ナデシコ(ダイアンサス) 季節の花-やさしい草姿で可憐な花を咲かせる-イパネマおやじ

  • ナデシコ (Dianthus) は、種類が豊富で一季咲き、四季咲きがあります。一般的にダイアンサスはダイアンサス属の総称であり、和名ではナデシコと呼ばれています。以前は日本原産の「カワラナデシコ」のみの花名でした。
  • ナデシコ属の中でも、よく知られているのがカーネーションですが、園芸上では一つのカテゴリーとして確立されているので別物として扱われています。色々な種を交配して作出され、多くの園芸品種があり茎の先端に1~数輪の花を付け、葉は先が尖って細長く株全体は細長い。

scale 画像

育てPOINT

枝葉が茂ると、株の中心が風通しや日当たりが悪くなるので、花後には株全体の切り戻しを行いましょう。株分けも1~2年に1回は小まめに行いましょう。

夏に咲く花

世界中に300種以上が分布する

  • 分類:ナデシコ科ナデシコ属 / 原産地:ヨーロッパ、北アフリカ、南アフリカ、アジア
  • 別名:ダイアンサス
  • 学名:Dianthus 
  • 園芸分類:一年草、多年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(やや弱い)
  • 草丈・樹高:30~80cm
  • タネまき:3月~4月、9月中旬~10月中旬
  • 苗の植え付け:3~5月、秋が9月中旬~10月
  • 植え替え:3~5月、秋が9月中旬~10月
  • 株分け:3月、秋が9月下旬~10月
  • 挿し芽:4月~6月と秋は9月中旬~10月
  • 開花期:4月下旬~10月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター、吊り鉢)
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。
  • 特徴
  • ナデシコの仲間は、ヨーロッパ、北アフリカ、南アフリカ、アジアなどに約300種以上が分布する、ナデシコ科ナデシコ属の一年草あるいは多年草です。個性的な花形や多彩な花色の品種が多数あります。国内でも、古くから花壇、鉢花、切り花などに栽培利用されてきました。国内の自生種は、本州、四国、九州、沖縄諸島など広い範囲に分布しています。日当たりのよい草原や空き地などで見かけられます。しかし、最近では外来種が広がり、地域によっては絶滅危惧種に指定されるなど、日本の原産種は減少傾向にあります。
  • 近縁種
  • カワラナデシコ(Dianthus superbus var. longicalycinus)→日本、朝鮮、中国、台湾に自生する多年草。草丈30~50cmで、花径4~5cmの5弁花を茎の頂部に咲かせる。花弁は糸状に細烈して花色は白や淡紅色で、開花期は6~9月。
  • シナノナデシコ(Dianthus shinanensis)→日本の固有種で、本州中部に分布する多年草。草丈20~40cmで、花径2cm程の紅紫色の5弁花を茎の頂部に付ける。花弁は広倒卵状で、開花期は7~8月。
  • ヒメハマナデシコ(Dianthus kiusianus)→日本の固有種で、本州、四国、九州、南西諸島に分布する多年草。草丈10~30cmで、花は集散花序で、茎の頂部に5弁花を1~6個付ける。花色は紅紫色で、開花期は4~9月。
  • タカネナデシコ(Dianthus superbus var. speciosus)→カワラナデシコの高山に分布する種。北海道、中部地方以北の高山地帯の岩礁や草地に自生する。草丈15~40cmで、茎の頂部に花径4~5cmの紅紫色の5弁花を付け弁端は細かく裂ける。開花期は7~9月。
  • セキチク(Dianthus chinensis)→中国の原産種で、本州、四国、九州、沖縄諸島に分布する多年草。草丈15~40cmで、花径2~3cmの5弁花を茎頂部に付ける。花色は、白、赤、紅紫、覆輪のある種もある。開花期は5~7月。

タネまきで育てる

秋に自家種子を採取してタネまきできる

  • 用土 
  • コンテナの場合、鉢底には鉢底石を敷いて、市販の草花用培養土または赤玉土(小粒)5:腐葉土3:鹿沼土2の割合で配合した土を使います。
  • 地植えの場合、掘り上げた土に対して腐葉土と鹿沼土2~3割を混ぜ込んで、植え穴に戻します。
  • 肥料
  • コンテナの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、3~5月と9~10月の間は、週に1回液体肥料を施すか、生長の様子を観察して月1回緩効性化成肥料を置肥をします。
  • 地植えの場合、植えつける前に元肥として、カリウム成分の多い草花灰などの有機質肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、3~5月と9~10月の間は、月1回骨粉入り固形油かすを置肥します。

ナデシコ

  • タネまき 発芽適温は20℃前後
  • 適期は、3月~4月、9月中旬~10月中旬です。花後に株元の子房が膨らんでくるので、茶色くなってきたら種子が熟しています。子房が弾けて飛び散る前に、種子を取り出します。スグに採りまきするか、又は翌春までタネを保存して春まきにします。(春までは、湿った砂にタネを混ぜてビニール袋で包み、冷蔵庫で保存します)
  • 植え付け
  • 苗の植え付け適期は、3~5月、秋が9月中旬~10月です。「用土」と「肥料」の項目で準備した土壌に植えつけていきます。
  • コンテナの場合、5~7号鉢が目安です。(品種による最大草丈を基準にして選びましょう)
  • 地植えの場合、植え穴は根鉢の倍の大きさを掘り上げ、掘り上げた土に元肥を混ぜ込んだら、元の植え穴に戻します。植えつけ直後に、タップリと水を施します。
  • 植え替え
  • 適期は、3月~5月、秋が9月下旬~10月です。
  • コンテナの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、1~2年に1回を目安に行いましょう。根鉢を軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土と元肥を入れた一回り大きな鉢に植え替えます。
  • 地植えと一年草の場合、基本は必要ありません。
  • 株分け
  • 適期は、3月、9月下旬~10月です。植え替えを兼ねて同時に作業しましょう。2~3芽で1株になるように分けて植え付けます。(注:株が老化すると生育不良になり、枯れやすくなるので、タネまきや挿し芽で株を更新しましょう)
  • 挿し芽
  • 適期は、4月~6月と秋は9月中旬~10月です。花の付いていない芽を切り取り、1時間程水揚げしてから、清潔な用土に挿します。明るい日陰で、乾燥させないように管理して発根を待ちます。

多年草

植物仕切り線大

ほとんどが多年草だが少数の一年草もある

  • 水やり
  • コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。過湿を避けるために、毎日習慣として水を施すのは避けましょう。
  • 手入れ
  • 切り戻し→花後は、茎を株元から1/2~1/3の高さで切り戻します。(草丈の低いものは、1/2の高さで切り戻す)花が終わると株が蒸れやすいので、花茎は早めに切り取ります。
  • 病気→苗たち枯れ病、灰色かび病
  • 害虫→アブラムシ、ヨトウムシ
  • 日当たり
  • 日当たりと風通しのよい場所を好みます。
  • 半日陰でも育つが、半日以上は日に当たらないと花つきが悪くなったり茎が発育不良で細くなったり間伸びすることがあります。

植物仕切り線大