パンダスミレ 季節の花-半日陰のグランドカバーとして利用できる-イパネマおやじ

パンダスミレ (Australian violet) は、花期になると株の中から花茎を伸ばし、花径2~3cm程の花を咲かせます。花は5弁花で、上弁は2枚、即弁も2枚、唇弁が1枚の計5枚で構成されています。中心は紫色、外側は白色をしています。

パンダスミレ

株はランナーを伸ばしながら横へ広がる

  • 分類:スミレ科スミレ属 / 原産地:オーストラリア~マレー半島
  • 別名:ツタスミレ、ビオラ・バンクシー
  • 学名:Viola banksii (近年まで同一とされていたが異なる→Viola hederacea)
  • 英名:Australian violet, Ivy leaved violet
  • 園芸分類:常緑多年草 / 耐寒性(やや弱い)耐暑性(やや弱い)
  • 草丈・樹高:10~15cm
  • タネまき:4月~5月、9月中旬~10月中旬
  • 苗の植え付け:4月~6月
  • 植え替え:4月~6月、9月中旬~10月中旬(多年草として育てている場合)
  • 株分け:4月~5月、9月中旬~10月中旬
  • つる伏せ:4月~5月、9月中旬~10月中旬
  • 開花期:4月~6月、9月~11月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。
  • 特徴
  • パンダスミレは、オーストラリアに分布するスミレ科スミレ属の多年草です。詳細な分布地域は、オーストラリア・クィーンズランド州~ニューサウスウェールズ州の東側沿岸地域で、海岸沿いの空き地や荒れ地になどに自生しています。主に栽培されているのは、ビオラ・バンクシー種(Viola banksii)です。元々、広く栽培されていたのはビオラ・ヘデラケア種とされていたのですが、当種が発見された際に、採取した標本を紛失したため、間違ったものです。近年になり、オーストラリアの学者により間違いを指摘され、訂正されています。
  • 地植えの場合、夏場などに一日中直射日光に当たると株が弱るので、通年で明るい日陰・木漏れ日の当たる広葉樹の下や午前中だけ日の当たる明るい日陰に植え付けましょう。温暖地であれば、比較的霜や雪が少ない地域であれば、地植えにしてグラウンドカバーとして育てることもできます。
  • 寒冷地や温暖地であっても凍結する場所では、冬までの一年草として扱うか、秋に鉢上げして屋内などへ移動して多年草として育てることもできます。温暖地で育てる場合、高山性の品種は避けた方がよいでしょう。

ツタスミレ

とても花期の長い草花

  • いい苗の選び方
  • 園芸店などで売られている鉢植えは、運搬や移動などで体力が落ちています。鉢植えを購入してきたら2~3日間、日当たりの良い場所に置き光合成をさせて元気を回復させましょう。
  • 用土
  • コンテナの場合、市販の草花用培用土、または赤玉土(小粒)6:腐葉土3:黒曜石パーライト1:の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に市販の培用土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をします)
  • 地植えの場合、植え付けの1週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して、掘り起こした土に土壌改良用の腐葉土と赤玉土などを(土壌の2~3割位の配合比率)を混ぜ込んでおきます。
  • 肥料 
  • コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、春~秋の生育期間中(真夏を除く)、1か月に1~2回、規定量に希釈した液肥、または1~2か月に1回、緩効性化成肥料を置き肥します。
  • 地植えの場合、植え付ける際に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、生長期の春~秋の間(真夏を除く)、緩効性化成肥料を置き肥します。
  • 置き肥の際は、植物の根や葉に、直接肥料が触れないように注意します。真夏(7月~8月)の施肥は控えます。

スミレ科

  • タネまき
  • 適期は、4月~5月、9月中旬~10月中旬です。用土は、赤玉土(小粒)5:調整済みピートモス2:バーミキュライト3:などが代表的な配合。
  • 箱まきの場合、容器に用土を敷きつめ、新聞紙で覆った上から霧吹きをするなど、事前に土を湿らせておきます。タネをバラまきしたら5mm程の覆土をします。本葉が2~3枚になったらポリポットに鉢上げ(植え替え)します。本葉が5~7枚になり、ポリポットに根が回ったら1本立ちにして、花壇やコンテナへ定植します。(移植の際に根を傷めると、その後の根付きがよくないので、ある程度根が張ったら早めに定植する)
  • 植え付け
  • 適期は、4月~6月月です。根鉢の根を傷めないように抜き取り、古い土を軽く落としてから植え付けます。
  • コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように、古い土を軽く落としてから植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。
  • 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。
  • 植え替え
  • 一年草扱いなので、通常は植え替えの必要はありません。但し、本来は多年草なので温度さえ適合すれば冬越しは可能です。鉢植えで、屋内やフレーム内などで冬越しできた場合は、適宜植え替えましょう。
  • 適期は、4月~6月、9月中旬~10月中旬です。
  • コンテナの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、1~2年に1回を目安に行いましょう。根鉢を1/3程軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土と元肥を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。
  • 地植えの場合、基本は必要ありません。寒冷地で地植えしている株は、霜の降りる前の10~11月中に地中から掘り上げて、鉢上げします。(鉢植えにして屋内などで冬を越させる)
  • 株分け 
  • 適期は、4月~6月、9月中旬~10月中旬です。植え替えの際に、同時に作業しましょう。1~2年に1回は堀り上げて株分けしましょう。つると根が共に揃っているように株分けします。
  • 鉢植えの場合、株分けして新しく植え付ける鉢サイズは今までと同じサイズにしましょう。1~2回り大きなサイズに植え替えないこと。(サイズが大きすぎると根を張り切れない)
  • つる伏せ
  • 地面を這うように根を伸ばしながら広がるので、つる伏せで増やします。
  • 新しく用意した鉢に用土を入れて準備します。親株から伸ばしたつるを、新しい鉢の、土中に埋めて針金で固定します。発根を待って、親株から切り分けて増やします。

多年草

植物仕切り線大

やや湿り気のある半日陰を好む

  • 水やり
  • コンテナの場合、土の表面が乾いて白っぽくなったら、鉢底から水が流れ出るくらいタップリと施します。
  • 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。
  • 手入れ
  • 冬越し→地植えの場合、関東以南の平地であれば屋外での冬越しは可能(-3℃)で、霜の降る場所では、地上部が枯れてしまいます。(根が生きていれば春になれば再び芽吹きます)寒冷地で地植えしている株は、10~11月中に地中から掘り上げて、鉢上げします。(鉢植えにして屋内やフレーム内などで冬を越させる)
  • 刈り込み→ランナーを伸ばしながら広がるので、伸びすぎた場合は刈り込みましょう。
  • 花がら摘み→花後の枯れた花は、花茎の根元からら切り取ります。
  • 病気→すず病、灰色かび病
  • 害虫→アブラムシ、ツマグロヒョウモン
  • 日当たり
  • 半日陰の場所を好みます。
  • 西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。コンテナを移動してやりましょう。
  • 地植えの場合、植えつける前に場所の環境をチェックして、それでも日当たりが厳しい場合は、寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。

植物仕切り線大