬~12月上旬です。
- 鉢植えの場合、鉢底石を敷き、根鉢の根を傷めないように植え付けます。定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。(65cm深型プランターだと3株が目安)
- 地植えの場合、根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。株間は20cm位空けて植え付けます。
根が浅いので乾燥に注意する
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。但し過湿にならないように管理しましょう。
- 地植えの場合、基本的には必要ありません。乾燥した日が続くようなら施します。
- 手入れ
- 花がら摘み→花後の枯れた花や枯れ葉は早めに切り取ります。
- 支柱たて→草丈が長くなると、根が浅いので茎が倒れやすくなるので、必要に応じて支柱を設置しましょう。
- 防寒対策→秋にタネまきして冬越しする場合は、霜に当たるのを避けるようにしましょう。
- 病気→立枯病
- 害虫→アブラムシ
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。
- 西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。鉢を移動してやりましょう。
ガーデン風景