コモンマロウ ハーブ-花もちは短いが次々と開花する-イパネマおやじ

コモンマロウ (Common mallow) は、古来より、薬用や食用として栽培されてきました。観賞用としても広く栽培されています。開花期の5月頃になると、直立した茎の葉の付け根から花柄を伸ばして、花径4~5cmの花を咲かせます。花は5弁花で、花弁には生地より濃いめの筋が入ります。花色は、白、薄紫、ピンク、赤紫色などです。移植を嫌うので、定植したら植え替えをしないで栽培しましょう。

コモンマロウは、花や茶葉をお湯に浸すと美しい青色のお茶になります。そのお茶に、レモン果汁を加えると美しい赤紫~ピンク色に変化します。

コモン マロウはアオイ科ゼニアオイ属です

ハーブティーとして人気がある

  • 分類:アオイ科ゼニアオイ属 / 原産地:ヨーロッパ 、北アフリカ
  • 学名:Malva sylvestris
  • 英名:Common mallow
  • 別名:ウスベニアオイ(薄紅葵)
  • 園芸分類:多年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(普通)
  • 草丈・樹高:60~200cm
  • タネまき適期:3月~4月、9月~10月
  • 苗の植え付け:3~4月、9~10月
  • 株分け:3月~4月
  • 挿し芽適期:3月~4月、9月下旬~11月上旬
  • 開花期:5月~8月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(植木鉢、プランター) ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)
  • 特徴
  • マロウの仲間は、ヨーロッパから北アフリカ、アジアに約30種が分布するアオイ科ゼニアオイ属の多年草です。主に分布するのは、温帯、亜熱帯から熱帯地域で、観賞用またはハーブとして栽培されています。日本に渡来したのは江戸時代で、変種のゼニアオイが持ち込まれました。本州以南の地域で野生化している帰化植物で、住宅街の近くなどで見かけるのはゼニアオイです。
  • ウスベニアオイ (Malva sylvestris) とゼニアオイ (Malva mauritiana) は非常によく似た草姿をしています。どちらもヨーロッパ西部から北アフリカを原産とする、アオイ科マロウ属(ゼニアオイ属)の多年草です。ゼニアオイはウスベニアオイの変種です。
  • 流通名も混乱していて、コモンマロウといえば普通はウスベニアオイを指しますが、ゼニアオイも同様の名称で呼ばれることがあります。最近では、コモンマロウとして流通している苗の多くがゼニアオイのようです。

コモンマロウ

  • 近縁種
  • マーシュマロウ(Althaea officinalis)→原産地は、地中海沿岸です。和名はビロードアオイ、ウスベニタチアオイです。マロウの中では最も薬効が優れており、咳止めのキャンディーの原料に利用されています。根の乾燥粉末(デンプン)から作られたお菓子が、マシュマロです(今は使われていません)花色は、白色、薄紫色の5弁花。
  • ムスクマロウ(Malva. moschata)→原産地は、ヨーロッパ、北アフリカ、トルコです。和名がジャコウアオイ、ジャコウに似たホノカな匂いがするのでつけられた名前です。花色は淡いピンク色から白色、甘い芳香がある。
  • ゼニアオイ(Malva. sylvestris var. mauritana)→原産地は、ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア、インド、ネパール、プータンです。ウスベニアオイの変種がゼニアオイです。実った果実の中央が凹んで、ドーナツのような形をしているので、その形が銭のようだというのでゼニアオイ(銭葵)と呼ばれています。特にハーブティーとしての利用では、特徴があり有名です。花色は、白色、薄紫色。

コモン マロウはハーブティーにもなります

マロウティーにレモン果汁を垂らすと青色が薄ピンクに変わる

  • 適応
  • 胃炎、胃潰瘍、尿道炎、気管支炎、喘息、咽頭炎、咳、肺気腫
  • 【外用】浸出性湿疹、腫物、膿瘍、虫刺され
  • 料理・飲み物で楽しむ
  • ハーブティー、ビタミン類の豊富な若い葉は、5~9月に収穫
  • 用土
  • コンテナの場合、市販の草花用培養土または赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。酸性土壌が苦手なので、苦土石灰を混ぜ込みます(用土1L当り3~5g)
  • 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰を混ぜ込んでおきます(1㎡当り100~200g)さらに、植えつけの1週間程前に、土壌改良用の牛ふん堆肥や腐葉土を(1㎡当り2~3kg)混ぜ込んでおきます。
  • 肥料
  • コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、4月~9月上旬の間、月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。
  • 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、基本的に必要ありません。

コモン マロウは西ヨーロッパ原産です

  • タネまき
  • 適期は、3月~4月、9月~10月です。根が直根性で移植を嫌うので、直まきかポリポットまきにします。
  • ポリポットまきで、1ケ所に2~3粒まいて覆土は5mm程です。弱い苗を間引きながら、本葉が5~7枚になって茎がしっかりしたら、花壇や鉢に定植します。
  • 花壇かコンテナに直まきする場合、「用土」と「肥料」の項目で用意した土に、まき溝を作ってタネまきします。50~60cm間隔で1ケ所に2~3粒まきます。発芽するまで、20℃前後で管理して水切れを起こさないように注意しましょう。
  • 植え付け
  • 苗の植え付け適期は、3~4月、9~10月です。
  • コンテナの場合、鉢底石を敷き、根鉢の根を傷めないよう根鉢を崩さずに植え付けます。土と根をなじませて定植したら、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。植え付け直後にタップリの水を施します。(65cm深型プランターだと2株が目安)
  • 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。堆肥を底に敷いて、根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は80~100cmて植え付けます。
  • 株分け
  • 適期は、3月~4月です。
  • 植え付けてから数年が経つと、徐々に花が小さくなってきたら株分けして若返らせます。掘り上げたら、古い土を落として2~3株に切り分けてから植えつけましょう。
  • 挿し芽
  • 適期は、3月~4月、9月下旬~11月上旬です。
  • 株元近くのワキ芽を選んで、挿し穂にします。(挿し木・詳細ページ

コモンマロウはハーブです

ハーブの仕切りライン

花は1日花で観賞用としても広く栽培されている

  • 水やり
  • 土の表面が白く乾いてきたらタップリ水やりしてください。冬の間は乾燥気味に育てます。(表土が乾いてから2~3日経って施す)
  • 手入れ
  • 剪定→数年経つと株、花が小さくなってくるので、毎年早春に剪定しましょう。その際に株の周囲を耕して、新芽を伸ばして若返りをさせましょう。
  • 病気→うどん粉病
  • 害虫→ハマキムシ
  • 収穫
  • 5~6月の開花時期に葉と花を、収穫して乾燥させます。(1週間ほど陰干しをすると、花の色が青紫色に変わります)
  • 葉の収穫は7~9月、花は5~8月の間は収穫が可能です。
  • 日当たり
  • 日当たりの良い場所を好みます。

段落のライン