シレネ・ブルガリス 季節の花-乾燥と寒さに比較的強い花-イパネマおやじ
シレネ・ブルガリスは、花期になると細長く伸ばした茎頂部に、独特の形をした花径2cm程の白色の花を付けます。花の後ろにある萼の部分は丸く膨らみ、花被片は5個で裂片は深く2つ裂けます。
独特の形をした花姿
- 分類:ナデシコ科マンテマ属 / 原産地:地中海沿岸
- 別名:シラタマソウ(漢字表記:白玉草)、ブラダー・キャンピオン
- 学名:Silene vulgaris
- 園芸分類:常緑多年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(やや弱い)
- 草丈・樹高:20~50cm
- タネまき:3月~4月、9月~10月
- 苗の植え付け:3月~4月、9月下旬~10月(育苗後または市販の苗が流通する)
- 植え替え:3月~4月、9月下旬~10月
- 挿し芽:4月~6月
- 開花期:5月~8月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
- ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
- 特徴
- シレネ・ブルガリスは、ヨーロッパ、地中海沿岸、アラビア半島、アジアに分布するナデシコ科マンデテマ属の多年草です。分布地帯の、広葉樹林の入口や草原、道端などに自生しています。世界の温帯地域で帰化しているのが見られる野草化しています。
- 近縁種 ナデシコ科マンテマ属
- ムシトリナデシコ(Silene armeria)→サイト内ページ コチラ
- フクロナデシコ(Silene pendula)→サイト内ページ コチラ
- シレネ・ユニフローラ(Silene uniflora)→サイト内ページ コチラ
寒さと乾燥に強い草花
- いい苗の選び方
- 園芸店などで売られている鉢植えは、運搬や移動などで体力が落ちています。鉢植えを購入してきたら2~3日の間、日当たりの良い場所に置き光合成をさせて元気を回復させましょう。
- 用土
- コンテナの場合、市販の草花用培用土または赤玉土(小粒)6:腐葉土4:(他には、赤玉土・小粒6:腐葉土3:パーライト1:)の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、植え付けの土壌が酸性ならば、2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰(1㎡当たり100~150g)を混ぜ込んで中和しておきましょう。さらに、植えつけの1週間程前に、腐葉土か完熟発酵させたバーク堆肥などを(1㎡当たり2kg / 2割位の配合比率)混ぜ込んでおきます。(更に水はけの悪い土壌は、川砂などを1~2割混ぜ込む)
- 肥料
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。苗を定植後の追肥は、春~秋の間(気温の上がる5月~8月を除く)少量の緩効性化成肥料を置肥します。
- 地植えの場合、定植後の追肥は、極端なやせ地でなければ肥料は不要です。
- タネまき
- 適期は、3月~4月、9月~10月です。
- シレネ・ブルガリスのタネは、微粒種子です。微粒種子のタネまきは、種子がタネまき用土の粒より細かいので、発芽させるには手間と努力が必要です。ピートバン、または市販の専用種まき用土にまきます。
- 箱まきか平鉢にまきます。ハガキなど厚紙の上に載せて、指先で叩いて少しずつ落としながらタネが重ならないようにまきます。覆土はしないで軽く押さえる程度にしてください。本葉が2~3枚になったらポリポットに仮植えします。ポリポットに根が回ったら花壇や鉢に定植します。ポリポットまきも同様に、本葉が5~7枚になったら、花壇や鉢に定植します。
- ポリポットまきの場合、5~6号サイズにまいて弱い苗を間引きながら育苗します。本葉が2~3枚になったら根鉢を取り出し、1本づつに分けて2~3号サイズのポリポットへ鉢上げ(移植)します。本葉が5~7枚になったら花壇や鉢へ定植します。→「2回ポリポットを移す理由」→苗どうしが牽制しあって、生育不良をおこさないためと、花壇や鉢に移すには、まだ小さいので、鉢よりも小さいポリポットに移すことがポット上げをする理由です。
- 植え付け
- 適期は、3月~4月、9月下旬~10月です。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように、古い土を軽く落としてから植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、「用土」の項目で準備しておいた土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。
- 植え替え
- 適期は、3月~4月、9月下旬~10月です。
- コンテナの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、1~2年にに1回を目安に行いましょう。根鉢を1/3程軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土と元肥を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。植え替え直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。
- 挿し芽
- 適期は、4月~6月月です。株元から伸びている勢いのある茎を、切り口が斜めになるように、8~12cmの長さで切り取り挿し穂にします。
- 挿し床の用土は、清潔で栄養分の少ないものが適しています。市販の挿し木用土、または鹿沼土、パーライト、ピートモス、バーミキュライトなど保水性のよいものを使いましょう。挿し穂は、2時間ほど水に浸して水揚げしておきます。挿し床の用土は、事前に水をかけて湿らせておきます。
- 風通しのよい明るい日陰で、水を切らさないように管理して発根を待ちます。(詳細な手順 コチラ)
地植えでの夏越しの管理が難しい
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いて白っぽくなったら、株の根元の土に、鉢底から水が流れ出るくらいタップリと施します。過湿に弱いので、休眠期(冬)は控えめに施しましょう。(表土が乾いてから2~3日待ってから)ある程度の乾燥に耐えるので、やや乾燥気味に管理しましょう。
- 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。
- 手入れ
- 冬越し→地植えの場合、気温0~5℃であれば屋外での冬越しは可能。凍結する地域では、根をマルチングして保護しましょう。また、霜の降りる場所では、防寒用ネットを掛けて保護しましょう。(コンテナは、軒下などへ移動させる)
- 花がら摘み→花後の枯れた花は早めに摘み取りましょう。茎の元にある小さな芽の上から切り取ります。
- 病気→特になし
- 害虫→アブラムシ
- 日当たり
- 日当たりと風通しのよい場所を好みます。
- コンテナは、真夏日の直射に当たるのを避けましょう。半日陰に移動してやりましょう。
- 地植えの場合、植えつける前に場所の環境をチェックして、それでも日当たりが厳しい場合は、寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。
ガーデニングの風景: