スイートバイオレット 季節の花-以前は香水の原料に利用されていた-イパネマおやじ
スイートバイオレット (Sweet violet) は、細い花茎を真っ直ぐ伸ばして小さな花を咲かせるスミレ科スミレ属の多年草です。古代ギリシャ時代より、可憐な花姿と芳香が愛されてきた歴史があります。草丈10~20cmで、ランナーが匍匐して横に広がり、ランナーの節から新芽を伸ばして花を咲かせます。花色は、淡青色が目立ちますが白、黄色、ピンク色などもあります。
寒さに強いが暑さにはやや弱い
- 分類:スミレ科スミレ属 / 原産地:ヨーロッパ南部、北アフリカ、西アジア
- 別名:ニオイスミレ
- 学名:Viola odorata
- 園芸分類:多年生草本 / 耐寒性(強い)、耐暑性(やや弱い)
- 草丈・樹高:10~20cm
- 苗の植え付け・植え替え適期:9月~10月
- タネまき適期:9月~10月
- 株分け適期:5月、9月~10月
- 開花期:11月~4月
- 収穫期:11月~4月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- ※記載の各適期は温暖地での目安です。
- 特徴
- 花には、甘いフローラルな芳香があり、ヨーロッパでは古くから香水の原料などに利用されてきました。可憐な花姿で美しい花は、観賞用と共に魅力的な香りのある花としても重宝されてきました。現代では、安価な合成香料が生産されるようになったため、スイートバイオレットを原料として用いることは少ないようです。
ランナーを伸ばしながら匍匐して広がる
- 用土 肥沃でやや湿り気のある土壌を好みます
- 鉢植えの場合、市販の草花用培養土または赤玉土(小粒)6:腐葉土4:の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に、市販の草花用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので確認しましょう)
- 地植えの場合、掘り上げた土に対して堆肥や腐葉土2~3割を混ぜ込んで水はけのよい環境を作っておきます。
- 肥料
- 開花期間のチッ素分の多い施肥は控えめにする。葉柄が伸びすぎると、花が葉の下に開いて日照不足になります。
- 鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の施肥は、開花期間中に月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、花つきの様子が緩慢な場合は、開花期間中に月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。
- 肥料の3要素は、チッ素分(主に葉を生長させる)、リン酸分(花や実を生長)、カリウム分(根を生長)です。葉を生長させ過ぎないためにチッ素分の肥料を控え、リン酸分の多い施肥を心がけましょう。
- タネまき
- 適期は、9月~10月です。箱まき(セルトレーが便利)かポットまきにします。箱まきの場合は本葉が2~3枚になったらポットに仮植えします。ポットに根が回ったら花壇や鉢に定植します。ポットまきも同様に、根が回ったら花壇や鉢に定植します。
- 植え付け
- 苗の植え付け適期は、9月~10月です。
- 鉢植えの場合、鉢底石を敷き定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。株間は30cm位空けて植え付けます。
- 植え替え
- 適期は、5月、9月~10月です。
- 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、2~3年に1回を目安に行いましょう。根は細くて傷つきやすいので、根鉢をあまり崩さずに軽く古い土を落として、新しい用土と元肥を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。
- 株分け
- 適期は、5月、9月~10月です。ランナーの先端に付く子株を切り分けます。植え替えの際に、同時に作業しましょう。
冷涼な地域でも日当たりがよければ栽培可能
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。休眠期は控えめに施しましょう。(表土が乾いてから2~3日待ってから)
- 地植えの場合、基本的には必要ありません。
- 手入れ
- 花がら摘み→花後の枯れた花は茎の元から切り取ります。
- 枯れ葉の取り除き→草丈が低いので、枯れ葉が覆いかぶさって残りやすいので、小まめに取り除きましょう。
- 防寒対策→地植えの場合、関東以南の平地であれば屋外での冬越しは可能ですが、凍結する場所では、株元にマルチングするなどの防寒対策が必要です。特に八重咲き品種は寒さに弱いので対策が必要です。
- 病気→灰色かび病
- 害虫→アカダニ、アブラムシ
- 収穫
- 適期は、11月~4月です。飾り用の花を収穫しましょう。
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。
- 西日や真夏日の暑さに弱いので、直射に当たるのを避けましょう。鉢を移動してやりましょう。夏季は、鉢植えを木陰や軒下へ移しましょう。
- 地植えの場合、植えつける前に場所の環境をチェックして、それでも日当たりが厳しい場合は、寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。