ヒソップ ハーブ-花や葉を料理に精油は香料に利用できる-イパネマおやじ

ヒソップ (Hyssop) は、ペパーミントのような清涼感のある香りがするので、ヤナギハッカの和名がついています。春にタネまきをすると、約3ヶ月後の7~9月に花を咲かせます。秋にタネまきをすると、冬を越して翌年の5~7月に花期を迎えます。葉は、枝分かれして直立に伸びていきます。年を経ると茎部の表面がゴツゴツとなり木質化します。

ヒソップ

花色は紫色以外にも白や淡紅色がある

  • 分類:シソ科ヤナギハッカ属 / 原産地:南ヨーロッパ・アジア西部
  • 学名:Hyssopus officinalis
  • 別名:ヤナギハッカ(漢字表記・柳薄荷)
  • 園芸分類:多年草 / 耐寒性(普通)、耐暑性(普通)
  • 草丈・樹高:40~60cm
  • タネまき:4月~5月、秋まき9月~10月
  • 苗の植え付け:4月~5月、9月~10月(育苗後または市販の苗が流通する)
  • 植え替え:4月~5月、9月~10月
  • 挿し芽:6月~7月
  • 開花期:6月~9月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(植木鉢、プランター) ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)
  • 特徴
  • 花色はピンク、ホワイト、パープルの3色があり、初夏になると茎の上部に小さな花を咲かせます。カラフルな色合いで、花壇にも利用できます。
  • ヒソップの名前の由来は、ヘブライ語からユダヤ教では聖なるハーブとして古代より利用されてきました。旧約聖書の中にも名前が登場しますが、これがヤナギハッカと同じヒソップであるか否かは不明だそうです。
  • 基本は常緑性ですが、寒い地域では、長く伸びた葉茎は冬になると枯れて、根元で越冬して春になると、元気に伸びて生長します。
  • 薬効については古くから認められ、ハーブティとして利用されており、葉から作ったお茶は健胃や初期の風邪に効くとされています。
  • 花や葉は、セージ、セボリー、ミントを混ぜたような香りで、抽出された精油は、化粧用やオーデコロンの香料として利用されています。

ヒソップはシソ科ヤナギハッカ属

精油は化粧品用香料に利用される

  • 適応
    鑑管支炎、咳、悪寒、風邪、インフルエンザ、鼓腸、腹痛、喘息、ヘルペス、低血圧
  • 料理・飲み物で楽しむ
  • 料理の香りつけに用います。相性は幅広く肉料理、野菜料理、豆料理、チーズと合います。生で葉や花を利用する際は花が開ききる前が、収穫の適時期です。良質の蜂蜜が採れます。
  • 用土
  • 水はけのよいアルカリ性の土壌を好みます。
  • 鉢植えの場合、赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1の割合で混ぜ合わせた土を用います。
  • 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰(1㎡当たり100g)を混ぜ込んでおきます。さらに、植えつけの1週間程前に、土壌改良用の牛ふん堆肥または腐葉土を(1㎡当たり2kg)混ぜ込んでおきます。
  • 肥料
  • コンテナの場合、鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、5月~6月に1~2回、月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。
  • 地植えの場合、苗を定植後の追肥は、5月~6月に1~2回、株元に緩効性化成肥料を置肥します。

ヒソップ

  • タネまき
  • 4月~5月、秋まき9月~10月が適期です。タネが非常に細かいので、花壇などへ直まきしないで箱まきかポリポットまきをして苗を育てましょう。
  • 箱まき(セルトレイが便利)かポリポットまきで、1ケ所に数粒を重ならないようにまいて、覆土はしません。箱まきの場合、弱い苗を間引きながら本葉が2~3枚になり茎がしっかりしたら、ポリポットに移して仮植えします。ポリポットまきの場合(箱まきからポットに移植した苗も同じ)、乾燥しないよう管理しながら、本葉が5~7枚になって茎がしっかりしたら、花壇やコンテナに移して定植します。
  • 苗の植えつけ
  • 適期は、4月~5月、秋は9月~10月です。
  • コンテナの場合、4~5号鉢に鉢底石を敷き、「用土」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように植え付けます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。
  • 地植えの場合、、「用土」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は30cm位空けて植え付けます。一度定植したら植えっぱなしでよいです。
  • 植え替え
  • 適期は、4月~5月、秋は9月~10月です。
  • コンテナの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、1~2年に1回を目安に行いましょう。根鉢を1/3程軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。
  • 地植えの場合、一度定植したら植えっぱなしでよいです。
  • 挿し芽
  • 適時期は6~7月です。今年になって伸びた枝を10cm位に切り、1時間程水に浸して吸水させたら土に挿します。
  • 直射日光の当たらない場所で、乾かさないように管理しながら2~3週間で根が出てきます。約1ケ月程で十分に発根したら、コンテナや花壇に定植します。

ハーブ植物

段落のライン

開花後に草丈を半分に切り詰めると秋には丈夫な株になる

  • 水やり
  • 耐暑性があり乾燥には強いのですが、過湿には弱く根腐れしやすいので、水はけのよい土壌に植えつけてください。
  • 手入れ
  • 切り戻し→暑さ、寒さにも強く丈夫な植物ですが、多湿を嫌います。草の姿は、細かい枝が生い茂り蒸れやすい形をしています。蒸れると下の部分から葉が枯れてきて、全体の生育にもよくありません。特に梅雨時から夏の間は、枝が混み合っている部分を根元から切り落としてやります。花が咲き終わった枝は、コマめに切り戻してやり、株の中まで風がよく通るようにしてやります。冬季の前に枝を20cm位に刈り込んでやると翌春になると、枝の伸びが揃い草姿も良くなります。
  • 摘芯・花芽を摘む→若葉を次々と収穫して、長く利用するためには摘芯と花芽を摘む作業が欠かせません。花に栄養を取られるとよい葉が付かなくなるので小さい蕾のうちに摘み取りましょう。収穫を兼ねて、丹念に摘芯すると枝分かれして、葉の収穫量も増えます。
  • 花を長く楽しむために、開花後に丈を半分に切り詰めておくと、秋になり丈夫な株になります。花を継続して毎年楽しむために→ヒソップやラベンダーなどの、低木類の花を毎年元気よく咲かせる為には若い元気な枝を常に育てておく必要があります。
  • 冬の剪定→冬から早春にかけて、枯れた葉を取り除き、各枝に元気な葉を残して株元から切り取ります。
  • 病気・害虫→特になし

※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。

  • 日当たり
  • 日当たりの良い場所を好みますが、多湿を嫌います。
  • 暑さ、寒さには強いのですが、寒冷地で特に冷え込みが厳しく(地面が凍結するなど)場所では株元をワラなどでマルチングして防寒対策をしましょう。

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