アイビー(ヘデラ) 観葉植物-春から育てて一年中鑑賞できる-イパネマおやじ
アイビー(ヘデラ)は、カエデのような形の葉っぱをたくさん生やすツル性の観葉植物です。生命力が強く枯れにくいことから、初心者をはじめとして広く人気があります。葉に白や黄色の斑模様が入る色鮮やかな品種もあり、寄せ植えやアレンジメント、ハンギング栽培にもよく使われています。
気根(付着根)を出して、壁や樹木などに張り付き、這うように伸長します。ヘデラとも呼ばれますが、一般的にはアイビーの名前の方が親しまれています。庭のフェンスや壁面に這わせたり、コンテナに寄せ植えするなど、その美しい葉を鑑賞するつる性植物です。園芸品種は、約500種以上ともいわれ観葉植物として高い人気があります。
手入れやメンテナンスが簡単で、水やりや霧吹きをしてやれば丈夫に育ちます。日当たりの悪い場所でも蛍光灯の光があれば生育するのが特徴です。ただし、日に当てたほうが葉の色つやがよくなります。特に斑入りの種は、日照不足になると模様が薄くなったり消えることもあります。風通しが悪いと病害虫が発生しやすくなります。
水耕栽培でも育てられる
- 分類:ウコギ科キヅタ属 / 原産地:ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア
- 和名:キヅタ(木蔦)、セイヨウキヅタ、カナリーキヅタ
- 別名:ヘデラ、アイビー、セイヨウキヅタ
- 学名:Hedera
- 英名:English ivy
- 園芸分類:つる性常緑樹 / 耐寒性(普通)、耐暑性(強い)
- 草丈・樹高:1~10m
- 苗の植え付け:4月~9月
- 植え替え:4月~9月
- 挿し木:4~5月、秋は9月下旬~10月上旬
- 開花期:9月~12月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
- ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
- 特徴
- ヘデラは、北アフリカ、ヨーロッパ、西アジアに8種類が分布しています。日本へ渡来したのは、明治時代とされています。観葉植物として一年中常緑の葉を付け、家庭の室内インテリアとして栽培される他にも、公共スペースや建物なの緑化などに栽培利用されています。
- 9月~12月に花びらを5枚ほど付け、かんざしのような花を咲かせ、花後にはアイビーベリーと呼ばれる直径6mm程の実を付けます。 葉色は濃緑色~黄緑色で、色鮮やかな色彩を一年中楽しめます。
- 近縁種
- キヅタ(Hederu rhombea)→原産地は日本、朝鮮半島、台湾です。気根により樹木などに絡みつき、順調に生育すると40mにも伸長します。葉は三角~五角形で表面は革質、濃緑色、葉脈が淡緑色で美しい。花弁は5つ、果実は8mm程の球形。
- セイヨウキヅタ(Hederu helix)→ヘデラといえば一般的にこの種を指します。最も園芸品種が多く500種以上にも及びます。原産地はヨーロッパ、西アジア。つるは10m以上に伸長する。葉脈はクリーム色で、開花期は10月頃で翌春に熟する。
- カナリーキヅタ(Hederu canariensis)→グラウンドカバーとして利用されることが多い種。原産地は北アフリカ、カナリア諸島、マディラ。セイヨウキヅタと比べると耐寒性が弱い。葉は長さ20cm以上になり、クリーム色の斑入りや寒さに当たると紅葉する種もある。
鉢植えには防カビ・防虫剤を利用するとよい
- 用土
- 室内用にするには衛生的な用土が必要です。土の粒子同士の透き間があり、水や養分を蓄えて根を張ります。水はけと通気性に富んて、適度な保水性のある土がよいです。
- コンテナ・鉢植えの場合、鉢底には鉢底石を敷いて、市販の観葉植物用の培養土または赤玉土(小またな中粒)6:腐葉土3:軽石1:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 水耕栽培の場合、水耕栽培用の用土を使います。(必要準備品→普通のポット苗・ガラスの容器・ハイドロボール・根腐れ防止剤)
- 肥料
- コンテナ・鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、4月中旬~10月中旬、月2~3回液体肥料を施す。(あまり繁殖させたくない場合は省略する)
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は必要ありません。
- 植え付け
- 苗の植え付け適期は、4~9月です。
- 「用土」と「肥料」の項目で準備した土壌に植えつけていきます。
- コンテナ・鉢植えの場合、鉢底に鉢底石を敷き、ポット苗を植え付ける場合はビニールポットより一回り大きな鉢に植え付けます。
- 地植えの場合、根鉢を取り出し軽く土を振るい落として植え付けます。
- 水耕栽培の場合、根鉢を抜き取り、根に付いた土を洗い流します。鉢底の無い容器に、底面が隠れる位まで根腐れ防止剤を入れる。苗を安定させるためのハイドロボールを容器の1/3程度入れて、苗を植え付けます。水を容器の1/5程度まで入れる。
- 植え替え
- 適期は、4月~9月です。
- コンテナ・鉢植えの場合、鉢底から根が出てきたら植え替えます。生育旺盛なので、1~2年に1回を目安に行います。根鉢を崩して、古い土を少しだけ振るい落として、古い根や傷ついた根を切り取ります。新しい用土と元肥を入れた一回り大きな鉢に植え付けます。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。
- 水耕栽培の場合、6ヶ月~1年に1回を目安に行います。用土の洗浄と根腐れ防止剤の入れ替えが6ヶ月~1年に1回は必要なので、その際同時に行います。
- 増やし方
- 挿し木で増やす→適期は、4~5月、秋は9月下旬~10月上旬です。暑い時期は発根しにくいので避けましょう。元気のよい枝を10~15cmの長さに切り取り挿し穂にします。枝先の葉を2~3枚残し、下葉を取り除いて土や水に挿します。
- 明るい日陰で管理すると、10日~2週間で発根します。新しい葉が出たらポットに鉢上げします。生育に応じて植え替えしていきます。水差しの場合、ハイドロカルチャーか土に植え替えることもできます。
- 水やり
- コンテナ・鉢植えの場合、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでタップリと水を施します。
- 地植えの場合、基本的には必要ありません。
室内の緑のインテリアとして置く
- 手入れ
- 剪定→適期は、4~9月です。伸びてバランスが悪くなったつるや、葉が重なり合っている部分を切り取ります。丈夫なので、強めに刈り取っても問題ありません。
- 病気→すす病、炭疽病
- 害虫→アブラムシ、ハダニ、カイガラムシ
※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。
- 午前中だけ日が当たる半日陰でも育ちます。ただし、日に当てたほうが葉の色つやがよくなります。特に斑入りの種は、日照不足になると模様が薄くなったり消えることもあります。風通しが悪いと病害虫が発生しやすくなります。