肥料の成分とその効果-1 肥料別の効果を理解する-イパネマおやじ

肥料を施してから、効果が現れる期間の違いをあらわすのが「速効性」「緩効性」「遅効性」の3種類です。

季節の花

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肥料の成分とその効果

速効性・緩効性・遅効性の肥料とは

  • 速効性肥料→
  • 一般の化成肥料や液体肥料のことです。水に溶けやすい成分を使用しているのですぐに効きますが持続期間は短めです。主に追肥として定期的に施すのに使います。

肥料 効果のグラフ

緩効性肥料

施してスグに効き始めて、ゆっくり効果が持続します。水に溶けにくい成分や化成肥料を樹脂などで覆って錠剤のように固形化して徐々に溶け出すように工夫されています。2~3ヶ月から、1~2年間効くものなど多種類です。年単位のものは元肥、月単位のものは追肥に適しています。

肥料 効き目の推移グラフ

遅効性肥料

有機物をベースにしているので、効き目が出始めるのが3種類の中では最も遅いのですが長期間持続します。主に元肥として用いられます。

肥料 効果推移グラフ

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成分比率の異なる肥料の使い方

  • 市販の肥料の成分は、チッ素(N)、リン酸(P)、カリ(K)が配合され、成分値が必ず表示されています。
  • 「N-P-K=5-10-5」と表示されていたら「N・5% P・10% K・5%」含まれていることを示します。これを「NPK比」といいます。NPK比には5つのパターンがあるので、割合の異なるものを何種類か用意して、植物の種類や施す時期によって使い分けるようにします。

水平型

成分的な特徴がない代わりに、どの植物、どの時期にも安心して使用できます。

成分表 その一

山型

火山灰土に植えてある植物や草花、花木、果菜類に向いています。

成分表 その2

谷型

主に水耕栽培などで使用されます。

成分表 その3

上がり型

栽培環境の悪い場所に置いてある植物や球根類、根菜類のほか、宿根草の冬越し準備にむいています。

成分表 その4

下がり型

樹木、草花、葉菜類などの葉色をよくし、生育を促進します。

成分表 その5

  • いつ肥料を施せばよいのか
  • 植物は、生育期は養分を吸収するため、いつ肥料を施しても問題ありません。しかし、休眠期には養分を吸収しないので、施肥を続けると土中の肥料濃度が高くなり、濃い肥料を施したときと同様に濃度障害を起こします。植物がいつ、どんな栄養を必要としているのかを、見極めることが大切です。たとえば観葉植物は温度の低い冬季、洋ランは開花期が休眠期になります。
  • ウメやサツキなどは夏の間に翌年の春に咲く花芽ができるので、この時期の施肥は避けます。施す肥料の選び方もポイントになります。苗などを植えつけたり移植したときは、緩効性の肥料を元肥として使ってもよいのですが、新しい根が伸びるまでは速効性肥料は控えるようにします。
  • 鉢植えの植物の生育が悪い場合、よくあるのは生育が悪いのは肥料不足のせいだと思い込み、施肥する例がよくありますが逆効果になることもあります。生育不足の原因は栄養不足ではなく、水の過不足、根詰まり、不適当な栽培環境などが考えられます施肥を行う前にまず生育不慮の原因をよく考えて、問題を改善するようにしましょう。まず土壌をよく耕し、空気を含ませたり、肥料を混ぜ込んでおきます。

土壌をよく耕しておく

いつ肥料を施すのか

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肥料の与えすぎは、やっぱりダメなの?

  • 植物の根は、肥料が濃過ぎると吸収できません。速効性の化成肥料を多く施したり、濃い液体肥料を施すと、土中の肥料濃度が高くなって吸収するどころか、根の中の水分が逆に奪われ、根はしなびて枯れてしまいます。まさに”青菜に塩”で、この状態を肥料焼けといいます。たとえ吸収したとしても、水分だけが葉から蒸発するので、細胞内の肥料濃度が高くなって細胞が破壊され、同様に枯れてしまいます。
  • 特定の成分だけを施しても植物は健康に育ちません。早く大きくしたいとチッ素だけを施すと、葉が大きくなり草丈も伸びますが、軟弱に育ち病害虫の被害を受けやすく、風で倒れやすくなります。花をたくさん咲かせよう、植物を丈夫に育てようとしてリン酸やカリ成分だけを施しても植物はほとんど育ちません施しすぎよりは少々不足しているほうが、過大に育ちこそしないが健全な株の状態を保てます。
  • やはり理想は、少しずつこまめに肥料を施すことです。成分が偏ることは植物にとって害をあたえることになります。バランスの取れた強い植物を育てるには、手間をかけて肥料を施すことが大切です。

有機肥料は庭植え向き

植物や動物などの、天然の素材から作られたものが有機肥料で、油かすや骨粉、鶏ふん、草木灰などがあり、特に油かすと骨粉は、元肥に適しています。また、改良用土として用いることの多い堆肥も有機肥料です。堆肥には有害物質の影響をやわらげる働きもあるので、積極的に使いたい肥料です。ただし、必ず完全発酵済みのものを使うようにしましょう。

  • あらかじめ必要な肥料を混ぜておきます
  • 花壇に植える植物の元肥として、有機質肥料の油かすと骨粉をあらかじめ混ぜておきます。
  • 量は1平米あたり、油かすと骨粉を各100~200g程度。油かすは完熟タイプを、骨粉は蒸製タイプを使うことで植物を傷めません。
  • 肥料を花壇にまきます
  • 予め混ぜ込んでおいた肥料を花壇にまきます。まんべんなく偏らないようにならします。
  • 前年に植物を植えていた場所や、雨がかかり難い場所にある花壇は、通常の半分から2/3の量でよいでしょう。
  • 土に混ぜ込んでなじませる
  • そして、まいた肥料を花壇全体に、まんべんなく土に混ぜ合わせます。
  • 20~30cmの深さにある土までよく混ざるように、スコップで丁寧に作業してください。その後1~2週間そのまま放置すると肥料分がよくなじみます。

肥料の成分とその効果:肥料の成分とその効果ー1|肥料の成分とその効果ー2

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