アネモネ 季節の花-秋植えの球根植物-イパネマおやじ
アネモネ (Windflower) は、開花期になると赤色や青紫色、他にもさまざまな色合いの花を賑やかに咲かせる、秋植えの球根植物です。一本の茎に一つの花を咲かせる特徴ある花で、一重咲きや八重咲き矮性のものなど多くの品種があります。
秋に球根を植えて春に咲く花
- 分類:キンポウゲ科イチリンソウ属 / 原産地:地中海沿岸
- 別名:ボタンイチゲ(牡丹一華)
- 学名:Anemone coronaria
- 園芸分類:多年草(球根) / 耐寒性(強い)、耐暑性(弱い)
- 草丈・樹高:20~40cm
- 球根の植え付け:10月~11月
- 植え替え:10月~11月
- 掘り上げ(分球):花後の6月~7月
- タネまき:25℃以上ではほとんど発芽しにくい。球根の購入をお奨めします。
- 開花期:2月~5月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。
- 特徴
- アネモネの仲間は、主に温帯~亜熱帯にかけて約120種が分布しています。その栽培の歴史は古く、原産地の地中海沿岸から広い地域で栽培されるようになったのは、十字軍の遠征がもたらしたとされます。日本へ渡来したのは明治初期で、広く栽培されるようになったのは昭和になってからです。
- 近縁種
- 園芸分類上でアネモネと呼ばれているのは、アネモネ・ホルテンシス(Anemone hortensis)やアネモネ・パボニナ(A. pavonina)に、これらが元で交雑により出来たといわれるアネモネ・フルゲンス(A. x fulgens)があります。更にアネモネ・フルゲンスが交雑した中から、選択されされたのがアネモネ・コロナリア(A. coronaria)とされています。
- アネモネ・フルゲンス(A. x fulgens)→花色は緋色で雄しべは暗紫色です。草丈25~30cmです。
- アネモネ・ホルテンシス(Anemone hortensis)→花色はマゼンタ色、紺色の雄しべとのコントラストが美しい。草丈は15~25cm。
- アネモネ・コロナリア(A. coronaria)→多彩な花色がある。草丈30~40cm、花色は白色、青色、紫色、赤色などがある。
花後に球根を掘り上げる
- 用土
- 酸性の土壌を嫌うので、地植えの場合は土質の調整をしましょう。
- コンテナの場合、市販の草花用培養土または赤玉土(小粒)6:腐葉土3:パーライト1(他には、赤玉土・小粒7:腐葉土3:など)の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰(1㎡当たり100~200g)を混ぜ込んで中和しておきましょう。さらに、植えつけの1週間程前に、腐葉土か完熟発酵させたバーク堆肥などを(1㎡当たり2~3kg / 2~3割位の配合比率)混ぜ込んでおきます。(更に水はけの悪い土壌は、川砂などを1~2割混ぜ込む)
- 肥料
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。追肥が必要なので、芽が出たら、10月~3月の間、週1回のペースで液体肥料を施します。
- 地植えの場合、元肥として有機質肥料の鶏ふんなどを混ぜ込んでおきます。芽が出たら、追肥が必要な場合は、液体肥料を月1回、施します。(地植えの場合、基本は追肥の必要ない)
- 植え付け・植え替え
- 適期は、10月~11月です。球根の尖っている方を下に、平らな方を上向きにして覆土をします。
- アネモネの球根は、カラカラに乾燥しているので、そのまま土壌に植えつけると短時間で一気に吸水してしまい腐りやすくなります。これを防ぐには、川砂やバーミキュライトを湿らせておき、球根の上部を下にして全体が埋まるようにして、徐々に吸水をさせます。期間は1週間、涼しい場所で保管して、その後植えつけます。または、湿らせたキッチンペーパーなどに包んで冷暗所で管理して、ペーパーが乾燥したら直にスプレーで湿らせ軽く給水させます。
- コンテナの場合、植穴を指で掘って球根が軽く隠れる程度の浅植えにします。複数個を植える場合、株間は10cm程あけます。植え付け直後は水やりを控え、土が乾いたら施しましょう。
- 地植えの場合、深さ3cm位、球根同士の間隔は15~20cmが目安。植え付け直後は水やりを控え、土が乾いたら施しましょう。
- 掘り上げ・分球
- 適期は、花後の6月~7月です。
- コンテナの場合、数年は植えっ放しでもよいが、花後に葉が枯れたら雨の当たらない場所へ移します。
- 地植えの場合、アネモネは多湿を嫌うので、梅雨前には掘り上げるようにします。枯れた茎を切り取り、涼しい場所で保管。夏を越して、秋になったら植えつけます。
多湿を嫌うのでやや乾燥気味に育てる
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。過湿を嫌うので、毎日習慣として水を施すのは避けましょう。夏になり葉が枯れて休眠している期間は水やりは必要ありません。
- 手入れ
- 花がら摘み→花後の枯れた花茎だけを切り取ります。葉の部分は、まだ生育のために必要なのでそのままにしておきましょう。
- 病気→白絹病
- 害虫→センチュウ
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。
- 5℃以下の気温に1ヶ月以上当てないとツボミが出来ない性質なので、鉢植えを室内などの常時暖かい場所に取り込むのは、気温が低下する12月頃がよいでしょう。