グロリオサ 季節の花-つる性の球根植物-イパネマおやじ
グロリオサ (Glory lily) は、初夏から真夏を過ぎるまでの9月頃まで開花します。茎の先端近くの葉の付け根から長い花柄を伸ばし、6枚の細長い花弁を持った花を咲かせます。花弁は反り返るように開き、縁は波打つような形状の個性的な花形です。長い6本の雄しべは、四方へ広がるように伸長します。花色は、白、黄、ピンク、オレンジ、赤、褐色など多彩な品種があります。
つる性の球根植物
- 分類:イヌサフラン科キツネユリ(グロリオサ)属 / 原産地:熱帯アフリカ、熱帯アジア
- 別名:ユリグルマ(漢字表記:百合車)
- 学名:Gloriosa
- 園芸分類:球根 / 耐寒性(弱い)耐暑性(やや弱い)
- 草丈・樹高:100~180cm
- 球根の植え付け:4月~5月
- 球根の植え替え:4月~5月
- 分球:4月~5月(10月~11月に堀り上げて10℃以上の場所に貯蔵しておく)
- 開花期:6月下旬~9月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター) ※記載している各適期は温暖地での目安です。(温暖地以外の場所は、環境に合わせた栽培を確認してください)
- ※ 要注意:グロリオサの毒性・アルカロイド系のコルヒチンという有毒物質が含まれています。球根の形が、ヤマイモやナガイモに似ています。誤って食べてしまうと重度の食中毒を引き起こします。堀り上げた球根の保存をする際は、誤まって食べることがないように管理しましょう。
- 特徴
- グロリサオの仲間は、熱帯アフリカや熱帯アジアに約10種類が分布する春植えの球根植物です。葉の先端からつるを出して伸長します。土中の茎が球状に肥大化した球茎を持つ球根植物です。
- 近縁種
- グロリオサ・スペルバ(Gloriosa superba)→熱帯アフリカ原産。細長い花びらで茎は真っ直ぐに慎重して、花びらは大きな弧を描くように開きます。花色はツボミの時期は黄色で、開花が進むにつれ弁先から朱色に変わっていきます。
- グロリオサ・ルテア(G. superba ‘Lutea’)→グロリオサ・スペルバを改良した品種で、草丈は150~200cm。花色は黄色で、花弁が他の品種に比べて大きいのが特徴です。
- グロリオサ・ロスチャイルディアナ(G. rothschildiana)→赤と黄色の花びらが、鮮やかなコントラストを構成する美しい品種です。原種の一つで、多くの園芸品種の親となっています。流通数も多く広く栽培されている人気の品種です。
- グロリオサ・ミサトレッド(G. ‘misato red’)→日本で、最初にグロリオサの栽培を始めた、高知県の三里(みさと)で作出され国際的にも高い評価を受けた品種です。赤色と黄色のコントラストが際立つ、美しい花を咲かせます。草丈2mにも及ぶ高性で、枝茎はしなやかで折れにくい株になります。
春に分球して植え付ける
- 用土
- 鉢植えの場合、市販の草花用培養土または赤玉土(小粒)6:腐葉土4:の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に、市販の草花用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥を施します)
- 地植えの場合、掘り上げた土に対して土壌改良用の牛ふん堆肥か腐葉土2割程を混ぜ込んで水はけのよい環境を作っておきます。(さらに水はけが悪い土壌なら川砂などを1~2割加える)
- 肥料
- 鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の施肥は、5月~9月の間、月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。肥料切れを起こすと、葉が黄色くなり早めに休眠期に入ってしまい、球根が十分に太らなくなってしまいます。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、芽出し後から8月の間、2~3週間に1回、緩効性化成肥料を置肥します。
- 置肥をする際には、株元は避け枝先の端下の地表部にまきます。
- 植え付け
- 球根の植え付け適期は、4月~5月です。前年の10月~11月に球根を堀り上げておきます。新しくできた球根はV字形をしていて、茎の付け根から古い球根と分離しています。古い球根と切り離し、新しい球根のV字の付け根から2つに切り分けます。(それぞれの先端には芽先があります)芽は先端部分に1個しか付いていないので傷めないように、切り口が乾燥してから植え付けます。
- 鉢植えの場合、5~6号サイズの深鉢に鉢底石を敷き、「用土」と「元肥」を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を鉢に入れ、球根の芽先を上にして深さ5cmで水平に植え付けます。つるが伸びるので支柱を設置します。アサガオの栽培のように行灯仕立てにするのが一般的です。株間は65cmプランターで3球が目安です。植え付け直後にタップリと水を施します。
- 地植えの場合、30cm程の深さの植え穴を掘り上げます。「用土」と「元肥」を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を植え穴に戻し、球根の芽先を上にして深さ5cmで水平に植え付けます。つるが伸びるので、支柱を立てるかネットを張って誘引します。株間は25cm位空けて植え付けます。植え付け直後にタップリと水を施します。
- 植え替え
- 適期は、4月~5月です。
- 鉢植えの場合、毎年植え替えましょう。新しい用土と元肥を入れた鉢に、分球した球根を植え付けます。
- 地植えの場合、暖地の場合は植えっ放しでも冬越し可能で翌春には芽が出てくるので毎年植え替える必要はありません。
- 分球
- 適期は、4月~5月です。10月~11月に堀り上げて10℃以上の場所に貯蔵しておき、翌春の植え付け期に分球します。「植え付け」の項目に詳細を記載しています。
多湿になると球根が腐りやすい
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。葉が黄色くなり、休眠期に入ったら水やりを止めて乾かしましょう。
- 地植えの場合、基本的には必要ありません。
- 手入れ
- 芽出し(発芽)→適期は、4月~5月です。堀り上げて貯蔵しておいた球根を、古い球根と新しい球根を分球する際に、保水性のある用土に球根を埋めてビニールで覆い、日向に置いて保温して発芽を促します。
- 花がら摘み→花後の枯れた花は早めに切り取ります。(放置すると結実した種子に栄養分をとられ、球根へ養分が回らなくなる)
- 支柱たて:夏場につるが伸びてくるので、行灯仕立てにして誘引しましょう。注:行灯(あんどん)仕立て・アサガオによく使われている支柱。
- 病気・害虫→特になし
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。
- 西日や真夏日の直射日光に当たると葉焼けを起こすので、植木鉢を半日陰に移動させます。9月になったら再度日向に置き、葉が黄色くなるまで管理します。