チリアヤメ(ハーベルティア) 季節の花-関東以西の平地では屋外でも冬越する-イパネマおやじ

チリアヤメ (Prairie nymph) は、花期の4月頃になると細長い葉を伸ばし、中心から茎を伸ばしてプロペア状の花を付けます。草丈5~12cmと低い株姿で、芝生や草むらの中に散らばるようにポツポツと可憐な花を咲かせます。花は朝開いて夕方にはしぼむ一日花ですが、次々と花茎を伸ばします。

球根植物

小型の秋植え球根で鉢植えが適する

  • 分類:アヤメ科ヘルベルティア(アロフィア)属 / 原産地:チリ、アルゼンチン
  • 別名:ハーベルティア、ハーベルチア
  • 学名:Herbertia lahue (Alophia amoena)
  • 園芸分類:多年草 / 耐寒性(中程度)、耐暑性(強い)
  • 草丈・樹高:5~12cm
  • タネまき:9月~10月
  • 苗の植え付け:10月
  • 植え替え:10月
  • 株分け(分球):10月
  • 開花期:4月~5月中旬
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。
  • 特徴
  • チリアヤメは、北アメリカ南部、ブラジル南部、チリ中央部、アルゼンチン、ウルグアイが原産地の、アヤメ科ヘルベルティア属の多年草(球根植物)です。草むらや芝生の中などで、散らばるようにポツポツと可憐な花を咲かせます。花径3~5cmの小ぶりな花ですが、鮮やかな青色で目立つ花姿です。花は、朝開いて夕方にはしぼむ一日花で、次々と咲き続けます。
  • 日本へ渡来したのは大正時代初期とされ、関東地方以西の平地部では、野生化している場所もあります。球根植物で、夏の時期は休眠して、秋になると針状の葉を数枚出します。球根は小さな紡錘形で、下へ向かって伸長肥大し、さらにけん引根で引っ張られて、深く潜り込むように伸びていきます。
  • 地植えする場合は、花壇などに植え付けて、晩秋までに根が出て冬越しして、春になると開花します。寒さには比較的強いが、寒地や寒冷地ではコンテナ栽培がよいでしょう。但し、開花には冬期の寒さが必要なので、コンテナ栽培でも屋外の軒下や霜の当たらない場所に置きます。(寒地や寒冷地は除く)

チリアヤメ

一日花だが次々と花を咲かせる

  • いい苗の選び方
  • 園芸店などで売られている鉢植えは、運搬や移動などで体力が落ちています。鉢植えを購入してきたら2~3日の間、日当たりの良い場所に置き光合成をさせて元気を回復させましょう。
  • 用土
  • コンテナの場合、市販の球根用培用土、または市販の培養土にパーライトや軽石(小粒)、川砂などを2~3割程混ぜ込んだ土を使います。(湿気を嫌うので、植え付け直後の根腐れを防ぐ)
  • 地植えの場合、植え付けの1週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して、掘り起こした土に土壌改良用の腐葉土や赤玉土などを(1㎡当たり2~3kg / 土壌の2~3割位の配合比率)を混ぜ込んでおきます。(更に水はけの悪い土壌は、川砂などを1~2割混ぜ込む)
  • 肥料 
  • コンテナの場合、苗を定植後の追肥は、秋になり葉が伸び始めた時期と開花後に、1~2ケ月に1回、少量の緩効性化成肥料を置肥します。
  • 地植えの場合、植え付けの際や定植後も追肥の必要はありません。

アヤメ科

  • タネまき
  • 適期は、9月~10月です。
  • 用土は、赤玉土(小粒)5:調整済みピートモス2:バーミキュライト3:などが代表的な配合。水切れのよい用土が適する。
  • ポリポットまきの場合、5~6号サイズにまいて弱い苗を間引きながら育苗しましょう。本葉が5~7枚になったら花壇やコンテナへ定植します。
  • 苗の植え付け
  • 適期は、10月です。
  • コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」の項目で準備しておいた土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。
  • 地植えの場合、「用土」の項目で準備しておいた土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。
  • 球根の植え付け
  • 適期は、10月です。
  • 鉢植えの場合、7~8号に「用土」を入れ球根同士の間を8~10cm、深さは頭部から5cm程の深さで植えます。植える球根数は、10~15個を目安にします。
  • 植え替え
  • 適期は、10月です。
  • コンテナの場合、球根が分球して増えるため、鉢内が手狭になるので、2~3年に1回を目安に行いましょう。用土は「植え付け」と同じです。一回り大きな鉢に底石を敷き、根鉢を軽く崩して古い土を落とし、傷んだ根は切り取ってから植え付けます。植え替え直後にタップリの水を施します。
  • 地植えの場合、数年は植えっぱなしにできますが、球根が増えて込み合ってきたら植え替えましょう。
  • 株分け(分球) 
  • 適期は、10月です。養分を分散させないてめに、増えすぎた小さな球根は取り除きます。
  • 2~3年に1回は堀り上げて株分けしましょう。植え替えの際、同時に作業しましょう。鉢植えの場合、株分けして新しく植え付ける鉢サイズは今までと同じサイズにしましょう。1~2回り大きなサイズに植え替えないこと。(サイズが大きすぎると根を張り切れない)
  • ※ 球根を掘り上げて保管する場合、葉が枯れてから堀り上げて土を落としてから、ネットなどに入れ風通しのよい日陰で保存しましょう。

南米原産

植物仕切り線大

寒さには比較的強いが寒冷地では鉢栽培で育てる

  • 水やり
  • コンテナの場合、春~秋の生育期は、土の表面が乾いて白っぽくなったら、株の根元の土に、鉢底から水が流れ出るくらいタップリと施します。過湿に弱いので、梅雨時期と休眠期(夏)は控えましょう。
  • 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。
  • 手入れ
  • 夏越し→鉢植えのまま夏越しさせる場合は、雨と日射しの当たらない場所に置き、乾燥気味に夏越しさせましょう。
  • 病気・害虫→特になし
  • 日当たり
  • 日当たりと数通しのよい場所を好みます。

植物仕切り線大