フィーバーフュー ハーブ-古くから防虫剤や殺菌剤に利用された-イパネマおやじ

フィーバーフュー (Feverfew) は、花期の5月頃になると、細いキク状の葉茎を根元から何本も伸ばして、細かく枝分かれします。茎頂部に花径1~2cmの小さな花を咲かせます。たくさん分枝した茎先に頭花を付けますが、花弁のように見える舌状花と中心部分の筒状花で構成される集合花です。本来は多年草ですが、日本の気候では夏の高温多湿で枯れることが多いので、秋まきの一年草として扱うのが一般的です。

フィーバーフュー

虫除けや薬用にも利用される

  • 分類:キク科ヨモギギク属 / 原産地:バルカン半島、西アジア
  • 学名:Tanacetum parthenium
  • 別名:ナツシロギク、イヌカミツレ
  • 園芸分類:多年草(一年草扱い)  / 耐寒性(中程度)耐暑性(やや弱い)
  • 草丈・樹高:30~50cm(高性種は80~100cm)
  • タネまき:9月~10月
  • 苗の植え付け:10月~11月、3月~4月(育苗後または市販の苗が流通する)
  • 植え替え:本来は多年草だが、日本の気候では夏の高温多湿で枯れることが多いので、秋まきの一年草として扱うのが一般的です。(鉢植えなどで、高温多湿を避けて夏越しができたら植え替える)
  • 挿し芽:6月~7月、9月~10月
  • 開花期:5月~7月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
  • ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
  • 気象庁ホームページ:地域別の気候情報はコチラ https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/cgi-bin/view/index.php
  • 特徴
  • フィーバーフューは、ユーラシア大陸西部を中心として分布するキク科ヨモギギク属の多年草です。主に分布しているのは、バルカン半島、コーカサス地方で、砂岩状の斜面や道端、草原などの日当たりのよい場所に自生しています。
  • 日本へ渡来したのは明治時代とされています。花名の、フィーバーフューは英名で、ハーブ界では一重咲きの基本種のことで、フィーバーフューの名前で流通しています。別名のマトリカリアは、旧属名からの名残りで、園芸上では現在でもこの名前で流通しています。夏に白い花を咲かせるところから、和名はナツシロギクです。厳密な決まりはありませんが、ハーブとしては英名の”フィーバーフューで、園芸草花としては旧学名のマトリカリアや和名のナツシロギクの名前で呼ぶのが一般的です。
  • 細いキク状の葉茎で、花はカモミールによく似た小花を枝先につけます。根元から何本も茎が立ち、上部で枝分かれします。葉は春菊のように切り込みが入り、緑色の他に斑入りや黄色の美しい葉をつける品種もあり、特に黄緑色の葉をつける品種群を「ゴールデン・フィーバーフュー」と分けて呼んでいます。また、水あげが良く切り花用に改良された草丈の高くなる品種や花壇やプランター用の草丈の低い品種などもあります。
  • パルテノライドという成分が含まれていて血液の流れを良くし、炎症を抑えるといわれティーにして飲むと、頭痛、鎮静、消炎への効果があるといわれます。
  • コンパニオンプランツとして、アブラムシや害虫の付き易いバラなどの植物の隣に、植えるとよいです。
  • 注:葉は乾燥させてハーブティーとして利用します。生葉の食用は、口の中に炎症を起こすことがある。

フィバーフューは多年草

花はカモミールのような小花を枝先につける

  • 適応(ハーブ、漢方としての適用)
  • 生理不順、偏頭痛、解熱、めまい、耳鳴り、炎症、リウマチ性関節炎【外用】関節炎の腫れ、虫刺され
  • 料理・飲み物で楽しむ
  • ハーブティとして飲まれています。サラダとして葉を食べると口に炎症を起こすことがあるので注意してください。
  • 用土
  • 根元がジメジメしていると根腐れしやすいので、水はけのよい土を選びましょう。
  • コンテナの場合、赤玉土(中粒)6:腐葉土2:ピートモス2:の割合で混ぜ合わせた土を使います。
  • 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰(1㎡当たり100~150g)を混ぜ込んでおきます。さらに、植えつけの1週間程前に、水はけの悪い土壌には土壌改良用の牛ふん堆肥または腐葉土を(1㎡当たり1~2kg)混ぜ込んでおきます。(更に水はけの悪い土壌は、川砂などを1~2割混ぜ込む)
  • 肥料
  • コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として、少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、10月~11月に緩効性化成肥料を置肥、2月~5月に液体肥料を月2回程施します。
  • 地植えの場合、植え付ける際に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、10月~11月に緩効性化成肥料を2~3回株元に置肥、2月~5月に月1~2回緩効性化成肥料を置肥します。

マトリカリア2枚組

カモミールの近縁種

タネまきや挿し芽で増やす

  • タネまき
  • 適期は、9月~10月です。発芽適温は、15~20℃です。
  • タネが細かいので、育苗箱かピートバンにまきます。タネが薄く隠れる程度に覆土します。本葉が3~4枚になったらポリポットに仮植えします。更に、ポリポットに根が回ったら、1本立ちにして3号ポリポットへ植え替えます。ポリポット苗のまま日当たりのよい場所で、冬越しをして、春になったらコンテナや花壇へ定植します。
  • 地植えにした場合、多少の耐寒性はあるが、霜に当たると枯れてしまうので株元を腐葉土などでマルチングしましょう。その他の方法は、フレームやビニールハウスへ入れて春まで育てましょう。
  • 春まきにすると、開花するのが苦手な高温多湿の時期になってしまうので、温暖地では適しません。(寒冷地では可能)
  • 植えつけ
  • 適期は、10月~11月、3月~4月です。
  • コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように抜き取り、古い土を落としてから植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(株間30cm程、60cmプランターで2~3株が目安)
  • 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は30cm程で植え付けます。
  • 植え替え
  • 一年草扱いなので、基本的には植え替えの必要はありません。本来は多年草なので高温多湿の環境に適合すれば夏越しは可能です。長雨の時期は、風通しがよく雨に当たらない軒下などに移しましょう。
  • 挿し芽
  • 適期は、6月~7月、9~10月です。株元の近くの丈夫な新芽を、茎先から3~5節の部分で切り取り、挿し穂にします。市販の挿し木用土、または鹿沼土、パーライト、ピートモス、バーミキュライトなど保水性のよいものを使いましょう。挿し穂は、1~2時間ほど水に浸して水揚げしておきます。挿し床の用土は、事前に水をかけて湿らせておきます。
  • 年数を経て古株になると高温多湿で蒸れたり、根腐れしやすいので、できれば毎年タネを蒔くか挿し芽をして新しい株に作り直す方が良いです。

夏白菊

キク科

季節の花木ライン大

日当たりと風通しのよい場所を好む

  • 水やり
  • コンテナの場合、多湿に弱く根腐れしやすいので水やりは控えめにして、少々乾燥気味な状態を維持して、土の表面が乾いてから水を与えるようにします。
  • 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。
  • 手入れ
  • 切り戻し→適期は、夏の終わり頃に伸びすぎたり傷んだ枝を切り戻します。思い切って地際の、1節程で葉を1~2枚だけ残して切り詰めます。高温多湿に弱いので、夏頃に枯れることが多いです。
  • 花がら摘み→花後の枯れた花は小まめに切り取りましょう。
  • 支柱立て→高性種の場合は、開花すると倒れやすいので早めに支柱を設置しておきましょう。
  • 害虫→アブラムシ 春から秋にかけて新芽やツボミにアブラムシが発生しやすいので、見つけ次第に捕殺か、薬剤を散布して駆除しましょう。
  • 種の採取
  • 花後に種子を収穫しておきましょう。収穫した花や葉は、切り花、ポプリでも利用できます。
  • 種子は非常に細かくて、こぼれ易いので小さな紙袋で花を覆っておいてから、熟した頃に花茎ごと切り取って収穫します。
  • 日当たり
  • 日あたりの良い場所を好みます。高温多湿に弱いので、できるだけ風通しの良い場所で育てましょう。

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