ブーゲンビリア 季節の花-花びらのように見える苞をつける-イパネマおやじ
ブーゲンビリア (Bougainvillea) は、南米に14種が分布する蔓性の常緑低木です。春~秋の鉢花として広く育てられています。温暖地では、露地植えにして庭木として栽培することもできます。適温であれば開花するので、植物園の温室などでは、一年を通して花を観ることができます。
南米原産の鮮やかな色合いの花木です
- 分類:オシロイバナ科・イカダカズラ属 / 原産地:南米
- 学名:Bougainvillea
- 別名:いかだかずら(筏葛)
- 園芸分類:つる性熱帯植物 / 耐寒性(やや弱い)、耐暑性(強い)
- 草丈・樹高:50~300cm
- タネまき:種の流通がない。苗が育つまで数年を要するので、苗を購入するのが一般的です。
- 苗の植え付け:4月~6月(市販の苗が流通する)
- 植え替え:4月~6月
- 挿し木:6月~7月
- 開花期:4月~10月(年に3~4回開花する、品種により異なる)
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
- 特徴
- 日当たりは、欠かせませんので午前、午後のいずれか半日程度は日の当たる場所で育てましょう。日光不足になると、花が落ちやすく生育も悪くなります。
- 真夏の時期など、曇天の日が続いた後に、急に強い日差しを浴びると、花や葉が日焼け障害をおこすことがあります。徐々に慣らすように管理しましょう。
- 鉢植えの場合は、場所を移動。地植えの場合は、寒冷紗などを使い日差しをさえぎる工夫をします
- 花びらのように見えるのは、苞(ほう)という葉の一種で、花の本体は開いている先端の、筒状の部分です。更に正確にいうと、花びらは持たず筒状の部分は、萼(がく)ということになります。
- 品種改良されて、花色(苞)も白、赤、紫、すみれ色、オレンジ、ピンク色など多数の品種があります。(画像の品種は、サンデリアーナ)
- 近縁種
- サンデリアーナ ( Sanderiana ) → 苞の色がすみれ色で最も普及している品種の1つ、園芸品種。
- ヴァリエガタ ( Variegata ) → 葉に黄色や乳白色の模様が入る、斑入りブーゲンビリアとも呼ばれる、園芸品種。
- グラブラ ( B. glabra ) → ブラジル原産で、茎に太いトゲを持つ。照り葉で、和名はテリハイカダカズラと呼ばれる。
- スペクタビリス ( B. spectabilis ) → ブラジル原産、先端の曲がったトゲを持つ。苞は赤、ピンク、紫色で葉は波打つ。
- バッティアナ ( B. × buttiana ) → グラブラとペルビアナの雑種で、苞が大きく美しい品種で鉢植えに適する。
- ペルビアナ ( B. peruviana ) → 苞の色はピンク~マゼンタで丸型。トゲは短くて真っ直ぐ、一年に数回開花することもある。
乾燥した環境と土壌を好む
- 用土
- 水はけがよく肥沃な土壌を好みます。粘土質の土や、湿り気のある場所は避けましょう。
- 鉢植えの場合、赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ合わせた土が適しています。
- 水はけをよくするには、赤玉土(中粒)5:腐葉土:3軽石2の割合で混ぜた土を利用します。
- 肥料
- 生育期の4月~10月の間は、2ヶ月に1回程度で少量の固形肥料を施します。肥料が効いていると、枝葉の生長は著しいが花芽はつけません。
- 苗の植え付け
- 適期は、4月~6月です。
- 植え替え
- 適期は4月~6月です。
- 根の生長が活発で、鉢内が根詰まりしやすいので、1~2年に1回は大きめの鉢に植え替えします。
- 挿し木
- 適期は6月~7月です。
- 当年に伸びた枝で、生長が止まって堅くて丈夫そうなものが、根が出やすいのです。10cm位に切った枝を、約1時間ほど水に浸して、吸水させます。
- ピートモスや川砂を入れた鉢に挿して、土壌が乾かないようにビニール袋で覆っておきます。明るい日陰に置いて、乾かないように管理すると40日位で発根します。生長をはじめたら、少しずつ明るい場所に慣らしていきます。
水はけがよく肥沃な土壌を好む
- 水やり
- 生育期の4月~10月の間は、土が乾いたらタップリと水を施します。
- 若い枝が十分に生長する時期に、乾き気味で葉がしおれる位まで待ってから、水やりをした方が花つきがよくなります。理由は、乾湿の差がある方が、花芽がつきやすい性質だからです。開花期は、しおれない程度に控えめに施しましょう。
- 晩秋から冬の時期は、生長が停滞するので水やりを控え、乾燥気味にしましょう。ブーゲンビリアの性質に対応した、水加減で花つきがよくなるように調整します。
- 手入れ
- つるが伸びるので支柱をたてて絡ませます。
- 花後の枝は2~3節を残して切り落として、新しい芽が発生するようにします。新たに伸びた枝でも、勢いが強すぎて株を乱すものは切り詰めましょう。
- 花をつけるのは、充実した若い枝です。温室栽培は問題ないのですが、屋外での自然環境下では5月~10月が開花時期です。
- 花がつくのは、主に短い枝です。長く間延びした枝には花はつかないので、短い枝を多数発生させるようにすると、花つきもよくなります。
- 病気→なし
- 害虫→春先にアブラムシが発生しやすいので、葉裏をマメに点検して、発生したら薬剤散布をします。
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- 日当たり・置き場所
- 日当たりのよい場所を好みます。日当たりが悪いと枝が間延びして、花つきも非常に悪くなります。
- 鉢植えが開花している時、室内に取り込むと日照不足になり花が落ちることもあります。常に日に当たる状態を保つことが栽培のポイントです。
- 熱帯植物の割には、比較的寒さには強いが、屋外で冬越しができるのは5℃が境界線で、凍結や霜には耐えられません。
- 鉢植えの場合、冬の間は室内や軒下の日当たりのよい場所に置きます。冬越しの後、遅霜がなくなった5月頃に、屋外に出して日差しに当てます。
- 開花中は、場所の移動など環境が変わると、花が落ちやすいので注意しましょう。