スイセン(水仙) 季節の花-秋~初夏に生育し夏には枯れて休眠-イパネマおやじ

スイセン (French daffodil) は、3~4月に開花する品種が多いですが、中には11月下旬頃から開花する種もあります。開花期になると、葉の間から長い花茎を伸ばして、頂部に花径2~10cm程の花を一輪~数輪咲かせます。

スイセン

古来より栽培されていた球根植物

  • 分類:ヒガンバナ科スイセン属 / 原産地:地中海沿岸~北アフリカ
  • 別名:セッチュウカ(漢字表記:雪中花)
  • 学名:Narcissus 
  • 園芸分類:多年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(中程度/休眠中)
  • 草丈・樹高:10~50cm
  • 苗の植え付け:10月~11月
  • 植え替え:10月~11月
  • 開花期:11月下旬~4月 
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。
  • 特徴
  • 世界に約60種類の原種があり、園芸品種となると約1万種以上はあるとされています。原産地は、地中海沿岸からスペインのピレーネ地方です。海岸から園芸品種が渡来するまではスイセンといえば、古来より日本に自生している”ニホンズイセン”のことでしたが、現在は海外から輸入された園芸品種も含めて総称で「スイセン」と呼ばれています。
  • 花が咲くのは11月下旬頃から咲く品種と、3月頃から咲く品種があります。秋に植えておくと、毎年のように開花して楽しませてくれます。初夏になり気温が上がると、葉が枯れて球根だけになり夏を過ごして、気温が下がると葉を伸ばして花を咲かせます。
  • 注意:葉の形がニラに、そして球根がタマネギによく似ているので間違って食べてしまい、食中毒を起こすという事故が発生しています。全草に毒性があり嘔吐や皮膚炎を発症します。野菜畑などの近くなど紛らわしい場所に植えるのは避けましょう。
  • 近縁種
  • ニホンズイセン(Narcissus tazetta var. chinensis)→古来より日本で栽培されている代表品種。各地で野生化していて、野原などで群生を見ることが多い。元はヨーロッパ原産のtazetta 種の変種だそうです。 
  • クチベニズイセン(Narcissus poeticus )→スペイン~ギリシャにかけて広域に分布するポエティクス種から作出された品種。
  • トライアンドラリス・スイセン(Narcissus triandrus)→トライアンドラリス種を元に作出された品種の系統。花が下向きに咲き、花弁が少し反り返るのが特徴。1茎に2輪以上の花をつける。
  • ラッパズイセン(Narcissus pseudonarcissus)→ヨーロッパに分布するプセウドナルキッス種を元に作出された品種。ラップ(副花冠)が花びらと同じか、それ以上に長くなる。文球性は低いので球根の採取数は少ない。
  • その他、合計13種類の系統に分類されている。

スイセンと桜

砂質土壌を好む

  • 用土
  • 水はけと根張りのしやすい砂質土壌を好みます。
  • コンテナの場合、赤玉土(小粒)6:腐葉土2:ピートモス2の割合で混ぜ込んだ水はけのよい土を使います。鉢サイズは、標準サイズの15~18cm鉢。
  • 地植えの場合、土をよく耕して腐葉土を混ぜ込んでおきます。水はけが悪ければ川砂も混ぜ込むとよい。
  • 肥料
  • コンテナの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
  • 地植えの場合、植えつける前に元肥として完熟堆肥と緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
  • 追肥は、発芽したら月に2回を目安にチッ素分の少ない液体肥料を施します。

水仙

  • 植え付け
  • 適期は10月~11月です。
  • 水はけと根張りのしやすい砂質土壌を好みます。通気性がよい土壌だと根をしっかりと張りります。
  • コンテナの場合、18cm鉢を使い4~5球を球根が軽く隠れる程度に浅く植えます。
  • 地植えの場合、植えつける深さは小球が6cm、大球で10cm程、植える間隔は小球が10~15cm、大球は15~20cmです。
  • 分球・植え替え
  • 適期は6月下旬~7月です。茎葉が黄色く変色して枯れ始めたら、堀り上げて作業しましょう。堀り上げた球根は、秋の植え付け期まで保存しておきます。
  • コンテナの場合、鉢底が込み合うと生育不良になるので、2年経ったら様子をて分球しましょう。
  • 地植えの場合、基本は必要ありませんが、3~4年に1回は堀り上げて分球しましょう。4年以上経過すると葉が混みすぎて日照不足になり、小球ばかり増えて花が咲かなくなります。

地中海沿岸の原産です

植物仕切り線大

系統により開花時期が異なる

  • 水やり
  • コンテナの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。
  • 手入れ
  • 花がら摘み:ニホンスイセンは結実しませんが、その他の品種は実をつけるので早めに花がらを摘みます。花後の枯れた花や茎の上部を切り取ります。
  • 病気→軟腐病
  • 害虫→アブラムシ

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  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。開花後は、半日陰でも育つ。
  • 西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。鉢を移動してやりましょう。
  • 地植えの場合、植えつける前に場所の環境をチェックして、それでも日当たりが厳しい場合は、寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。

植物仕切り線大