つるバラを育てる-2 バラの園芸・作業-フェンスに絡まり花を咲かせる-イパネマおやじ
つるバラは枝が長く伸びて、そのため株が自立することが難しいので、支柱への誘引が必要です。壁面やフェンス、オベリスク、アーチなど色々な方法があります。ここでは、前頁の「つるバラを育てるー1」に引き続き、紹介していきます。
つるバラの栽培と仕立て方
- アーチにつるバラを仕立ててみたい!という夢は、バラ好きの人であれば一度は持った経験があると思います。
- そこで、何を植えるかとなると大いに迷うところですよね。左右に別々の品種を植えるのも王道ですが、壁面などのように広範囲に、余裕のある空間があればよいのですが、アーチは限られた空間になるので、単一の品種の方がバランスもよく安定感もあるので、私は1種類にしています。
誘引の基本作業
つるバラは12月中旬から1月が誘引の時期です。古枝や細枝、不要な枝を切り取り、残る枝の先を約20cm切って、なるべく水平に誘引します。
「よい枝から優先的に曲げる」のが基本です。やはり、咲き方が一季咲きの性質が多いつるバラは、春の花期が見せ所なので事前の手入れは大切です。
誘引したら剪定する
- 切った個所から枝が伸びて、その枝に花をつけるので全ての枝を切り戻して、花を多く咲かせるようにします。
- 枝全体のバランスを確認しながら、新芽の上で切り戻す。
- まだ赤味のある未熟な枝は、堅くてしっかりした枝の部位まで切り戻す。
- 込み入った枝や、徒長枝、交差枝、枯れた枝などは取り除きます。
アーチなど誘引する支柱を設置する
庭の入口やアプローチなど、住居のポイントにもなる場所に、小さめのアーチを設置してみましょう。樹高2~3mの品種が適します。
植える品種を、アレコレ迷いながら選ぶのも楽しみなものです。しかし、実際の作業になると、適さない品種を選ぶと手間のかかるものです。
基本的には、一季咲き品種は春のみ開花するので、夏以降は全ての栄養を枝の生長に使います。そのため、枝はスラリと伸びて節の無い枝になります。
一方、返り咲くタイプは、春以降も花をつけるので、枝の生長を一旦止めて開花のために栄養を使います。そうすると、枝には節ができて徐々に堅くなっていきます。ということは、枝が曲がりにくくなるのです。
※ バラの手入れや病害虫の防除⇒トップページの「バラの園芸・作業」をクリックしてください。
一季咲きは枝が柔らかく、返り咲くほど枝が堅くなる
- アーチに適した品種
- アンジェラ、カクテル、ジャスミーナ、つるオレンジ・メイアンディナ、つる桜霞、つる聖火
- ピエール・ドゥ・ロンサール、レオナル・ド・ダヴィンチ、ローゼンドルフ・シュパリーホープ
壁面やトレリスなどの支柱に誘引する
壁面やトレリスは高さや幅が様々ですが、高さは低い状況が多いですネ。それぞれのサイズに合わせた、樹高(伸長力)に応じた品種を選ぶことが大切です。
住居の周囲に張り巡らせる場合は、数種類のバラを選んでみるのも面白いですね。伸長力のあるハイブリッド・パペチュアやランブラーローズでも誘引できます。
- 壁面、トレリスに適した品種
- アンクル・ウォルター、アンジェラ、ウルマー・ミュンスター、つるカクテル
- つるゴールド・マリー、つるピース、フラウカール・ドルシュキ、ロココ、新雪
ポール、オベリスク仕立て
ポール、オベリスクの大きさに合わせた伸長力で、枝が柔らかくてらせん状に巻きつけやすい品種を選ぶ必要があります。ということは、一季咲き性のバラが適していることになります。
他にはシュラブ系で、半つる性のオールドローズやイングリッシュローズも利用できます。
- ポール、オベリスクに適した品種
- レディ・ヒリンドン、アンジェラ、カクテル、スーパー・エクセルサ、つるオレンジ・メイアンディナ
- レオナルド・ダ・ヴィンチ、グラハム・トーマス、ピエール・ド・ロンサール
ベッド仕立て
50~70cm程の床上げ式のようなベッド状の棚をつくり、その上にバラを誘引する仕立て方です。
- ベッド仕立てに適する品種
- 花枝が短い品種が最適ですが、つるバラであれば特に品種を限定する必要はない仕立て方です。
- サイレンス・イズ・ゴールデン、フラウカール・ドルシュキ
⇒つるバラを育てる・シリーズ(ページリンク)→ つるバラを育てるー1|つるバラを育てるー2| つるバラを育てるー3
園芸メモ・バラの栽培用語:花芽⇒生長すると花になる芽のこと。