タツナミソウ 季節の花-山野や丘陵地の日当たりのよい場所に自生-イパネマおやじ
タツナミソウ (japanese skullcap) は、山野の林縁から平野の草原に道端、森林内の開けた場所などに生えます。茎を真っすぐに立てて株立ちになり、地下茎を伸ばして増えます。茎は赤味を帯びて、直角に白色の粗い開出毛が多く生えます。葉は数対が対生し、長さ幅とも1~3cm程度で広卵形、縁は鋸歯があります。
茎上部に花序を見せ小花を穂状に咲かせる
- 分類:シソ科タツナミソウ属 / 原産地:日本(本州以南)、中国、朝鮮半島
- 別名:ヒナノシャクシ(漢字表記:立浪草)
- 学名:Scutellaria indica
- 英名:Skullcap
- 園芸分類:多年草 / 耐寒性(普通)、耐暑性(強い)
- 草丈・樹高:20~40cm
- タネまき:2月~3月上旬
- 植え付け:2月~3月、花後の6月、秋は9月~10月中旬
- 植え替え:2月~3月、花後の6月、秋は9月~10月中旬
- 株分け:2月~3月、花後の6月、秋は9月~10月中旬、植え替えの作業と同時に行う
- 挿し芽:6月~7月
- 開花期:4月~5月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
- 特徴
- タツナミソウは、日本、中国、朝鮮半島の、広い地域に分布するシソ科タツナミソウ属の多年草です。世界中に約200種が分布、日本には約16種が自生しています。
- 国内で最も多く見られるのが、タツナミソウ(Scutellaria indica)で、北海道以南の地域の草原や森林の入口の近くに自生しています。多くの変種があり、種の識別が難しい植物として知られています。
- 主に栽培されているのは、変種のコバノタツナミです。日当りがよく乾燥気味の場所に生えています。花は、紫色が基本ですが赤紫、藤色、白色などがあります。いくつか花色の違うものを混ぜて植えておくと、自然に交配してできたコボレタネから、異なる色合いの花が咲いてくるのも楽しみです。
- 花姿は普通に開くタイプと、小さなツボミのままの閉鎖花の2週類があります。5月の開花期を過ぎると閉鎖花を付けます。仲間は多数あり、似た花を咲かせる種類も多く一見すると見分けがつかないほどよく似ています。葉の小さなコバノタツナミソウや、シソの葉脈によく似たシソバタツナミソウ、ツクシタツナミソウなどがあります。
春から初夏にかけて個性ある形をした花を付ける
- 用土
- 水はけのよい土壌を好み、土質は選びません。
- コンテナ・鉢植えの場合は、草花用培養土6:赤玉土(小粒):4の割合で混ぜ込んでおきます。肥沃の度合いは普通であれば使いなれた土で大丈夫です。盆栽のように小さくまとめるのならば、山砂か赤玉土を主体にした土で育てます。
- サクテラリア・アルピナを植え付ける場合は、高山植物用培養土か、軽石、硬質鹿沼石、日向石、赤玉土などの小粒を等量配合で混ぜて使います。混ぜる前に、一度よく水洗いをしてみじんを完全に除きます。
- 地植えの場合は、水はけが悪い湿り気のある場所は避けましょう。むしろ少し乾燥気味のほうが育ちます。
- 肥料
- コンテナ・鉢植えの場合は、春の芽出し後と、夏前に各1~2回、チッ素、リン酸、カリウムを等量配合した緩効性の化成肥料や配合肥料を施します。施すのは少量でよく、3号鉢で一つまみ程度です。コガネバナは、大型になり肥料を喰うので草花用の液体肥料を、月に1~2回追肥します。
- 地植えの場合は、特に必要ありません。
- タネまき
- 適期は、2月~3月上旬です。6月~9月にタネを採取して、冷蔵庫に保管して翌年にまきます。
- 花壇かポリポットに直まきします。「用土」と「肥料」の項目で用意した土に、20~25cm間隔で1ケ所に2~3粒を点まき、覆土は1cm程です。発芽するまでは、よく観察して水切れを起こさないように注意しましょう。
- ポリポットまきの場合、5~6号サイズにまいて弱い苗を間引きながら育苗します。本葉が2~3枚になったら根鉢を取り出し、1本づつに分けて2~3号サイズのポリポットへ鉢上げ(移植)します。本葉が5~7枚になったら花壇や鉢へ定植します。→「2回ポリポットを移す理由」→苗どうしが牽制しあって、生育不良をおこさないためと、花壇や鉢に移すには、まだ小さいので、鉢よりも小さいポリポットに移すことがポット上げをする理由です。
- 花壇にまいた場合、間引きながら1本立ちに育てます。
- 植え付け
- 適期は、2月~3月、花後の6月、秋は9月~10月中旬です。
- コンテナ・鉢植えの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように根鉢を1/3程(軽く崩す程度で)崩して、古い土を落としてから植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。
- 植え替え
- 適期は、2月~3月、花後の6月、秋は9月~10月中旬です。
- コンテナ・鉢植えの場合は、毎年植え替えましょう。適期は春が2~3月の芽だし前、花後の6月、9月~10月上旬です。のように、小さくつくってある株も毎年植え替えしましょう。
- 地植えの場合は、基本的に必要ありません。
- 挿し芽
- 適期は、6~7月です。生長した茎の先を切って挿し穂にします。挿し床の用土は、清潔で栄養分の少ないものが適しています。市販の挿し木用土、または鹿沼土、パーライト、ピートモス、バーミキュライトなど保水性のよいものを使いましょう。挿し穂は、1時間ほど水に浸して水揚げしておきます。挿し床の用土は、事前に水をかけて湿らせておきます。
- 株分け
- 植え替えの作業と同時に行います。茎や地下茎が絡み合い分けにくくなりますが、一株を3~4等分します。
福島以南の本州、四国、九州に自生する
- 水やり
- コンテナ・鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらタップリと与えます。
- 地植えの場合は、必要ありません。
- 手入れ
- 病気→特になし
- 害虫→ハダニ 主に葉裏に付きやすく、汁を吸われた部分の表面が白い斑点になります。網を張るタイプが多発すると、クモの巣状になり群生します。その後、頂頭部に集合し分散して増えていきます。時々、霧吹きをすると発生が抑えられます。見つけたら葉ごと取り除きましょう。
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- 日当たり・置き場所
- 日向から明るい日陰まで、様々な環境でも栽培が出来ます。
- 春の間は、日向の方が全体に美しく育ちます。風通しがよい方が、丈夫に育ちます。