ロべリア 季節の花-蝶のような可愛らしい花を咲かせる-イパネマおやじ
ロべリア (Lobelia) は、開花期になると、長く伸びた茎先の付け根から蝶のような花形をした多くの花を咲かせます。蝶のように見える花は、唇形で上唇は深く2裂して下唇は浅めに3裂しています。一般的にロべリアと呼ばれるのが、代表的な品種のロべリア・エリヌスです。秋にタネをまいて翌春に開花する一年草です。鉢植えやハンギングバスケットなどで育てられています。春から初夏まで、長く楽しめる草花です。
春から初夏まで長く咲く花
- 分類:キキョウ科ミゾカクシ(ロべリア)属 / 原産地:南アフリカ
- 別名:ルリチョウソウ、サワギキョウ、ミゾカクシ
- 学名:Lobelia
- 園芸分類:一年草 / 耐寒性(やや弱い)、耐暑性(弱い)
- 草丈・樹高:10~25cm
- 苗の植え付け:3月中旬~4月
- タネまき適期:9月中旬~10月中旬
- 開花期:4月~6月中旬
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- ※記載している各適期は温暖地での目安です。(温暖地以外の場所は、環境に合わせた栽培を確認してください)
- 特徴
- ロべリアの仲間は、熱帯から温帯の広い範囲に約400種が分布するキキョウ科ミゾカクシ属の植物です。植物分類では一年草から多年草、低木など豊富な種があります。園芸店や通販等で流通している宿根ロべリアの多くは、北アメリカ原産のロべリア・カージナリス(L. cardinalis)から作出された交雑種、園芸品種で和名がベニバナ・ギキョウと呼ばれます。
- 近縁種
- ロべリア・エリヌス(Lobelia erinus)→園芸品種の一年草ときに多年草で、別名はルリチョウソウ(瑠璃蝶草)の名称で広く栽培されています。南アフリカ原産の一年草です。一般的に流通上でロべリアと呼ばれるのは、当品種のことを指しています。草丈8~15cmで匍匐して広がる。茎上部の葉は細く、花は茎上部に円錐花序を見せ、花冠は扇形で5裂する。花色は、野生では淡い青色~紫色、栽培種では白色、ピンク、赤色がある。開花期は、5月~6月。
- ミゾカクシ(L. chinensis)→原産地は日本、朝鮮半島、中国、台湾、東南アジア。小川や水田、湿地に自生する。多年草で、茎は多数分枝して傾伏し丈は10~15cm。花は、枝上部の葉腋に単生、花冠は白色、淡い紅紫色、バラ色で長さ15mm程。果期と開花期は5月~10月。
- サワギキョウ(L.sessilifolia)→東アジア原産で、宿根ロべリアの仲間です。北海道から九州の高原の湿地帯に自生する。流通上は、宿根ロべリアではなく「サワギキョウ」と呼ばれ山野草として扱われています。直立性の宿根草で、水分の多い土壌を好むので水辺や湿り気のある花壇に向いています。
- ベニバナギキョウ(L. cardinalis)→北アメリカ原産の多年草で、アメリカ~カナダの太平洋側に分布する。川の水辺や沼地などの湿り気のある場所を好みます。茎は直立して分枝せず、葉は線形~被針形~長円形、または卵形。花は茎頂部に、長さ15~30cmの総状花序を見せ、数10~100個程の小花を付ける。花色は赤色系の派手な色合いです。多くの園芸品種の宿根ロベリアがありますが、作出された親となった種です。開花期は7月~9月。
高温多湿に弱く梅雨の時期に枯れやすい
- 用土 水はけのよい少し湿り気味の土壌を好みます
- 鉢植えの場合、市販の草花用培養土または赤玉土(小粒)6:腐葉土3:パーライト1:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、掘り上げた土に対して土壌改良用の牛ふん堆肥や腐葉土2割程を混ぜ込んで水はけのよい環境を作っておきます。(さらに水はけが悪い土壌なら川砂などを1~2割加える)(酸性気味の土壌では、植え付けの2週間程前によく土を耕して苦土石灰を混ぜ込んでおきます。1㎡当り100g→1握り)
- 肥料
- 鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の施肥は、生育の様子を観ながら月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。(真夏は控える)
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として有機質肥料か緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、生育の様子を観ながら月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。(真夏は控える)
- 植え付け
- 苗の植え付け適期は、3月中旬~4月です。春先になると苗が流通しますから、購入して植え付けるのが便利です。タネまきから苗を育てたい場合は、秋まきをします。ただし微細種子で育苗に手間がかかるので、春に園芸店などでポット苗を購入して育てるのがお奨めです。
- 鉢植えの場合、鉢底石を敷き、根鉢を軽く揉みほぐしてから植え付けます。定植したら、「用土」と「元肥」の項目で用意した先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。(株間は20~25cmが目安)
- 植え替え
- 一年草の場合は、晩秋には枯れるので必要ありません。
- 増やし方
- 宿根草タイプの場合、春か秋に株分けや挿し芽で増やします。春か秋に植え替える際には、地下の株を手で割るようにして株分けします。他にも、花後には種子が簡単に採取できるので、秋口にタネを「採りまき」することもできます。タネは微細種子なので、タネまきした後は覆土しません。
夏は風通しのよい半日陰に置く
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。過湿に弱いので、休眠期(夏・冬)は控えめに施しましょう。
- 地植えの場合、基本的には必要ありません。
- 手入れ
- 切り戻し→適期は、梅雨前に伸びすぎたり傷んだ枝を切り戻します。高温多湿に弱いので梅雨明けに枯れることが多いのですが、梅雨明けの花を切り戻しておくと夏越しが可能です。
- 花がら摘み→花後の枯れた花は茎の元にある小さな芽の上から切り取ります。
- 害虫→アブラムシ、ハダニ
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。
- 西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。鉢を移動してやりましょう。
- 地植えの場合、植えつける前に場所の環境をチェックして、それでも日当たりが厳しい場合は、寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。