カンナ 季節の花-鮮やかな花色と葉色の美しい大きな花を咲かせる-イパネマおやじ
カンナ (
Canna) は夏になると、真っ直ぐに伸ばした花茎の先端に、色鮮やかな美しい花を咲かせます。菖蒲かアヤメに似た花姿で、花弁のように見えるのは雄しべが花びら状に変化した仮雄しべです。本来の花弁は小さく、大きな仮雄しべの裏に隠れています。多くの園芸品種が作出され、様々な葉色があり、花色は白色、オレンジ色、黄色、赤色、ピンク色、複色などの多彩な花色があります。
日当たりと風通しのよい場所を好む
- 分類:カンナ科カンナ(ダンドク)属 / 原産地:中央アメリカ、熱帯アメリカ
- 別名:ハナカンナ、ダンドウ
- 学名:Canna
- 別名:ハナカンナ
- 園芸分類:多年草(球根植物) / 耐寒性(やや弱い)、耐暑性(強い)
- 草丈・樹高:矮性種40~60cm / 高性種 100~200cm
- 苗の植え付け:4月中旬~5月
- 植え替え:4月中旬~5月
- 株分け(分球):4月中旬~5月
- 開花期:7月~10月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター、抽水栽培)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。
- 特徴
- カンナは、熱帯アメリカを中心に約50種が分布するカンナ科カンナ属の球根植物です。カンナ属には1属のみだけが存在していますが、様々な種の交雑が行われ、数多くの園芸品種があります。そのグループは、草丈の低いフレンチカンナ系統と高性種のイタリアンカンナ系統に大別されます。カンナは、地下に根茎を持つ熱帯植物の多年草です。実生系の中には抽水栽培も出来る品種もあります。大きな花弁のように見えるのは、雄しべが花弁状に変化した仮雄しべで、本当の花弁は大きな仮雄しべの後に隠れる小さなものです。
- 19世紀から、様々な花色や葉色の園芸品種が作出され、世界中に広まり1000種を越える品種があるといわれます。日本へ渡来したのは、最初にショクヨウカンナ(Canna edulis)が江戸時代に渡来したとされていますが、あまり普及しませんでした。その後、明治時代になり園芸品種が輸入されました。現在では、夏を彩る代表的な花として人気があります。
- 近縁種・原種
- ダンドク(Canna indica)→カリブ諸島、熱帯アメリカ原産。カンナの原種の一つ。江戸時代に観賞用として渡来した。開花期6~10月で花色は、黄色~赤色でカンナより花形は小ぶり。草丈50~200cmの多年草。地下に塊茎を持っている。当種を親として多くの園芸品種が作出され、現在では約1000種以上があるといわれます。
- カンナ・グラウカ(Canna glauca)→中央アメリカ原産。カンナの原種の一つ。草丈80~150cmの多年草。抽水植物で、株元が水に浸かる、湿地帯などの環境を好む。開花期は6~10月で、茎頂部に花を付ける。花色は白、赤、桃色など明るい花色。
- カンナ・オキデンタリス(Canna flaccida)→熱帯アメリカ原産。カンナの原種の一つ。草丈60~200cmの多年草。開花期は6~10月で、茎頂部に総状花序を見せ、長さ5cm程の赤色の小花を付ける。
- ショクヨウカンナ(Canna edulis Ker Gawl)→西インド諸島、南アメリカ原産。和名のショクヨウカンナは、観賞用のハナカンナに対して食用とされていたことから。草丈300cm程で、土生姜に似た根茎がより太く多肉質。根茎には多量のデンプンを含む。花色は内側が赤桃色で、外側は赤い花弁の小花。開花期は6月~10月。
- 近縁種・園芸品種
- 実生系園芸品種の「トロピカル」シリーズ。園芸品種の「ビュー」グループ。などその他多数。
真夏の強い日差しでも丈夫に育つ
- 用土
- コンテナの場合、市販の草花用培用土にパーライトを2割程混ぜ込んだ土、または赤玉土(小粒)6:腐葉土3:パーライト1:の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に市販の培用土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をします)保水性と通気性のある土壌を好みます。
- 地植えの場合、植え付けの1週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して、掘り起こした土に土壌改良用の腐葉土と赤玉土などを(1㎡当たり2~3kg / 土壌の2~3割位の配合比率)を混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。(用土に、市販の草花用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう)定植後の施肥は、芽が出てから9月頃まで、月に1回程度、緩効性化成肥料を置肥、または月2~3回液体肥料を施します。
- 地植えの場合、定植後の追肥は、芽が出てから9月頃まで、月に1回程度、緩効性化成肥料か固形の骨粉入り油かすを置肥します。
- 植え付け
- 根茎の植え付け適期は、4月中旬~5月です。
- コンテナの場合、草丈の低い品種は6~7号鉢、高い品種は9~10号鉢を使う。鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土をコンテナに入れ、覆土は5cm程で植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。(6~7号鉢に1球、9~10号鉢に1球)
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に植え付けます。堆肥を底に敷いて、40~50cmの深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら覆土は10cm程で、植え付け直後にタップリと水を施します。(株間は、矮性種25cm、高性種40cm)
- 植え替え
- 適期は、4月中旬~5月です。
- 鉢植えの場合、年1回を目安に行いましょう。必要に応じて分球して、新しい用土と元肥を入れた一回り大きな鉢に植え替えます。
- 地植えの場合、球根の育ち具合に応じて植え替えと分球をしましょう。
- 分球
- 適期は、4月中旬~5月です。
- 植え替え作業と同時に行います。根茎を2~3個に分けて切り離します。
草丈60cm程の矮性種と150cm以上の高性種がある
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。
- 地植えの場合、降雨のみで基本的には必要ありません。
- 手入れ
- 冬越し→多少は耐寒性があるが、5℃以下になると休眠状態になり、0℃以下では枯れてしまいます。寒冷地の場合、秋に葉が枯れた後に、球根を堀り上げて保存しましょう。(10℃以上になると芽が出るので、5~10℃で保存)温暖地で、掘り上げないで冬越しさせる場合、秋に地際で葉茎を刈り取り、地表から30cm程盛り土をして保温します。
- 支柱たて→高性種などは茎が折れやすいので、早めに支柱を設置しましょう。
- 花がら摘み→花後の枯れた花がらは、小まめに切り取ります。
- 病気・害虫→特になし
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。