株分け 親株から発生したわき芽から繁殖する-イパネマおやじ
株分けは、親株から発生したわき目を、根のついた状態で、親株から離す繁殖方法の一つです。
株分けで増やすには
根のついた株を分けるので、苗を枯らすことが少ない安全な方法ですが、繁殖効率はよくありません。また、株分けは繁殖のほか、老化した古株(親株)を分割したり処分したりすることで、子株に更新するためにも行います。
- 作業適期と管理
- 株分けは、新しい根が出始める早春か、または秋の初めに行うのが一般的です。
- 株分けは、茎や根を傷めやすい作業です。春から初夏に開花するものは、蕾や花が傷まないよう、、花後に行います。
- 植物ごとに、株分け後の生育環境、開花への影響などを考えて作業適期が決まります。作業後の管理は、植え替えと同じです。
株分けのポイントは
- 作業は挟みやナイフなどを使うことが多いのですが、親株が病気に罹っていると、道具や人の手を通して病原菌が伝染することもあるので要注意。病害虫に罹っていない、健康な植物で行いましょう。
- ただし、ウイルスによる病気のように、感染初期は見た目には分からないものもあるので、ウイルス感染の恐れのある植物は、株分けの際には出てきた汁液を布などでふき取り、刃物類をアルコール消毒するなどして感染を予防しましょう。
- 株の分け方には、複数の株に分けるか、1芽ずつに分けるのが良いのかは、植物により適応が異なるので確認してください。
株分けの種類と手順
子株を分ける→土を取り除いて子株の分ける部分を確認して、ナイフなどで親株から切り離す。
地下部の芽を分ける→土を慎重にくずして基部の芽を出す。または、土を洗い流してもよい。芽を傷つけないように、手かハサミなどで切り分ける。
芽のついた地下茎を分ける→今年の芽に、昨年の地下茎をつけて木バサミやナイフで地下茎を切り分ける。
サッカーを分ける→軽く掘り上げて、サッカーから根が充分に発生していることを確認して、根をつけて切り分ける。
ランナーを分ける→ランナーが発生したら、用土を入れたポリポットにランナーを植えて、土中に発根したら切り離します。
オフセットを分ける→アナナス類は、5~7月に大きくなったオフセットの基部を指でつまみ、軽く振って離して植えつける。ナイフなどで切り取ってもよい。
庭木の株分け→株立ち状になる樹木が大きくなり過ぎたら、株を分けて別の場所に植え替えをします。分けたい部分の土を大きく掘り上げる。
庭木の株分け→剣先スコップなどで、土中に深く差し込んで、株と根を切り分けながら分割する。
庭木の株分けと植えつけ→あらかじめ新しく植えつける場所に、植える穴を掘っておき、樹姿が一番美しく見える面を、正面にして定植します。タップリと水を施すのを忘れずに。
園芸メモ・バラの栽培用語:生殖生長(せいしょくせいちょう)⇒花芽を分化、発達させて開花、結実して子孫を残そうとする生長のこと。対して、根を張り、葉を展開させ、茎を伸ばすなど栄養器官を発達させ植物としてのベースを作る生長を、栄養生長と呼びます。