ヤナギハナガサ 季節の花-丈夫で手間いらずの花-イパネマおやじ
ヤナギハナガサは、花期の6月頃になると細長く伸長した茎頂部に、5裂弁の薄紫色の小花を多数咲かせます。花は花冠が5裂した筒状花で、花径5~6mmの花筒部は1cm程です。茎を真っすぐに伸ばして、草丈は50~150cmに生長します。コンテナ栽培もできますが、暑さ・寒さに強いのでより露地栽培に適しています。
肥料はあまり必要としない
- 分類:クマツヅラ科クマツヅラ(バーベナ)属 / 原産地:南米
- 別名:三尺バーベナ(漢字表記:柳花笠)
- 英名:Purpletop Vervain
- 学名:Verbena patagonica
- 園芸分類:多年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(強い)
- 草丈・樹高:50~150cm
- タネまき:3月~4月
- 苗の植え付け:4月~5月
- 植え替え:4月~5月
- 株分け:4月~5月
- 挿し芽:6月~7月
- 開花期:7月~10月
- 種の採取:花後に採取しておき、春になったらまきます。
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
- ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
- 特徴
- ヤナギハナガサ(三尺バーベナ)は、南米に分布するクマツヅラ科クマツヅラ属の多年草です。コロンビア~ブラジル、チリ、アルゼンチンなどの草原や森林の入口、河川敷や道端などの日当たりのよい場所に自生しています。花の美しさから、観賞用として世界中で栽培されており、帰化植物として定着しています。我が国に渡来したのは、1950年以前に近畿地方から帰化状態が確認されています。
- 別名の三尺バーベナの、三尺は約90cmのことで、生長する草丈の目安として名付けなれたが、実際は180cmにも及ぶこともあります。
- 近縁種 (クマツヅラ科クマツヅラ属)
- アレチハナガサ (Verbena brasiliensis)→和名は荒地花笠で、原産地はブラジル。ヤナギハナガサと同様に、草原や河川敷、道端など荒地のような、厳しい環境でも丈夫に育ちます。野草として帰化状態になっている植物です。草丈1~2mで、茎頂部に穂状花序を見せる。開花期は、6月~9月。
- バーベナ・スピナ (V. supina)→原産地は地中海沿岸の広い地域。草丈50cm程で、茎頂部に集散花序を見せる。花径3~5mmの薄紫色の筒状花を付ける。開花期は、4月~6月。
強健なので花壇栽培に適する
- 用土
- コンテナの場合、市販の草花用培用土または赤玉土(小粒)6:腐葉土4:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、植え付けの1週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して、掘り起こした土に土壌改良用の腐葉土と赤玉土などを(1㎡当たり2~3kg / 土壌の2~3割位の配合比率)を混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。(用土に、市販の草花用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう)鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、春と秋に少量の緩効性化成肥料を置肥します。
- 地植えの場合、植え付ける際に元肥として緩効性化成肥料(1㎡当たり100g)を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、、生育期の5月~10月、2~3週間に1回、規定量に希釈した液体肥料を施します。
- 追肥の際は、植物の根や葉に直接肥料が触れないように注意しましょう。
- タネまき
- 適期は、3月~4月です。こぼれ種でもよく育つ性質です。 用土は、赤玉土(小粒)5:調整済みピートモス2:バーミキュライト3:などが代表的な配合。
- 箱まきかポリポットにまきます。タネが薄く隠れる程度に覆土します。本葉が2~3枚になったらポリポットに鉢上げ(植え替え)します。ポリポットに根が回ったら1本立ちにして、さらに、一回り大きなポリポットへ鉢上げ(植え替え)します。本葉が5~7枚になったら、花壇やコンテナへ定植します。(移植の際に根を傷めると、その後の根付きがよくないので、ある程度根が張ったら早めに定植する)
- 植え付け
- 適期は、4月~5月です。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように根鉢を1/3程(軽く崩す程度で)崩して、古い土を落としてから植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。
- 植え替え
- 適期は、4月~5月です。
- コンテナの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために1~2年に1回を目安に行いましょう。用土と元肥は「植え付け」と同じです。一回り大きな鉢に底石を敷き、根鉢を軽く崩して古い土を落とし、傷んだ根は切り取ってから植え付けます。植え替え直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。但し、株が混みあってきたら、2~3年を目安に植え替えしましょう。
- 株分け
- 適期は、4月~5月です。
- コンテナの場合、1~2年に1回は堀り上げて株分けしましょう。植え替えの際、同時に作業しましょう。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。但し、株が混みあってきたら、2~3年を目安に、株分けして植え替えしましょう。
- 挿し芽
- 適期は、6月~7月です。茎の先端から10~15cmの長さで切り取り、挿し穂にします。挿し床の用土は、清潔で栄養分の少ないものが適しています。市販の挿し木用土、または鹿沼土、パーライト、ピートモス、バーミキュライトなど保水性のよいものを使いましょう。挿し穂は、水に浸して水揚げしておきます。挿し床の用土は、事前に水をかけて湿らせておきます。(※ 挿し芽 詳細ページ コチラ)
日当たりのよい場所を好む
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いて白っぽくなったら、株の根元の土に、鉢底から水が流れ出るくらいタップリと施します。朝のうちに水やりをするのがベストです。真夏は夕方に、鉢中と鉢の外側全体にタップリと水をかけて夜間温度を下げるようにします。通常の季節は朝方に施しましょう。
- 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。
- 種子の採取
- 花後に、果実が実ります。採取して、紙袋などへ入れて涼しい場所で保存しましょう。翌春など適期になったら播きましょう。
- 手入れ
- 冬越し・防寒対策→地植えの場合、冬になると地上部が枯れますが、地際に冬芽が出た状態で冬を越します。枯れた枝は地際で切り取っておきましょう。寒冷地でなければ、冬芽の霜除け対策は必要ありません。
- 切り戻し→草丈を抑えたい場合は、5月頃までに刈り込みします。
- 置き場所→コンテナの場合、春から秋は屋外に置きましょう。東向き、または南向きの日当たりのよい場所に置きます。
- 害虫→ハダニ
- 日当たり
- 日当たりと風通しのよい場所を好みます。
- 半日陰でも育つが、花つきが悪くなったり茎が発育不良で細くなったり間伸びすることがあります。