イチハツ 季節の花-放任でも丈夫に育つ強健な花-イパネマおやじ

イチハツ (Iris tectorum) は、花期の4月頃になると花茎を伸ばして、分枝した茎頂部に花径10cm程の花を咲かせます。この花の特徴である、垂れ下がった花弁の中央部に、鶏のとさかのような突起が見られます。

イチハツ

耐寒・耐暑性に優れ育てやすい花

  • 分類:キク科属 / 原産地:中国中央部、ミャンマー
  • 別名:屋根の上のアイリス
  • 学名:Iris tectorum
  • 英名:roof iris
  • 園芸分類:多年草 / 耐寒性(強い)耐暑性(強い)
  • 草丈・樹高:50cm
  • タネまき:4月~5月
  • 苗の植え付け:5月中旬~6月、秋は9月
  • 植え替え:5月中旬~6月
  • 株分け:5月中旬~6月
  • 開花期:4月~5月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。
  • 特徴
  • イチハツは、中国中央部、ミャンマーに分布するアヤメ科アヤメ属の多年草です。日当たりのよい斜面や土手、牧草地などに自生しています。花の美しさから観賞用として、世界中で広く栽培されています。日本へは室町時代に渡来したとされ、古来より栽培されてきた歴史のある植物です。
  • アヤメの仲間の中で、比較的早咲きなので、一番初めに咲くということから”一初”という名前が付いたといわれます。耐寒性、耐暑性ともに優れているので育てやすい植物です。古くから台風、火災などの災いを防ぐと信じられ、茅葺き屋根の棟に植える風習があり、愛称が”屋根のアイリス (roof iris) ”と呼ばれています。放任でも丈夫に育つ強健な性質です。
  • 近縁種 アヤメ科アヤメ属
  • シャガ(Iris japonica)→日本の在来種(本州、四国、九州)、ミャンマー、中国原産の多年草。古い時代の帰化植物とされ、草原や庭植で広く栽培されている。花は淡青色で直径5~6cm、花柄は長さ2~3cm。早咲きで開花期は、4月~5月。

アヤメ科

植え付けは春と秋にも可能

  • 苗を購入したら
  • 園芸店などで売られている鉢植えは、運搬や移動などで体力が落ちています。鉢植えを購入してきたら2~3日の間、日当たりの良い場所に置き光合成をさせて元気を回復させましょう。
  • 用土
  • コンテナの場合、市販の草花用培養土または赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ一般的な配合土を使います。
  • 地植えの場合、植え付けの1週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して、掘り起こした土に、水はけをよくするための土壌改良用の腐葉土や赤玉土などを混ぜ込んでおきます。
  • 肥料 
  • コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。苗を定植後の追肥は、春の芽出し前の3月、9月に緩効性化成肥料を置き肥します。または、月2~3回規定量に希釈した液肥を施してもよいです。
  • 地植えの場合、植え付ける際に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、必要ありませんが、適量を施すとより立派な花が咲きます。
  • 追肥の際は、植物の根や葉に直接肥料が触れないように注意しましょう。

多年草

  • 植え付け 
  • 適期は、5月中旬~6月、秋は9月です。タイミングは、花の芽が出る前、花が咲き終わってからです。
  • コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように抜き取り、古い土を軽く落としてから植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。
  • 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。
  • 植え替え
  • 適期は、5月中旬~6月です。細い根茎を伸ばしているので、傷付けないように丁寧に堀り上げましょう。
  • コンテナの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、2年に1回を目安に行いましょう。用土と元肥は「植え付け」と同じです。根鉢を1/3程軽く崩して傷んだ根は切り取り、新しい用土と元肥を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。
  • 地植えの場合、3~4年に1回を目安に行いましょう。
  • 株分け
  • 適期は、5月中旬~6月です。植え替えの際、同時に作業しましょう。鉢植えの場合、株分けして新しく植え付ける鉢サイズは今までと同じサイズにしましょう。1~2回り大きなサイズに植え替えないこと。(サイズが大きすぎると根を張り切れない)

一八や逸初

植物仕切り線大

地植えでも防寒対策は必要ありません

  • 水やり
  • コンテナの場合、土の表面が乾いて白っぽくなったら、株の根元の土に、鉢底から水が流れ出るくらいタップリと施します。休眠期(冬)は控えめに施しましょう。(表土が乾いてから2~3日待ってから)
  • 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。
  • 手入れ
  • 花がら摘み→花後の枯れた花がらは切り取ります。
  • 病気・害虫→特になし
  • 日当たり
  • 日当たりがよく、そして西日を避げられるやや湿った場所を好みます。
  • 西日や真夏日の直射に当たり、乾燥しすぎるのを避けるため半日陰で育てましょう。

植物仕切り線大