アルメリア 季節の花-ヒョロッと伸びた長い茎が個性的-イパネマおやじ
アルメリアは、ヨーロッパ、北アフリカ、イベリア半島原産の多年草で、北半球の温帯に40~80種が分布しています。その茎は線のように細く、先端に小さな花を玉状に咲かせます。(このページでは、代表的な品種のアルメリア・マリティマをご紹介します)
風に揺れるピンク色の花は春の風物詩
- 分類:イソマツ科アルメリア(ハマカンザシ)属 / 原産地:ヨーロッパ、北アフリカ、イベリア半島
- 別名:(和名:はまかんざし・浜簪)
- 学名:Armeria maritima (Armeria vulgaris )
- 英名:sea thrift / sea pink
- 園芸分類:多年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(強い)
- 草丈・樹高:10~60cm
- タネまき:月~月
- 苗の植え付け:3月中旬~4月中旬、秋が9月中旬~11月上旬
- 植え替え:3月中旬~4月中旬、秋が9月中旬~11月上旬
- 株分け:3月中旬~4月中旬、秋が9月中旬~11月上旬
- 開花期:4月~5月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター、ロックガーデン)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
- ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
- 特徴
- わが国へ持ち込まれたのは、明治の中頃です。花名の由来は、ケルト古語の「海岸に自生する植物」という意味からといわれています。一般的に、「アルメリア」というと、多くの仲間の中の1つ「アルメニア・マリティマ( Armeria maririma )」を指します。
- 毎年花を咲かせる多年草で草丈が15~20cm程で、葉は細長い根出し葉で光沢があります。花色はピンク色が基本ですが、近年白色の園芸品種が作出されています。種子が実りにくいので株分けで繁殖させます。海浜性の植物なので、水はけのよい砂礫地を好みます。真夏の暑さには弱い性質です。
- 近縁種
- アルメリア・ガディタナ(Armeria gaditana)→イソマツ科ハマカンザシ属の多年草です。イベリア半島の、雨季などに洪水が発生して一時的に湿原となるような砂礫地に自生する。草丈は、30~50cmと仲間の中では背の高い品種ですね。3~7月頃、長い花茎の先端に、球状の花序を出して花径1cm程の桃色の5弁花をつけます。
- アルメリア’バレリーナ・レッド’( A. pseudarmeria pseudarmeria )→イソマツ科ハマカンザシ属の多年草。地中海沿岸地方で、数少ないが自生している Armeria pseudareria種を元に、アメリカで作出された園芸品種です。草丈は20~30cm程で、葉は細長い根出葉で、次々と花茎を伸ばして頭頂に花をつけます。開花期は4~7月で、白色の花をつけるものもあり、その場合は「バレリーナ・ホワイト」A. pseudarmeria ‘Ballerina White’になります。
肥料は多くを必要としない
- 用土
- 水はけのよい土を好みます。
- 鉢植えの場合、赤玉土(小・中粒)6:川砂(又はパーライト)4:の割合で混ぜ込んだ土を使います。全体の2割程度の腐葉土も混ぜ込んでおきます。
- 地植えの場合、定植する場所の土をよく耕して植物性の堆肥を混ぜ込んでおきます。籾殻を入れてもよいでしょう。
- 肥料
- 鉢植えの場合、植え付けの時に用土の中に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
- 花後と秋の、年2回を目安に液体肥料を施しましょう。但し、与え過ぎると根腐れを起こしやすく、足りないと葉が黄色くなり枯れてしまいます。真夏や真冬は施す必要はありません。
- 植え付け
- 適期は、春が3月中旬~4月中旬、秋が9月中旬~11月上旬です。
- 水はけがよく、西日の当たらない風通しのよい場所に、株間を25cm以上は空けて植え付けます。
- 植え替え
- 適期は、3月中旬~4月中旬、秋が9月中旬~11月上旬です。
- 鉢の中が根詰まりしやすいので、2年に1回を目安に植え替えます。1回り大きな鉢か、株分けして同じサイズの鉢に植え替えます。
- 地植えの場合、基本は必要ありませんが、株が増えすぎたら堀り上げて株分けしましょう。
- タネまき
- 適期は、9月中旬~10月です。
- 育苗箱を使う箱まきか、浅鉢がよいでしょう。好光性なので、タネを蒔いたら覆土はしません。タネは極小なので紙に挟んで、少しずつ落とすようにします。
- 本葉が3枚程になったら、ソッと抜いてビニールポットに仮植えして発根したら定植します。
- 株分け
- 適期は、3月中旬~4月中旬、秋が9月中旬~11月上旬です。植え替えの際、同時に作業しましょう。細い根を切らないように注意して、2~4芽に分けます。
夏の暑さや過湿が苦手なので夏季の管理が大切
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。過湿を避けるために、毎日習慣として水を施すのは避けましょう。
- 地植えの場合、基本は必要ないが極端な乾燥が続く時は施しましょう。
- 手入れ
- 防寒対策→地植えの場合、本来は寒さに強いのですが、根は縦に伸びるが横に張らないので、霜柱ができると根が持ち上げられ枯れる原因となります。寒冷期は株元を、腐葉土やワラなどで覆いマルチングしましょう。
- 花茎切り→花が終ったら株元から切り取ります。
- 株元の風通しをよくする→細長い葉を、株元から多数出して茂るようになるので、風通しをよくするためにも株分けをします。
- 病気→特になし
- 害虫→アブラムシ
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- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。暑さは苦手ですから、西日の当たらない風通しのよい場所に定植します。
植物園の風景: