ムベ ハーブ-アケビに似た実のつる性常緑低木-イパネマおやじ
ムベ (Japanese staunton vine) は、ムベは本州の関東以西から四国、九州の山野に自生するアケビ科のツル性植物で、アケビによく似た実を付けます。ムベは、アケビと異なり自家結実性で、1株で結実しますが雄花が先に開花するので、雄花を摘み採り冷蔵庫で保存して、雌花が咲いたら花粉を受粉させてやります。アケビの人口受粉も同様です。果実は鶏卵より少し大きなサイズで、秋になり熟すると暗紅紫色になります。
ムベは熟しても果実が裂けない
- 分類:アケビ科ムベ属 / 原産地:本州の関東以西、四国、九州から朝鮮半島、台湾、中国
- 学名:Stauntonia hexaphylla
- 別名:トキワアケビ、(漢字表記 郁子)
- 常緑つる性木本・半耐寒性 / つる丈:
- 開花期:4~5月 / 栽培方法:地植え(生垣)、鉢植え(園芸品種)
- 特徴
- 名前の由来は諸説あります。その昔、天智天皇が近江の国八幡に行幸したとき、老夫婦に長寿の秘訣をたずねたところ、秋に採れるこの果実を食するからだと答えたそうです。これを聞いた、天智天皇が”むべなるかな”(宜なるかな)といわれたのが始まりだといわれています。
- 4~5月にかけて萼(がく)が花弁状になった小花が、5輪前後固まって葉のつけ根に咲きます。花色は白色~薄いクリーム色で中心に紅紫色の筋が入っています。葉は、小さな葉が集まって掌状複葉になっています。
- 葉は固く光沢があり、掌状複葉で幼木のときの小さな葉が、株の生長と共に3枚ー5枚ーと増えて実の成る頃には7枚になるので縁起がよい樹とされています。別名を、トキワアケビと呼びトキワは常盤と書きます。(常緑の意味といわれます)アケビが落葉するのに対し、冬期でも常緑です。
- 園芸品種として緑陰樹として棚仕立てなどに利用され、鉢植えとしても流通しています。
- アケビとの大きな違いは、アケビは落葉性で果実が割れますがムベは割れない、そして常緑性であることです。
「むべなるかな」の語源といわれるハーブ
- 適応
- 利尿、駆虫
- 料理・飲み物で楽しむ
- 新芽はおひたし、果肉はフルーツとして
- 用土
- 土質は選びませんが、適度な湿り気のある土壌を好みますが半日陰でも育ちます。但し、花付きは悪くなります。根元に直射日光が当たる場所や乾燥する場所は好みません。
- 肥料
- 1~2月に、鶏糞などの有機肥料を株元に与えます。肥料を与えすぎると、新鞘ばかり伸びて花芽がつきにくくなります。
- タネまき
- 果実を収穫したら、種子を取り出したらスグにまくか、保存して翌年の春にまきます。結実するまで数年かかります。
- 挿し木
- 3月下旬頃に前年に伸びた、最も新しい枝を2~3節の長さで切り、葉を三分の二程、切り落として用土に挿します。
- とり木
- 適期は4月です。
- ツルを地面に伏せて上から土を盛ります。やがて根が出てくるので、切り離して植え付けます。また、表皮をグルリと一定の幅剥がして、そこに湿らせた水苔を巻きつけて上からビニール袋をかぶせて乾燥させないように管理します。
- 切り離しのタイミングは、ビニール袋の中の根がみえたら大丈夫です。
- 植え付け
- 適期は3月です。肥沃な土を好みますので、腐葉土や堆肥を混ぜ込んでおきましょう。
実は不老長寿の霊果として尊ばれた
- 水やり
- 土の表面が、乾いたらタップリと与えてください。
- 手入れ
- 2年目のツルから伸びた新しいツルに花芽を付けます。
- 1つの花芽に1~3個の花房をつけ、各花房に雄花と雌花がつきますが肥料が不足すると雄花だけが出ます。樹勢が強いので何にでも巻きつき、ヒコバエが多数でるので主枝にするもの以外は早めに刈り取り、7月頃には節間の詰まった8節くらいで摘心しましょう。
- 剪定→翌年の春になって、混み合わないようにして実を付けさせたい新鞘は4~5節残して先端を切り取ります。
- 摘果する→着果量が多過ぎると多量の栄養分が使用され、花芽が分化するための養分が不足して花芽が少なくなり翌年の結実が不足します。適期は5月上旬です。
- 病気→特になし
- 害虫→特になし
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- 収穫
- 果実の収穫は10~11月です。
- 日当たり
- 日当りがよく、適度な湿り気のある土壌を好みます。根元に直射日光が当たる場所や、乾燥する場所は好みません。