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- ナスタチウム ( Nasturtium ) は、メキシコ、コロンビアからボリビアのアンデス山脈の一帯に分布するノウゼンハレン科の一年草です。ペルーで発見された野生種がイギリスに渡り、日本には江戸時代末期に渡来しました。春にタネをまくと、初夏から秋に開花して花後には枯れる一年草です。和名で、キンレンカ(金蓮花)とも呼ばれています。
- 肥料はチッ素系が多すぎると葉だけが茂りすぎます。花をたくさん咲かせたいなら、リン酸系の肥料を多めに施しましょう。
日当たり水はけのよい場所で育てる
- 分類:ノウゼンハレン科ノウゼンハレン属 / 原産地:ペルー・コロンビア
- 別名:ナスタチューム(和名:キンレンカ 金蓮花)
- 学名:Tropaeolum majus cv.
- 英名:Garden nasturtium, Indian cress
- 園芸分類:一年草 / 耐寒性(弱い)、耐暑性(弱い)
- 草丈・樹高:30~300cm
- タネまき:3月中旬~4月、9月(寒冷地は5月~6月)
- 苗の植え付け:4月~5月(育苗後または市販の苗が流通する)
- 挿し芽:6月
- 開花期:5月中旬~7月・9~10月中旬 (冷涼地以外は、夏は花を休む)
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター、吊り鉢)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
- ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
- 気象庁ホームページ:地域別の気候情報はコチラ https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/cgi-bin/view/index.php
- 特長
- ナスタチウムは、ノウゼンハレン科ノウゼンハレン属の春まき一年草です。原産地はメキシコから南アメリカのペルー、コロンビア、ブラジルですが、高地の冷涼な地域に自生しているので、暑さには弱い植物です。
- 原産地では、つるが枝分かれして3mにも伸長しますが、国内で流通しているものは矮性品種なので、30~60cmの長さで収まります。花色はオレンジ、赤、サーモンピンク黄色、オレンジなど暖色系が多く、花径5cm程の花びらは一重、八重、万重咲きなど多彩な種類があります。つる性で茎が這うように伸びるので、吊り鉢仕立てにすると映えます。
- 観賞用だけではなくハーブとしても扱われ、無農薬栽培をすれば、花、葉は食用として利用できます。フランスではペルークレソンと呼ばれて、ピリッとした辛さと酸味のある若葉をクレソンの代わりに利用しています。
- アブラムシ、コナジラミ、アリなどを寄せつけない防虫効果があり、コンパニオンプランツとして利用されています。特にキュウリ、トマトの周りに植えて害虫駆除に利用することがあります。
- 近縁種
- トロパエオルム・マユス ( Tropaeolum majus ) →一般的にナスタチウムと言えば、当種を指している代表的な品種です。園芸品種が豊富で英名をガーデン・ナスタチウムとも呼びます。
- トロパエオルム・ペレグリナム ( Tropaeolum peregrinum ) →別名は、カナリアヅル。エクアドルやペルーの高地原産で鮮やかな黄色い花を咲かせます。葉や花びらに切れ込みが入っている。
- トロパエオルム・ツベロスム ( Tropaeolum tuberosum ) →地下に鶏卵サイズの根茎を作ります。アンデス地方では、ノウゼンハレンと呼ばれ重要な食料として利用しています。
ペルークレソンとも呼ばれ食用になる
- 料理・飲み物で楽しむ
- 日本で食べる花といえば、お刺身に添えるシソの花、食用キクの花などが真っ先に浮かんできますね。クレソンをさらに鋭くしたようなぴりっとした辛い風味の葉はサラダやサンドイッチに最適です。基本的には無農薬で育てることが必要です。(エディブルフラワー:食べられる花のことです)
- 葉よりマイルドな味わいの花はサラダに彩りを添えるため、オードブルにもぴったり。ハーブチーズやハーブバターにもおすすめです。種子は若い緑色のうちにつみ取り、酢漬けにするとケイパーの代わりになります。
- 花には食べられるものも多くナスタチウムもその一つです。他にはパンジー、ビオラ、キンギョソウ、ベゴニア。センパフロレンス、ミムラス、キンセンカ、ヤグルマギク、バラ、ペチュニア、セキチク、インパチエンスデンファレなどなど。
- 用土
- コンテナの場合、市販の草花用培養土または赤玉土(小粒)5:腐葉土3:パーライト2:(他には、赤玉土5:ピートモス3:パーライト2:)の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、植え付けの1週間程前に、深さ30cm程の植え穴を掘って、掘り出した土に腐葉土か牛ふん堆肥(1㎡当たり2~3kg)を混ぜ込んで水はけのよい土壌を作っておきます。
- 肥料
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥としてリン酸、カリウム分の配合が多い緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。(用土に、市販の用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう)鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、春と秋に少量の緩効性化成肥料を置肥、または月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、基本的に不要です。
- ナスタチウムは、肥料を与えすぎると花付きが悪くなるので、量は控えめにしましょう。特にチッソ系の成分が多いと葉が大量に生い茂り、花数が少なくなってしまいます。花をたくさん咲かせたい場合は、リン酸の肥料を与えると花付きが良くなります。
- 肥料の3要素は、チッ素分(主に葉を生長させる)、リン酸分(花や実を生長)、カリウム分(根を生長)です。植物の根に直接肥料が触れないように注意しましょう。
- タネまき 発芽適温15~20℃
- 適期は、3月中旬~4月、9月です。(寒冷地は5月~6月)
- ナスタチウムは硬実種子で、タネの表皮がコルク質でとても堅いので、一晩タネを水に浸けておいて翌日にまきます。移植を嫌うので苗用ポット蒔きして、室内の窓辺などに置いて管理します。
- 市販のタネまき専用土か赤玉土5:ピートモス5:の用土にまきます。1つのポットに1粒をまき、嫌光性種子なので種が隠れるように1cm程の覆土をします。約1週間で発芽して本葉が2~3枚に育ったら、コンテナや花壇に定植します。
- 春にタネを蒔いたら3ヶ月くらい花を楽しむことが出来ますが、暑くなると花が咲かなくなることもあるので、少し期間が短いです。(夏越しができたら秋になると、再び咲きます)
- もし秋になってからタネをまいたら、苗の状態で冬越しをすることになります。5℃以下にならなければ、日当たりのよい軒下などでも栽培可能です。霜や寒風を避けて、凍らさないように注意して軒下などで冬越しできますが、5℃以上に保てる環境に置きましょう。室内に取り込む際は、日当たりの良い場所にします。
- 開花までの育苗期間が長いのですが、時間がかかる分だけ株が大きく育ちます。
- 植え付け
- 適期は、3月中旬~4月、9月です。
- コンテナの場合、鉢植えは6号サイズがよいです。鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように植え付けます。よく土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。堆肥を底に敷いて、根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。水はけをよくするために土を盛り上げ高畝にして、土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は20~30cmで植え付けます。
- 挿し芽
- 適期は、6月です。
- 茎を3節目安の10cm程の長さで切り取り挿し穂にします。下葉を取り除き、水揚げをします。清潔な用土に挿します。(サイト内 詳細ページ)
関東以西では夏越しの手入れが必要
- 水やり
- 水を与えすぎると、細く軟弱に伸びて葉ばかりが生い茂り、花が付きにくくなります。土の表面が乾いてくるまで水やりは控えて、より乾いたらタップリと与えます。やや乾燥気味に育てましょう。
- 夏は、乾燥して葉がしおれる前にタップリと施しましょう。
- 手入れ
- 花がら摘み→花が咲き終わったら、小まめに花柄の付け根から切り取りましょう。
- 切り戻し・夏越し→梅雨明けに、鉢植えの草丈1/3の長さで切り戻して、風通しをよくしておくと、夏越しをしやすくなります。地植えの場合は、ネットなどで遮光します。夏越しができれば、秋に再び花が咲きます。
- 冬越し→一年草ですが、冬季でも暖かい地域で日当たりのよい室内などで、管理すれば例外的に冬越しも可能。
- 病気→立ち枯れ病 高温多湿だと株が蒸れて発生することがあります。
- 害虫→ハダニ、ナメクジ ハダニの予防は葉の表裏に、小まめに水をかけてやると発生をふせぐことも出来ますが、被害が広がりそうな時は薬剤散布をしましょう。
- 収穫
- 無農薬で栽培したら食用も可能なので、5月~10月の間に収穫します。
- 花、葉は料理に使います。山葵に似たピリッとした辛味がありサラダに混ぜるとサッパリ感が味わえます。
- 日当たり
- 日当たりの良い場所を好みます。ただし夏の日差しには弱いので、直射日光の当たる場所を避け、木漏れ日のあたるような風通しの良い明るい日陰に移しましょう。夏季は乾燥して、葉がしおれてきたら早めにタップリと水を施しましょう。