サフラン ハーブ-紫色の花弁と黄金色のシベの対比が美しい-イパネマおやじ
サフラン (Saffron) は、秋咲きの球根植物でクロッカスの仲間です。松葉のような細長い葉を出して、淡い紫色の花を咲かせます。花が咲いた後も葉は長く伸びて、翌年の5月頃に枯れて休眠します。花びらの数は6枚で中心に、黄色い雄しべと赤くて細長い糸のような雌しべが3本づつあります。
古代より貴重なスパイスとして珍重された
- 分類:アヤメ科・サフラン属 / 原産地:南ヨーロッパ・小アジア
- 学名:Crocus sativus
- 英名:Saffron
- 別名:クロッカス・サティヴァス
- 多年草球根植物・耐寒性 / 草丈:15~20cm
- 開花期:10月~11月 / 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 特徴
- 雌しべ(正確には雌しべの柱頭)を乾燥させたものが、高価なスパイスとして有名な「サフラン」です。古くから料理の色づけや風味付けに利用されパエリアやブイヤベースには欠かせないものです。
- ヨーロッパへは8世紀にアラビア人が伝えたとされており、サフランの黄色は高貴な色として衣類の着色に利用され、16世紀以降になると一般の家庭でも 料理などに利用されるようになりました。
- イギリスでは、頭髪を染めることが流行し、国王が自分の用いるサフランが入手できなくなると困るので、女官が頭髪を染めことを禁止したそうです。古来よりサフランの黄色は珍重され、愛されたようです。
- 春先に咲く観賞用のクロッカスは春サフラン、又は花サフランと呼ばれます。
- 本来のサフランは、秋咲きのクロッカス(sativus)を指します。葉は、初夏までに枯れてしまいますが、晩秋になると花が淡紫色の6枚の花弁を開き、3本に分かれた雌しべを出します。
- 適応
- 血行促進、脳活性、生理痛、生理不順、発熱、痙攣、精神安定、軽い鬱、高血圧、PMS
- 注意→妊婦には有害なので使用禁止
- 料理・飲み物で楽しむ
- 染色のほかに、お茶、サフランライス、パエリア、ブイヤベース、ケーキなど多様に使える
- 用土
- 地植えの場合は、堆肥や腐葉土が豊富で肥沃な土壌を好みます。
- コンテナ・鉢植えの場合は、腐葉土3:赤玉土7の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 肥料
- 花後に新しい球根を太らせるために肥料は必要です。花後と2月頃の計2回、化成肥料を適量、株元に撒いてやります。
- 成分はリン酸分の多いものを使用します、窒素分が多いと球根が軟弱になり病気にかかりやすくなるので要注意。
球根は高温多湿が苦手
- 分球
- 新しく出来た球根により、増やすことができます。
- 植え付け・植え替え
- 球根の植え付けは8月下旬から9月中旬が適時期です。植え付けの時期が遅れると花が小さくなる傾向があります。
- 新しく植える時、球根は出来るだけ大きなサイズを選びましょう。その方が咲く花の数も多くなります。
- 浅く植え過ぎると、球根から芽は多数出てくるのですが花付きが悪くなります。地植えの場合は、球根2ヶ分の深さに、間隔は球根3ヶ分を目安にしましょう。
- コンテナ・鉢植えの場合は、植え付ける深さは、土の表面から、球根1.5ヶ分の深さが目安。サイズは5号鉢(直径15cm)に球根を4ヶ前後の目安。
- 草丈がさほど大きくならないので、鉢のタイプは高さの低い、平鉢などに植えると見栄えもよいでしょう。
涼しい地域では植えっ放しでも育つ
- 手入れ
- 春になり葉が3分の2以上枯れてきた頃に、球根を堀り上げます。
- その球根を雨の当たらない、風通しの良い日陰に吊るして乾燥させます。葉が完全に茶色く枯れたら葉を取り除き、新しくできた子球を親球から外して網ネットなどの風通しの良い袋に入れて、植え付け時期まで保管します。
- 堀り上げるのは、高温多湿で球根が腐るのを防ぐためです、その心配がなければ数年間は植えっぱなしでも問題ありません。但し、4~5年も経つっても放置していると球根が増えて窮屈になってしまうので、この時を目安に掘り上げて植え直しましょう。
- 芽が出た数だけ新しい球根ができます、鉢やコンテナなど用土が限られた場所で発芽したもの全てを育てると球根が十分育たず、翌年に花を咲かせないことがあります。球根を太らせるために、花後に芽を削除して球根の数を絞り込んでもよいでしょう。
- 病気→軟腐病 肥料を与える時にチッソ分が多すぎると軟腐病になり球根が腐ることがあります。
- 害虫→ダニ 高温時期にネダニが発生することがあります。
※ ハーブの栽培手入れ⇒トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。
- 水やり
- 基本的には、冬季~春季にかけては水やりを控えめにして、やや乾かし気味に管理します。
- コンテナ・鉢植えの場合は、土の表面が乾いてきたらタップリと水を与えましょう。
- 収穫
- 花が咲いたらスグに赤い雌しべを抜き取ってキッチンペーパーなどの、吸水性のある紙の上に置き日陰で乾燥させます。
- 糸くずのように風で飛んでいきそな程、細いので気をつけてください。しっかり乾いたら瓶に入れて保存しますが、1年くらいで風味が落ちるので早めに使いきりましょう。
- 主に料理の着色、風味付けに使われますが主成分のクロシンは非常に着色力が強いので、量を加減してくだださい。
- 水やお湯に浸けると色素が溶け出てきますが油には溶けません。より香りを効果的に引き出すには、使用する前にオーブンなどで過熱して乾燥させると、より香りと風味が引き立ちます。
- 日当たり
- 日当たりの良い場所を好みます。日照不足だと花付きが悪くなります。
- 高温多湿に弱いので、春になったら掘り上げて涼しい場所で貯蔵してやるとよいでしょう。生育の適温は5~15℃で冷涼な環境を好みます。
- 寒さには強いので、防寒対策の必要はありません。