マーガレット 季節の草花-多彩な花色と花形がある-イパネマおやじ
マーガレット (Marguerite) は、大西洋に浮かぶカナリア諸島が原産です。17世紀末にヨーロッパに渡り、多くの品種がフランスで改良されました。マーガレットの名前はギリシア語で真珠を意味するマルガリーテスで、その白い花姿に由来します。
多年草なのですが、耐寒温度は0℃前後で霜にも弱いので、非耐寒性多年草=一年草として扱われることも多いです。コンテナ栽培では室内に置いてきり戻しをしながら冬越しさせ、地植えの場合は霜除けの防寒対策を施しながら冬越しをさせて育てましょう。
野生種は白か黄色の一重咲き
- 分類:キク科モクシュンギク属 / 原産地:カナリア諸島
- 学名:Argyranthemum frutescens(=Chrysanthemum frutescens)
- 別名:マンジュギク、キダチカミツレ (和名:モクシュンギク ・木春菊)
- 園芸分類:低木状多年草 / 耐寒性(弱い)、耐暑性(やや弱い)
- 草丈・樹高:30~80cm
- 苗の植え付け:3月~5月、9月~10月(市販の苗が流通する)
- 植え替え:3月~5月、9月~10月
- 挿し木:5月~6月、9月~10月
- 開花期:11月~6月中旬
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
気象庁ホームページ:地域別の気候情報はコチラ https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/cgi-bin/view/index.php
- 特徴
- 日本へ渡来したのは明治時代です。高温多湿や寒さに弱く、国内の気候に適応できないため、初期は温室栽培が中心でした。やがて大正時代になって、屋外での栽培法が確立されてからは温暖な太平洋沿岸中心に、切り花用に広く栽培されるようになりました。
- 丈夫で育てやすいのですが、夏の高温多湿と寒さにやや弱いので、年間を通して地植えで育てるのには少し難しい植物です。しかし、全体的に草丈の低い品種が多いので、鉢植えやコンテナ栽培で育てる楽しさが満喫できます。
- 毎年花を咲かせる多年草で、年月を経ると株元の茎部が樹皮のようにゴツゴツしてきます。その姿から木春菊(モクシュンギク)の和名がついています。清楚な白い花を咲かせます。他にもクリーム色、黄色、ピンク色、淡いオレンジ色、赤色があります。花形は、一重咲き、丁字咲き、八重咲きなどがあります。
花壇よりコンテナで育てるのが一般的
- 用土 水はけのよい砂質の土が適する
- 鉢植えの場合、市販の草花用培用土、または赤玉土(小粒)5:腐葉土3:川砂(パーミキュライトでも可)2:の割合で混ぜ込んだ土を使います。酸性土壌を嫌うので、苦土石灰(1リットル当たり1g)を混ぜ込んでおきます。
- 地植えの場合、酸性土壌を嫌うので、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰(1㎡当たり100~200g)を混ぜ込んでおきます。さらに、植えつけの1週間程前に、土壌改良用の牛ふん堆肥または腐葉土を(1㎡当たり2~3kg)混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。(用土に、市販の草花用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう)鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、開花中は月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥としてリン酸分の多い緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、開花中には、1~2ケ月に1回緩効性化成肥料を置肥、または月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。
- 植物の根に直接肥料が触れないように注意します。真夏(7月~8月)や冬季(休眠期)の施肥は控えます。(一般的な共通ポイント)
- 植え付け
- 適期は、3月~5月、9月~10月です。
- 冬から春には、ポット苗や鉢植えが出回るので、まずは一回り大きな鉢か花壇に植え付けます。暖地であれば栽培が可能ですが、夏の高温多湿を嫌うので、夏の強い日差しが当たらない半日陰になる場所を選んで定植しましょう。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。冬場に出回っている小さな鉢植えは、根詰まりしているものが多いので根鉢を崩さずに、一回り大きな鉢に植え替えます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(株間は20~25cm)
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。冬場に出回っている小さな鉢植えは、根詰まりしているものが多いので根鉢を崩さずに、根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。(株間は25~30cm)
- 植え替え
- 適期は、3月~5月、9月~10月です。夏越し、冬越しができたときは植え替えが必要です。
- 鉢植えの場合、根詰まりを起こしやすいので毎年植え替えましょう。根鉢を1/3程軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土と元肥を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。適期以外に植え替えるときは、根鉢は崩さずに植え替えます。
- 地植え場合、夏越し、冬越しができたときは、2~3年に一度は植え替えをしましょう。その際に根の手入れをしてやると、株が若返り花付きがよくなります。
- 挿し木
- 適期は、5月~6月、9月~10月です。
- 芽先から10cm程で切り取り、3~4枚の葉を残して下部を切り除き、水に2時間ほど浸けます。挿し穂を作る時の注意は、切り口は斜め45度、または左右両面からくさび形に切ります。さす深さは、挿し穂が倒れないように2cmくらいです。
- マーガレットは、株が大きくなると夏の暑さで枯れることがあるので、理想は春に挿し木して夏越えさせるとよいでしょう。
関東以西では霜に当てなければ地植えも可能
- 手入れ
- 刈り込み→地植えしてから年数を経た古株は、翌年に新しい枝葉を出させるために、9月頃に草丈の半分くらいを、刈り込んでおきましょう。
- 切り戻し→花後の5月中旬から6月中旬に、秋の手入れは、9月中旬~10月中旬頃が適期です。枝先を半分くらいの深めに切り戻してやります。これを、挿し木をする際に利用します。枝先の3分の1程度を軽く切り戻します。切り戻しをすることで梅雨時から夏場にかけて株の中が蒸れやすい時期の風通し対策になります。鉢植えの場合も、長く伸びすぎたものは切り戻しをしますが、10月下旬以後の遅い時期の切り戻しは、翌年の開花が遅れることがあるので、早めに9月中には作業しましょう。
- 摘芯・新芽を摘む→草丈が15cmくらいになったら、新芽を摘み取りわき芽を出させるようにします。そうすると、わき芽が増えて花数が増え、株のバランスもよくなります。
- 病気→立ち枯れ病は茎葉に斑点ができて枯れてしまう病気で、高温多湿の梅雨時から夏にかけて発生しやすい病気です。発病すると、完治は難しいので、株を根から抜きとって処分します。
- 害虫→アブラムシ、センチュウ、ハダニ 見つけ次第に殺虫剤で駆除します。増殖すると、生長によくありません。特にセンチュウは、土中の根に寄生するので発見し難いヤッカイな害虫です。寄生されると薬剤での駆除は難しく、徹底するなら土中に薬剤を散布しておくことで、ある程度は予防できます。
※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。
- 水やり
- 鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらタップリと与えます。やや乾燥気味の土壌を好むので、与えすぎないように注意しましょう。
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。しかし夏場の高温多湿を嫌うので夏の強い日差しを避けて、コンテナを半日陰に移動しましょう。
- 梅雨時から夏までの長雨も嫌うので、軒下などに移して雨に当たらないようにします。