フジバカマ ハーブ-秋の七草の一つに数えられる草花-イパネマおやじ

フジバカマ (Thoroughwort) は、8月下旬頃から開花期を迎えます。草丈60~150cmで、茎頂部に長さ10cm程の散形花序を形成して、小さな頭花を多く咲かせます。頭花は花径2mm程の小さな筒状花で形成されていて、一つの頭花には5個の筒状花があり、それぞれ2本の花柱が突き出しています。

フジバカマは多年草です

秋の七草の一つで古来より栽培された

  • 分類:キク科フジバカマ(ヒヨドリバナ)属 / 原産地:日本、中国、朝鮮半島
  • 別名:ランソウ(蘭草)、コウソウ(香草)、アララギ
  • 漢字表記:藤袴
  • 学名:Eupatorium  japonicum (=Eupatorium fortunei)
  • 英名:Thoroughwort
  • 園芸分類:多年草 / 耐寒性 
  • 草丈:100~150cm
  • 開花期:8月~9月 /
  • 栽培方法:地植え、鉢植え
  • 特徴
  • 中国より渡来した多年草で、万葉集に「秋の七草」の一つとしての記述があり、奈良・平安の時代に帰化植物として定着したものと考えられます。関東以西の全域に広く自生していましたが、現在は戦後の自然環境の変化にともない、環境省の準絶滅危惧種に指定されるほど減少しています。
  • 現在は、「フジバカマ」として流通しているのは、国内の広い地域に自生している、サワヒヨドリとの交配種である「サワフジバカマ」が多いようです。
  • 近縁種
  • ヒヨドリバナ(Eupatorium chinense)→キク科の多年草で山野の日当たりのよい林縁に自生する。草丈60~120cmで、開花期は8~10月に白色の花を咲かせる。茎頂部に散房状に筒状の頭花をつける。枝茎は、長さ10~18cmで歪曲した毛が密生する。葉は対生し卵状長楕円形。
  • サワヒヨドリ(Eupatorium  lindleyanum)→キク科の多年草で湿気のある山野に自生する。草丈40~80cmで直立する。開花期は8~10月。茎頂部に散形花序をつけ紅紫色の小花を咲かせる。枝茎は長さ6~12cmで、葉は対生し幅2cm程の狭長楕円形。

フジバカマは草丈60~120cm

茎葉にはクマリンの芳香がある

  • 適応・(ハーブ、漢方としての適用)
  • 蘭草(らんそう・生薬)→利尿、黄疸
  • 料理・飲み物で楽しむ
  • なし
  • 用土 
  • 用土に、市販の草花用(山野草用)の培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので元肥は控えめにします。
  • 鉢植えの場合、鉢底には鉢底石を敷いて、市販の草花用の培養土または赤玉土(小粒)6:腐葉土4:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
  • 地植えの場合、掘り上げた土に対して腐葉土2~3割を混ぜ込んで、植え穴に戻します。
  • 肥料
  • 鉢植えの場合、寒さ対策で室内に入れる植物には、臭いの発生しやすい有機質の肥料はなるべく使わないほうがよい。
  • 鉢植えの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、3~5月、秋は9月中旬~10月中旬に緩効性化成肥料を置肥します。
  • 地植えの場合、植えつける前に元肥として、牛ふんなどの有機質肥料または緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、特に必要ありませんが葉色が悪い場合や、大きな株に育てたいなら緩効性化成肥料を施しましょう。
  • 置肥をする際には、株元は避け枝先の端下の地表部に散布する。

フジバカマ湿気のある場所を好む

  • 植え付け
  • 苗の植え付け適期は、春が3月中旬~5月、秋が9~10月です。
  • 「用土」と「肥料」の項目で準備した土壌に植えつけていきます。
  • 鉢植えの場合、9~10号鉢以上が目安です。根鉢はなるべく崩さずに丁寧に植え付けます。
  • 地植えの場合、植え穴は根鉢の3倍の大きさに掘り上げます。底に堆肥を敷いて、根鉢はなるべく崩さずに丁寧に植え付けたら、元肥を混ぜ込んだ土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施しします。
  • 植え替え
  • 適期は芽出し直前の、2月~3月です。
  • 鉢植えの場合、根がよく伸びて根詰まりしやすくなります。年に1回は植え替えましょう。根鉢を軽く崩して、伸びた地下茎を1/2程度切り取り、新しい用土と元肥を入れた一回り大きな鉢に植え替えます。
  • 地植えの場合、基本は必要ありません。それでも株が混み合ってきたら、株分けを兼ねて堀り上げます。
  • 株分け
  • 適期は、芽出し直前の2月~3月です。堀り上げたら根鉢を1/2か1/3に切り分け、丈夫なよい芽を選んで植え付けます。
     

挿し芽

適期は、5月~6月です。枝の先端を2~3節切り取り挿し穂にします。先に葉を2~3枚残して下葉は取り除き、タップリと水揚げしてから赤玉土(小粒)などの用土に挿します。水切れしないように、明るい日陰で管理しながら発根を待ちます。

フジバカマは耐寒性がある

ハーブの仕切りライン

生育旺盛で地下茎を伸ばすので植え替えが必要

  • 水やり
  • 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。
  • 手入れ
  • 特に手入れの必要はありませんが、生育旺盛なので地下茎を伸ばして、次々と芽を出して増えていきます。地下茎が他の植物の領域に侵入する場合は、地下部に仕切り板などを設置しましょう。
  • 病気・害虫→特になし

※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。

  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。半日陰でも育つが、少なくとも午前中は日の当たる場所に定植します。
  • 西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。鉢を移動してやりましょう。

ハーブの仕切りライン