クフェア 季節の花-比較的耐寒性のある熱帯植物-イパネマおやじ
クフェア (False heather) は、花期の初夏になると枝先に円筒形で漏斗状の花を咲かせます。開花時期は、初夏から秋までの長期間を咲いて長く楽しませてくれます。地植えでは生垣として、剪定をして鉢植えで育てるのも人気があります。
生垣や小型の鉢植えに適する
- 分類:ミソハギ科タバコソウ(クフェア)属 / 原産地:熱帯~亜熱帯アメリカ
- 別名:クサミソハギ(漢字表記:草禊萩)、メキシコハナヤナギ
- 学名:Cuphea hyssopifolia
- 英名:False
- 園芸分類:常緑小低木 / 耐寒性(やや弱い・-5℃)、耐暑性(普通)
- 草丈・樹高:30~100cm
- 苗の植え付け:4月~6月
- 植え替え:4月~6月
- 挿し木:4月~9月(気温が高ければいつでも可能)
- 開花期:5月~10月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。
- ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
- 特徴
- クフェア(クサミソハギ)は、熱帯~亜熱帯アメリカ大陸に約250種が分布する、ミソハギ科タバコソウ属の常緑小低木です。日本へ渡来したのは、明治から大正時代とされています。一見すると草花のようですが、植物分類では、一年草から多年草、低木まで幅広く存在しており、花の美しい幾種が観賞用として栽培されています。一般的に栽培されているものは、株丈は大きくなっても100cm程で、分類は低木でも多年草か一年草として扱われています。冬越しを繰り返し成株になると、低木に生長していきます。
- 主に栽培されている種は、メキシコ原産のクフェア・ヒッソピフォリア種 (Cuphea hyssopifolia)、イグネア種 (C. ignea) 、ミクロペタラ (C. micropetala) があります。
- 花期の5月頃になると、品種によりますが白、ピンク、オレンジ色の花を咲かせます。草丈は30~100cmで、生け垣用として人気があります。春~夏の終わりころまで花を楽しむことができる、開花時期の長い植物です。暖地の一部地域では、冬越しができますが一般的には、冬に枯れる一年草として扱われることが多いです。無事に冬越しができて、上手に育てると低木へ生長します。
- 東北以北の寒冷地より以南の平地で、凍結や霜の当たらない場所であれば地植えは可能です。
- 近縁種
- クフェア・ヒッソピフォリア種 (Cuphea hyssopifolia)→和名は、花姿がミソハギに似ていることからクサミソハギと呼ばれる。一般的に「クフェア」と呼ぶ場合は、当種を指している。メキシコ~グアテマラ原産。常緑小低木で、樹高50cm程。茎は、横へ匍匐してから立ち上がる。花径2cm程の小花は、紫紅色の6弁花。
- イグネア種 (C. ignea)→和名は、タバコソウとも呼ばれる。メキシコ、ジャマイカ原産。常緑低木で、樹高30cm程の灌木状になる。国内では、秋まきの一年草扱い。花形は筒状の漏斗形でオレンジ色。
- ミクロペタラtane種 (C. micropetala)→和名は、ハナヤナギ。メキシコ原産の常緑小低木で、樹高は100cm程。花形は、筒状の漏斗状でクリーム色、付け根が紅色で、徐々にオレンジ色へ変化する。
初夏から秋まで長期間を開花する
- いい苗の選び方
- 園芸店などで売られている鉢植えは、運搬や移動などで体力が落ちています。鉢植えを購入してきたら2~3日の間、日当たりの良い場所に置き光合成をさせて元気を回復させましょう。
- 枝数の多いもの。葉の色が濃くてハリがある。葉の裏や茎に病班や虫の痕跡がない。株にぐらつきがないか。根っこがしっかり張っているか。
- 用土
- コンテナの場合、市販の草花用培用土または赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に市販の培用土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をします)
- 地植えの場合、植え付けの1週間程前に、深さ30cm以上に土を耕しておきます。掘り起こした土に、水はけをよくするための、土壌改良用の腐葉土と有機質堆肥などを(土壌の2割位の配合比率)を混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- あまり肥料を必要としません。
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として少量(ティースプーン1杯)緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。(用土に、市販の草花用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう)鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、植え付けて2週間後と生育中の秋、各1回、リン酸分が多い緩効性化成肥料を置肥します。
- 地植えの場合、植え付ける際に元肥として少量(1握り)の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、植え付けて2週間後と生育中の秋、各1回、三要素等量かリン酸分が多い緩効性化成肥料を置肥します。
- 肥料の3要素は、チッソ分(主に葉を生長させる)、リン酸分(花や実を生長)、カリウム分(根を生長)です。肥料の3要素は化成肥料8:8:8を使います。追肥の際は、植物の根に直接肥料が触れないように注意します。
- 苗の植え付け
- 適期は、4月~6月です。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように根鉢を1/3程(軽く崩す程度で)崩して、古い土を落としてから植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。
- 植え替え
- 適期は、4月~6月です。
- コンテナの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、1~2年に1回を目安に行いましょう。根鉢を1/3程軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土と元肥を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。植え替え直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、特に必要ありません。ただし、寒冷地で地植えしている株は、凍結や霜の降りる前の10月中旬までに地中から掘り上げて、鉢上げします。(鉢植えにして屋内などで冬を越させる)
- 挿し木
- 適期は、4月~9月です。(気温が高ければいつでも可能)
- 新枝の先端を5~7cmの長さで切り取り挿し穂にします。挿し床の用土は、清潔で栄養分の少ないものが適しています。市販の挿し木用土、または鹿沼土、パーライト、ピートモス、バーミキュライトなど保水性のよいものを使いましょう。挿し穂は、1時間ほど水に浸して水揚げしておきます。挿し床の用土は、事前に水をかけて湿らせておきます。(詳細な手順 コチラ)
冬越しの手間を考えると鉢植えが簡単
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いて白っぽくなったら、株の根元の土に、鉢底から水が流れ出るくらいタップリと施します。過湿に弱いので、生育期以外は控えめに施しましょう。(表土が乾いてから2~3日待ってから)朝のうちに水やりをするのがベストです。
- 真夏は気温の高い日中を避け、夕方から鉢中と鉢の外側全体にタップリと水をかけて夜間温度を下げるようにします。通常の季節は朝方に施しましょう。
- 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。
- 手入れ
- 冬越し→地植えの場合、関東以南の平地であれば屋外での冬越しは可能です。寒冷地では、凍結や霜の降りる前の10月中旬までに地中から掘り上げて、鉢上げします。(鉢植えにして屋内などで冬を越させる)
- 剪定→適期は、5月~9月の生育期間中であれば何時でも大丈夫です。温度が下がり出して、室内に取り込む前には切り戻しをしておきましょう。
- 置き場所→春から秋はできるだけ屋外に置きましょう。東向き、または南向きの日当たりのよい場所で、エアコンの室外機の風が当たらない場所。(風に当たるとハダニが発生しやすい)
- 病気→立枯れ病
- 害虫→アブラムシ、カイガラムシ
- 日当たり
- 日当たりと風通しのよい場所を好みます。
- 半日陰でも育つが、花つきが悪くなったり茎が発育不良で細くなったり間伸びすることがあります。
- 西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。コンテナを半日陰へ移動してやりましょう。
- 地植えの場合、植えつける前に場所の環境をチェックして、それでも日当たりが厳しい場合は、寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。