パセリ 野菜-ビタミンやミネラルが豊富で料理や薬用-イパネマおやじ
パセリ (parsley) は、古代ギリシャ・ローマ時代から薬用植物や料理用として栽培されてきました。栽培の起源はイタリアで、少しずつ周辺地域に広がっていき、17世紀にはヨーロッパ全体に普及したといわれています。葉や茎に強い香味があり、料理に利用されます。
葉はニンジンに似た濃緑色
- 分類:セリ科オランダゼリ属 / 原産地:ヨーロッパ南東部
- 学名:Petroselinum crispum
- 別名:ヨウセリ、オランダゼリ
- 園芸分類:二年草 / 耐寒性(普通)、耐暑性(普通)
- 草丈・樹高:30cm
- タネまき:3月~5月、秋は9月~10月(発芽適温15~23℃)
- 苗の植え付け:3月~5月、秋は9月~10月(生育適温15~20℃)
- 開花期:6月~7月
- 収穫期:4月~10月(随時に通年)
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
- ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
- 特徴
- 日本には、18世紀にオランダ人が持ち込んだのが始まりで、オランダゼリと呼ばれ長崎で栽培されていました。
- 因みにアメリカへ渡ったのは、これより後で19世紀でしたが普及は早かったそうです。日本やアメリカの種は、葉が細かくカールしている縮葉種が普及していますが、ヨーロッパでは原種に近いとされる、平葉種が一般的です。平葉種は見た目が、セロリやミツバの葉に似ています。
- 初夏に花茎を伸ばし、先端には緑黄色の小さな花を咲かせます。葉色は濃緑色で、茎はよく枝分かれします。収穫は大きくなった葉から摘み取っていきます。
- 一年を通して、収穫できるので一株植えておくと便利です。農家などで、広く栽培されている品種:(地域性や収穫時期を、考慮して選定されている)
- 品種
- パラマウント、グランドパセリー、中里パセリー
- ※家庭で栽培するには、耐暑性・耐寒性があり、季節を問わず育つ品種を選ぶのがよい。
- 近縁種
- イタリアンパセリ( P. neapolitanum)→葉は縮れずに平らで強い香りと苦味があり、洋風料理の香り付けに使われます。
- カーリーパセリ (P. crispum) →主に観賞用で、ガーデンの花壇に植えられる。食用としては添え物に使う。
- ハンブルグパセリ(P. saticum)→白っぽいニンジンのような形で、肥大した根を食用にします。
香りは爽やかだが少し苦味がある
- 適応
- 抗菌、殺菌、強壮、利尿、抗アレルギー
- 料理・飲み物で楽しむ
- 肉・魚介・野菜料理など幅広く利用、生でサラダやスープ、パスタに散らしたり、パセリバター、ハーブオイル
- 用土
- パセリは、酸性の土壌を嫌います。
- コンテナ・鉢植えの場合、腐葉土3:赤玉土(小粒)7の割合いで混ぜた土を使います。
- 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、よく土を耕して苦土石灰を混ぜ込んでおきます。(1㎡当り100g→1握り)掘り上げた土に対して土壌改良用の牛ふん堆肥か腐葉土を2割程混ぜ込んで水はけのよい環境を作っておきます。(粘土質などの水はけが悪い土壌なら川砂を1~2割加える)
- 肥料
- コンテナ・鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の施肥は、生育期間中に3~4回薄めの速効性液体肥料を施します。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として有機質肥料や緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。苗を定植後の施肥は、生育期間中に月3~4回薄めの速効性液体肥料を施します。
- タネまき
- 適期は、3月~5月、秋は9月~10月です。(発芽適温は20℃前後)
- タネまきの前には、発芽しやすいように一晩水に浸しておきます。
- 箱まき(セルトレーが便利)かポリポットまきにします。好光性なので、覆土は薄く2~3mmにします。箱まきの場合は本葉が2~3枚になったらポリポットに仮植えします。ポリポットで本葉が5~6枚になったら、花壇や鉢で定植します。ポリポットまきも同様に、本葉が5~6枚になり根が回ったら花壇や鉢に定植します。
- 花壇に直まきしてもよいです。筋まき、条まきにする。
- 植えつけ
- コンテナ・鉢植えの場合、鉢底石を敷き、根鉢の根を傷めないように植え付けます。定植したら、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。(65cm深型プランターだと3~4株が目安)
- 地植えの場合、根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。根鉢の根を傷めないように定植したら、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。株間は25~30cm空けて植え付けます。
- 植え替え
- 特に必要はありません。パセリは直根性(太い根があまり枝分かれしない性質)なので苗が小さい時は植え替えが出来ますが大きく生育してからだと、掘り上げても根が切れてしまい、根付きが難しいです。もし植え替える場合は、根を切らさないようにしましょう。
葉や茎に強い香味があり、いろんな料理に使える
- 水やり
- 少し乾燥に弱いので、春から秋にかけての生育期間は、干上がらせないように注意して土の表面が乾いたらタップリと水を与えます粘土質の土壌などで根元に水が滞留している環境では、根腐れすることがあるので、水はけのよい土壌に改良しましょう。
- 手入れ
- 次々と芽が出て生育が旺盛なので、肥料を切らさないようにしましょう。
- 初夏になると花茎を伸ばして花をつけ、そのままにしておくとトウ立ちして株が弱ったり、葉の数が少なくなったり、枯れてしまうこともあります。但し2年草なので花茎を摘んでもタネ蒔きから、丸1年が経つと枯れてしまいます。採種をしないのならば、花茎は早めに摘んでおきましょう。
- 病害虫→軟腐病、ヨトウムシ
- 収穫
- 大きくなった葉を、外側から必要な分だけ摘み採って収穫します。一枝から10枚位にして、枝の生育に支障をきたさない様に、採り過ぎに注意しましょう。
- 夏場になると葉が硬くなりがちなので、若い芽のうちに採って新しい芽を出させるようにしましょう。
- 日当たり
- 日なたや明るい日陰を好みます。よく日に当たると葉は色濃く硬めになり、明るい日陰だと柔らかい葉に育ちます。
- 真夏の強い日差しは避けましょう。庭植えの場所は、定植前に夏の日当たりを考慮して決めましょう。鉢植えの場合は、日差しをみながら置き場所を移してます。
- 寒さにはまずまず強く、庭植えでも冬越しが可能ですが、防寒ネットを張るか株元にマルチングをして防寒対策をしましょう。鉢植えの場合、霜が降る場所は避け、軒下などに移しましょう。
- 庭植えの場合は、地面が凍らないように腐葉土などで土の表面を覆ってやるか、寒冷地では防寒用のネットを掛けるなどの対策をしましょう。