ハボタン 季節の花-寒くなると色付く葉を観賞する-イパネマおやじ
- ハボタン (Ornamental kale) は、冬の花壇ではお馴染みの植物ですね。葉を鑑賞して楽しむカラーリーフです。不結球キャベツの栽培変種で、草丈20~30cm、茎はとても太くなり外側は緑色で、中心の葉色は白色、クリーム色、ピンク色、紅紫色を帯びてきます。美しい葉姿が牡丹の花に似ていることから「葉牡丹」と名付けられました。冬の期間は茎が伸びないので、キャベツのような形をしていますが暖かくなると茎が伸びて、菜の花のような黄色い花を咲かせます。
- 矮性種も多数流通するようになり、鉢植えやコンテナで育てる方も多いようです。また、茎が長くなる高性種は切り花用としても利用されています。
花の少ない時期が鑑賞期のカラーリーフ
- 分類:アブラナ科アブラナ属 / 原産地:ヨーロッパ
- 別名:オーナメンタル・ケール(ハボタン・漢字表記:葉牡丹)
- 学名:Brassica oleracea var. acephala
- 英名:Flowering kale, Ornamental kale
- 園芸分類:一年生草本(原産地では多年草扱い) / 耐寒性
- 草丈:20~80cm
- 開花鑑賞期:10月中旬~3月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 特徴
- 原産地のヨーロッパでは、古来より野菜として扱われていたようです。日本へは、江戸時代にオランダより渡来したとされています。当初は食用として栽培されていましたが味の面で食用としては不向きで、江戸時代末期には観賞用としても栽培されるようになりました。明治時代中期になると本格的に園芸品種としての改良が行われるようになりました。
- 近縁種
- ちりめん系→ちりめん系は、葉の縁が細かくフリル状になっている。名古屋で作出された品種で、根の生長が他のものより弱く花壇などの寄せ植えには適さない。鉢植えの栽培が一般的です。薄紫色の葉が重なって広がる。代表品種は「紅かもめ」。
- さんご系→ロシアから渡来した品種。切れ葉ケールと丸葉系を交雑して更に丸葉系を交配して作出された品種。葉に細かい切れ込みが入り、観賞用として人気があります。代表品種は「紅孔雀」、「白さんご」。
- 丸葉系→東京丸葉系は、江戸時代から栽培されている。葉が丸く、キャベツに似た草姿で寒さや暑さに強く栽培しやすい。別名は江戸葉牡丹で、葉の外側が白色、中心が薄紫色。代表品種は「日の出」。大阪丸葉系は、東京丸葉系とちりめん系の交雑種で、葉の縁がゆるやかに波打ち、葉の発色もよく育てやすい品種が多いです。代表品種は「つぐみ」。
肥料はチッ素分を控えめに
- 用土
- 水はけと水もちのよい有機質の肥沃な土壌を好みます。
- 鉢植えの場合、赤玉土(中粒)6:腐葉土3:くん炭1の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、土をよく耕して腐葉土に石灰をを混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- チッ素分が多すぎると発色が悪くなるので、肥料の三要素がバランスよく含まれたものを施します。追肥の必要はありません。(10月以降土に肥料分が残っていると発色が悪くなる)
- 鉢植えの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を少量だけ混ぜ込んでおきます。生育状態を見ながら,徒長気味であれば9月までは液体肥料を施します。
- 地植えの場合、植えつける前に元肥として緩効性化成肥料と有機質肥料の堆肥を少量だけ混ぜ込んでおきます。
タネまきは夏の暑い時期にしましょう
- タネまき
- 適期は7月中旬~8月上旬です。夏期のタネまきは暑いので、時期をズラしたくなりますが、冬までに株を太らせないと越冬できないのでこの時期に実施して、正月頃の鑑賞期に間に合わせましょう。
- 育苗箱にまいて、乾燥しないよう管理します。本葉が2~3枚になったら、ビニールポットに仮植えして半日陰の明るい場所で育てます。9月頃になり根が回ってきたら定植します。
- 自家採取した種子では、親族と同じ草姿には育ちません。流通しているタネや苗の多くが、一代交配種だからです。
- 植え付け
- 苗の植えつけ適期は、9月中旬~12月中旬です。
- 株間は20~25cm程空けて植えつけます。株元の葉のない茎を、深植え気味でもよいので先を揃えて植えます。
冬枯れの時期に彩を添えてくれる
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。
- 地植えの場合、植えつけ2週間程経てば特に必要ありません。
- 手入れ
- 枯れ葉を摘みとる→株が生長してくると、下葉が弱ったり霜に当たって枯れたりするので取り除きます。
- 病気→特になし
- 害虫→ヨトウムシ、アオムシ 葉が食べられることがあるので防虫ネットを張ったり薬剤散布で害虫予防します。
※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。直射日光が強すぎると、色つきが悪くなりますが冬の時期なので、状況をみながら自然にまかせてもよいでしょう。
- 苗の時期は半日陰に置いて、生長とともに日当たりのよい場所へ移します。