モモ ハーブ-神聖な果物として尊ばれてきた-イパネマおやじ
- モモ (peach) は、落葉高木で樹高は5m以上にも伸長します。苗を植えつけてから数年で成木になり、実をつけるようになります。梅雨の時期から収穫できる超早生から、9月上旬から採れる晩生種まで多くの品種があります。3月下旬~4月上旬に、白色~淡桃色の5弁花を咲かせます。
- モモは、基本的には自家結実性ですが、白桃、川中島白桃など花粉の不完全な品種もあります。植えつけの際には、花粉の健全な他の品種を混植するか、同一樹に接ぎ木をします。
日当たりのよい場所で育てる
- 分類:バラ科モモ属 / 原産地:中国北部黄河流域
- 別名:(モモ・漢字表記:桃)
- 学名:Amygdalus persica
- 英名:Peach
- 園芸分類:落葉中木 / 耐寒性
- 草丈:2~5m
- 開花期:3月下旬~4月上旬
- 栽培方法:地植え、鉢植え
- 特徴
- モモは、中国の黄河流域が原産地で紀元前より栽培されていたとされています。日本へは、古代遺跡の出土品から弥生時代に渡来したと推察されています。江戸時代には、8種類のハナモモの品種が存在していたと記述されています。
- 性質の変異が少ない植物で、タネから育てても親の性質がほぼ受け継がれます。夏の成熟期に日照量が多く、雨が少なく昼と夜の寒暖差がある地域での栽培が適しています。
- 園芸品種
- ちよまる→収穫期は6月中旬~下旬の極早生種。早生としては美味しい。
- 白桃→収穫期は、8月中旬~下旬の晩成種。味は美味、花粉量が少ないので受粉樹の混植が必要。
- 白鳳→収穫期は、7月中旬~下旬の中生種。花粉が多く、生理落下が少ない。
- 大久保→収穫期は7月下旬~8月中旬の中生種。果肉質がよく、日保ちがよい。
邪気を払う神聖な果物として尊ばれた
- 適応・(ハーブ、漢方としての適用)
- 桃仁(生薬・とうにん)→鎮咳去痰、利尿、緩下、鎮静
- 料理・飲み物で楽しむ
- 生食フルーツ、スイーツの材料、ジュース
- 用土
- 水はけ水もちのよい土壌を好みます。
- 鉢植えの場合、赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、掘り上げた土に腐葉土2~3割を混ぜ込んで、植え穴に戻します。
- 肥料
- 鉢植えの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、2月、5月、10月に野菜などの有機物や有機質肥料、または速効性化成肥料を施します。
- 地植えの場合、植えつける前に元肥として有機質肥料と堆肥を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、2月、10月に野菜などの有機物や有機質肥料、または速効性化成肥料を施します。
- 植え付け
- 適期は、12月~3月です。
- 「用土」と「肥料」の項目で準備した土壌に植えつけていきます。
- 鉢植えの場合、8号鉢以上に植えつけます。植えつけ直後にタップリの水を施したら、地表から50cm位の高さで苗木を切り戻します。支柱を立て紐で苗木を固定します。
- 地植えの場合、植え穴は根鉢の3倍の大きさで、堆肥を底に敷いて元肥を混ぜ込んだ土を植え穴に戻します。植えつけ直後にタップリと水を施したら、地表から50cm位の高さで苗木を切り戻します。支柱を立て紐で苗木を誘引します。
- 植え替え
- 適期は、12月~3月です。
- 生育旺盛で、鉢の中が根詰まりしやすいので毎年植え替えをしましょう。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。
- 接ぎ木
- 適期は、休眠芽接ぎが2月中旬~3月中旬です。秋が9月上旬~中旬です。台木と穂木は、どちらも鉛筆より太い枝だと作業がしやすいです。形成層の接着面は広く、接合部は密着するように固定します。雨水が入らないように下から上へテープを巻き上げていきます。
- タネまきから育てた苗をベースにすると、成功率が高くなります。
花色には白色と桃色がある
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いた、鉢底から少し流れ出るくらいタップリと水を施します。
- 手入れ
- 冬の剪定→適期は、12月~2月です。モモは、若い枝に実をつける性質があります。そのため夏の生育期に枝がよく伸びるように、12月~2月に枝を剪定して日当たりと風通しをよくしておきましょう。
- 夏の剪定→モモは、夏の時期によく枝が伸びるので、生長不良の枝や重なりあった枝を間引きます。誘引も合わせて行っておきましょう。
- 人口受粉→花粉の少ない品種は、人口受粉をして結実させるようにします。鉢植えは、花数が少ないので人口受粉をしたほうがよいです。
- 摘蕾→適期は、2月下旬~4月中旬です。枝に付いたツボミを摘み取ります。但し、結実しにくい品種もありますが性質を確認して必要な株は摘蕾してください。30cm以上の長い枝は、先から10cm前後の場所に付いている蕾を残して、他の蕾は摘み取ります。手でしごくように落とすと簡単に落とせます。一枝に、長いものは4~6個、短いものは2~3個残します。
- 摘果→適期は、4月下旬~7月です。まだ実が青い時期に行います。モモは、不要な実が自然に落ちる、生理落果という性質がありますが、その前後に作業するとよいです。一枝に5~6個の実が残るようにします。適期内に、1回目の摘果を生理落果の後、5月下旬~7月に2回目の摘果を行います。
- 袋かけ→病害虫の防除に効果があります。結実したら早めに袋かけましょう。
- 病気→黒斑病、灰星病
- 害虫→アブラムシ、コスカシバ、シンクイムシ
※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。
- 収穫
- 適期は、品種により異なりますが、6月~9月上旬です。果実が色づいて縫合線が広がってきたら収穫間近です。
- 日当たり
- 日当たりと適度に風通しのよい場所を好みます。