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- ペンステモン (Penstemon) の仲間は、多くの品種があり5月頃から夏過ぎまで開花しますが、大半は6~7月が開花のピークとなります。花形は、基部が筒状でラッパ形に開くものや、釣鐘状、花茎に穂状の花を咲かせるものなど多種多様です。花色は、主に白色、ピンク、紫、青紫色などが多いですね。
- 原産地は、北アメリカ西部からメキシコ、グアテマラなどの北中米地域で、日本の高温多湿は苦手な性質です。春頃から咲いて夏には枯れてしまうことが少なくありませんが、多くは常緑性で冬の緑豊かな植物として重宝です。ロゼット状で冬越しするタイプや、直立した状態で冬越しするものもあります。地上部が枯れても春には再び新芽を伸ばして開花します。それでも、夏の高温多湿や長雨による蒸れには弱い性質で、宿根草として栽培できる種は少なく、タネまきで育てるのが容易な品種は秋まきの一年草扱いとして栽培されています。
春から初夏にかけて豊富な花色を楽しめる
- 分類:オオバコ(ゴマノハグサ)科ペンステモン(イワブクロ)属 / 原産地:北中アメリカ
- 別名:ツリガネヤナギ、ヤナギチョウジ
- 学名:Penstemon
- 英名:Beardtongue, Mountain pride
- 園芸分類:一年草または多年草 / 耐寒性(強い)耐暑性(やや弱い・多湿に弱い)
- 草丈:10~100cm
- 苗の植え付け適期:春は3月~4月、秋が9月中旬~10月
- 植え替え(株分け):春は3月、秋が9月中旬~10月
- タネまき適期:春は45月~5月中旬、秋が9月中旬~10月中旬
- 開花期:5月~8月(最盛期は6~7月)
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 特徴
- ペンステモンの仲間は、北中アメリカ地域を中心として約280種が分布するオオバコ科の一年草あるいは多年草や低木です。同属のイワブクロ(Penstemon frutescens)が国内の高山地帯に自生しています。
- 多くの品種がある中で、観賞用として栽培されているのは、美しい花を咲かせる多年草タイプが主流です。そして、多くは常緑性で冬の時期にも青々とした緑を見せてくれます。暖地では夏越しが難しいが、冷涼な環境であれば夏越しが可能で、翌年の春には再び花を咲かせる種もあります。
- 近縁種・原種・園芸品種
- ペンステモン・カンパニュラ(Penstemon campanulatus)→オオバコ科の多年草。草丈40~60cmで、茎は直立する。花径2~3cmの釣鐘状で花色は白色。
- ペンステモン・ハスカーレッド(Penstemon digitalis ‘Husker Red’)→多年草。草丈80~100cmで、茎は直立する。葉は赤シソの葉色に似てカラー・リーフ・プランツとしても人気がある。開花期5~6月で、茎頂部に花径3~4cmの筒状花を咲かせる。花色は白色。
- ペンステモン・ジギタリス(Penstemon digitalis)→多年草。草丈60~90cmで、茎は拡張形。北アメリカ東部原産で、国内で最も栽培しやすい品種の一つ。花径2~3cmの釣鐘状で花色は白色~薄い紅紫色。
- ペンステモン・アメリア・ジェーン(Penstemon ‘Amelia Jane’)→イギリスで作出された園芸品種。草丈40~50cmで、ほぼ直立する。花径4~5cmの基部が筒状でラッパ形に開く。花色は赤紫色。
日照時間の長い乾燥した環境が適する
- 用土 水はけのよい土壌を好みます。
- 鉢植えの場合、市販の草花用培養土に軽石か鹿沼土(小粒)を混ぜ込んだ土か、または赤玉土(小粒)5:腐葉土3:パーライト2:の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に、市販の草花用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥を施します。
- 地植えの場合、掘り上げた土に対して腐葉土2~3割を混ぜ込んでおきます。(水はけが悪い土壌なら軽石や川砂などを1~2割混ぜ込む)
- 肥料 夏場に向けて肥料分が残らないようにする。
- 鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、開花中の5月に、月3回薄い液体肥料を施します。秋になったら、9月中旬~10月に、緩効性化成肥料を置肥します。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として少量の牛ふんを混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、開花中の5月に、月3回薄い液体肥料を施します。秋になったら、9月中旬~10月に、緩効性化成肥料を置肥します。
- 置肥をする際には、株元は避け枝先の端下の地表部にまきます。
- タネまき
- 適期は、春は4~5月、秋が9月中旬~10月上旬です。タネが細かくて好光性なので覆土は極く薄く。浅鉢かポットまきにします。浅鉢にまいた場合は本葉が2~3枚になったらポットに仮植えします。ポットに根が回ったら花壇や鉢に定植します。ポットまきも同様に、根が回ったら花壇や鉢に定植します。
- 植え付け
- 苗の植え付け適期は、春は3月~4月、秋が9月中旬~10月です。(植え替え適期は、3月、9月下旬~10月中旬)
- 「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に、植え付けていきます。
- 鉢植えの場合、鉢底石を敷き、植え付けます。定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、根鉢の2倍の穴を掘り上げます。定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。
- 植え替え
- 植え替え適期は、3月、9月下旬~10月中旬です。
- 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために鉢から根が伸び出てきたら、1~2年に1回を目安に行いましょう。根鉢を軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土と元肥を入れた一回り大きな鉢に植え替えます。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。
- 株分け
- 適期は、植え替えと同じく3月、9月下旬~10月中旬です。植え替える際に、同時に作業しましょう。地植えの場合も、数年経つと株が増えるので、株分けしましょう。
- 挿し芽
- 適期は、5~6月です。新梢の先端を2~3節の長さで切り取り指し穂にします。上部の葉を4~6枚残し下葉は取り除きます。1時間程水に浸して、清潔な用土に挿します。
多年草だが中には秋まき一年草扱いをする品種もある
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。過湿に弱いので、休眠期(夏・冬)は控えめに施しましょう。(表土が乾いてから2~3日待ってから)
- 真夏は夕方に、鉢の外側全体にタップリと水をかけて夜間温度を下げるようにします。通常の季節は朝方に施しましょう。
- 地植えの場合、基本的には必要ありません。
- 手入れ
- 切り戻し:梅雨入り前など、株が蒸れる時は混みあった枝を切り取ります。
- 花がら摘み→花後の枯れた花茎は元から切り取ります。
- 支柱たて→草丈が長くなり、茎が倒れやすくなったら支柱を設置しましょう。
- 害虫→アブラムシ
- 日当たり
- 日当たりと水はけのよい場所を好みます。
- 日当たりが悪いと花つきが悪くなったり茎が発育不良で生育しません。