シャクナゲ 季節の花-低木で育てやすく庭木として人気がある-イパネマおやじ
シャクナゲ (Rhododendron) は、春になると白色やピンク、ローズ色の花を咲かせ、その美しさから花木の王様と呼ばれます。ここに掲載したシャクナゲの画像の品種は「桜狩」です。
本来は高山植物だが平地でも育てられる
- 分類:ツツジ科ツツジ属 / 原産地:日本、ヒマラヤ周辺、北米東部
- 別名:(漢字表記・石楠花))
- 学名:Rhododendron spp.
- 英名:Rhododendron
- 園芸分類:常緑広葉中木
- 草丈:2~3m
- 開花期: / 栽培方法:地植え、鉢植え
- 撮影:神代植物公園 2018年4月
- 特徴
- シャクナゲは、東北地方から本州全体に分布する高山植物です。山地帯から亜高山帯に自生しています。原産地は、ヒマラヤ地方からチベット、中国の雲南省などの、標高3~4千メートルある場所が原産地とされています。現在では、世界各地全体では1000品種近くあるといわれ、園芸品種として広い地域で栽培されています。
- 樹高は2~3mの中低木で、4~5月頃に、花冠は5裂して10個の雄しべがある花を咲かせます。葉は長楕円形で光沢があります。
- 属名は、ギリシャ語のrhodon(バラの意味)、dendron(樹木の意味)の合成語で「赤い花をつける木」というのが語源になっているそうです。園芸分類ではツツジ科になっていますが、シャクナゲとツツジの区別はあまり明確ではありません。細かくいえば、シャクナゲの場合は空中湿度が高くて、しかも夏季の気温が低い場所にのみ自生しているのが特徴です。
- 用土
- 水はけがよく保水性のある土壌を好みます。シャクナゲは酸性土壌を好み、地表近くに多くの細い根を張るので、地植えの場合は水はけのよい酸性土壌を選んで定植しましょう。
- 鉢植えの場合、市販の山野草専用培養土やツツジ専用土があります。もしくは、赤玉土(小粒)7:鹿沼土3の割合に腐葉土を混ぜ合わせた土でもよいでしょう。保水性を高めるために、バーミキュライトやピートモスを2割程混ぜ込んでもよい。
- 地植えの場合、定植する場所の土をよく耕して腐葉土を混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- 施す適期は、3~4月の開花時と、9~10月に緩効性化成肥料を、株元に置いてやります。
- 鉢植えの場合、植え付けの時に用土の中に緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。
- 植え付け・植え替え
- 適期は、春が3月~5月上旬、秋が9月中旬~10月です。春に植える場合、なるべく芽の伸び始める前に行います。
- 鉢植えの場合、葉が小さかったり、葉色が悪く水はけがよくないのは根詰まりを起こしています。2年に1回を目安に、大きめの鉢に植え替えてやります。
- 地植えの場合、定植して活着したら植え替えの必要はありません。
- 接ぎ木
- 適期は芽出し直前の2月~4月です。前年の充実した枝を7~8cmに切り、葉が4~5枚残して下葉を落とします。残した葉を半分にカットして、台木には暑さに強いアカボシャクナゲを用います。
- 挿し木
- 適期は、空中湿度の高い6月か、新梢の堅くなる9月です。
国内に自生するシャクナゲと西洋シャクナゲは区別されている
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。根が細く極端な乾燥には弱いので、夏は涼しい朝と夕方の2回を目安に与えます。
- 地植えの場合、基本的に夏以外は必要ありませんが、冬の極端な乾燥をする日や、夏の高温期には土壌が乾き過ぎないように、朝か夕方に葉水を兼ねてタップリと与えます。
- 花がら摘み→花後はスグに、花茎の基部から花がらを摘み取りましょう。放置したままだと、果実(タネ)ができることで新しい枝が伸びるのが遅れ、株の充実が遅れ花芽がつきにくくなります。
- 芽かき→適期は4月中旬~7月中旬です。性質上枝数が少なく、剪定を行うと芽が伸びないことがあるので。芽かきを行うことで樹形を整えます。春に新芽が伸び始めたら柔らかい時期に、かき取ることで複数の脇芽が伸びます。
- 病気→褐斑病、花腐菌核病、ペスタロチア病
- 害虫→ベニモンアオリンガ、ハマキムシ、アブラムシ、グンバイムシ いずれも4~6月と、9~10月に発生します。
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- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。
- 鉢植えの場合、西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。鉢を移動してやりましょう。
- 地植えの場合、定植前に西日の当たらない場所をよく見極め、それでも日当たりが厳しい場合は、寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。