サクラソウ 季節の花-早春に芽吹いて葉を出し中心から花茎を伸ばす-イパネマおやじ
サクラソウ (Primrose) は、花期の4月~5月になると、花茎を真っすぐに伸ばして、茎頂部に花序を見せ、花径2~3cmの花を数輪咲かせます。花序の長さは30~40cm程になり、花は基部が細い筒状で花冠は5裂し、次に各弁が2裂しています。
夏は風通しのよい涼しい場所に置く
- 分類:サクラソウ科サクラソウ(プリムラ)属 / 原産地:日本、朝鮮半島、中国、シベリア
- 別名:サクラソウ、二ホンサクラソウ
- 学名:Primula sieboldii
- 園芸分類:多年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(中程度)
- 草丈・樹高:15~20cm
- タネまき:3月~4月(6月頃花後に種を採取)または、とり蒔き
- 苗の植え付け:10月~2月
- 植え替え:10月~2月
- 株分け:10月~2月
- 開花期:4月~5月
- 種の採取:花後の6月頃
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。
- 特徴
- サクラソウは、日本、朝鮮半島、中国北東部、シベリア東部に分布するサクラソウ科サクラソウ(プリムラ)属の多年草です。国内では、北海道、本州の原野の草間や高原、山林の入口周辺の湿地などに自生しているのか見られます。栽培されたのは、江戸時代中期頃から記録が残っていて、後期になると色んな花色や花姿の園芸品種が作出されています。
- 4月~5月になると芽を出し、浅く切れ込みの入った長楕円形の葉を根元から広げます。そして、中央から1本の花茎を出し花径2~5cmの小花を数輪咲かせます。6月頃になると、葉が黄ばんで枯れて夏~秋は休眠します。花色の数は少ないのですが、花形は八重咲きも作出されています。伝統園芸植物の一つで、江戸時代から現在に至るまで、約300種を超える園芸品種が作出されています。
- 近縁種
- プリムラ・アリオニイ(Primula allionii)→ヨーロッパ原産の常緑多年草。葉はロゼット状になり、花茎は短く、花序は頂生の散形花序。花は5弁花で花径3cm程、白色~ピンク色。開花期は、12月~1月。
- プリムラ・マラコイデス(P. malacoides)→和名は、オトメザクラ。中国原産の二年草。葉はよく茂り、葉柄は2~15cm。花茎は多数で、長さ10~40cm。茎上部に散形花序を見せ、5~20個の花を付ける。花柄は長さ1.5~4cm、花冠はローズ色~ラベンダー色で、花冠筒部は4~6mm。開花期は、2月~5月。
- プリムラ・オブコニカ(P. obconica)→和名はトキワザクラ。中国原産の多年草。葉はロゼットを作り、葉柄葉2~14cm。葉身は卵状円形~長円形。花茎は葉より長め。茎上部に散形花序を見せ2~13個の花を付ける。花冠はピンク色~ラベンダー色。開花期は、3月~5月。
花後は増し土をする
- いい苗の選び方
- 園芸店などで売られている鉢植えは、運搬や移動などで体力が落ちています。鉢植えを購入してきたら2~3日の間、日当たりの良い場所に置き光合成をさせて元気を回復させましょう。
- 葉と葉の間がつまっていて徒長していない
- 葉の色が濃くてハリがある
- 葉の裏や茎に病班や虫の痕跡がない
- 株にぐらつきがないか
- 根っこがしっかり張っているか
- 用土
- コンテナの場合、赤玉土(小粒)3:腐葉土1:硬質鹿沼土(小粒)3:軽石(小粒)3:(乾きすぎる場合、腐葉土の割合を増やして軽石を減らします)の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、植え付けの1週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して、掘り起こした土に土壌改良用の腐葉土と赤玉土などをを混ぜ込んで、水はけ水もちのよい土壌を作っておきます。
- 肥料
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、3月~4月から花が咲き終わるまで、月2~3回規定量に希釈した液肥を施します。
- 地植えの場合、植え付ける際に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、3月~4月から花が咲き終わるまで、月2~3回規定量に希釈した液肥を施します。
- 肥料の3要素は、チッソ分(主に葉を生長させる)、リン酸分(花や実を生長)、カリウム分(根を生長)です。肥料の3要素は化成肥料8:8:8を使います。
- タネまき
- 花後の種を採取しておきます。種は乾燥すると、極端に発芽率が下がるので、湿った土の中に入れ冷蔵庫で保存して、気温が15~20℃になる翌春の3月頃にまきます。
- 適期は、3月~4月です。
- タネは非常に細かい微細種子なので、箱まき(セルトレーが便利)かピートバンにまきます。箱まきの場合、タネが薄く隠れる程度に覆土、ピートバンの場合、専用トレイに入れ十分に吸水させ、軽くほぐしておき、均一にタネまきします。
- 本葉が2~3枚になったらポリポットに鉢上げ(植え替え)します。ポリポットに根が回ったら1本立ちにして、さらに、一回り大きなポリポットへ鉢上げ(植え替え)します。その後は花壇やコンテナへ定植します。(移植の際に根を傷めると、その後の根付きがよくないので、ある程度根が張ったら早めに定植する)
- 植え付け
- 適期は、10月~2月です。日当たりを好むので、生育期に、日陰になると場所だと生長と花付きが悪くなるので避けましょう。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(株間30cm程、60cmプランターで2~3株が目安)
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は40cm程で植え付けます。極端な乾燥を避けるため、落葉樹の下などが適しています。
- 植え替え
- 適期は、10月~2月です。
- コンテナの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、1~2年に1回を目安に行いましょう。根鉢を1/3程軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土と元肥を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。株が増えすぎてきたら、活性化のためにも3年に1回は植え替えしましょう。
- 株分け
- 適期は、10月~2月です。
- 植え替えの際、同時に作業しましょう。コンテナ・鉢植えの場合、株分けして新しく植え付ける鉢サイズは今までと同じサイズにしましょう。1~2回り大きなサイズに植え替えないこと。(サイズが大きすぎると根を張り切れない)
乾燥に弱いので水切れに要注意
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いて白っぽくなったら、株の根元の土に、鉢底から水が流れ出るくらいタップリと施します。乾燥に弱いので、土壌の乾き過ぎには注意しましょう。
- 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。強い乾燥が続く場合は施しましょう。
- 種の採取
- 花後に、種子が実ります。茎を切り取り、乾燥させてから、種袋を破りタネを採取します。紙袋などへ入れて、冷蔵庫などの涼しい場所で保存しましょう。翌春など適期になったら播きましょう。
- 手入れ
- 増し土→花が終わったら花茎を切り取り、株元に土を入れて増し土をしましょう。
- 梅雨時期の置き場所→雨で株が傷むこともあるので、コンテナを軒下へ移動しましょう。
- 害虫→アブラムシ、ヨトウムシ
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。
- 地植えの場合、植えつける前に場所の環境をチェックして、それでも日射しの強い7月~8月は、寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。