チンゲンサイ 野菜-温度と環境が合えば春~秋まで収穫可能-イパネマおやじ
- チンゲンサイは、中国揚子江沿い地域を原産地とするアブラナ科アブラナ属の野菜です。日本では1970年代の中国野菜ブームで、すっかり日々の食卓に欠かせない代表的な野菜となっています。カロテン、カルシウム、鉄分などのミネラル分やびたみんAなどの栄養素を豊富に含んでいる緑黄色野菜として高い人気がありますね。
- タネまきからでも簡単に育てられるので、初心者にも向いています。強健な性質で、寒さと暑さの両方に強いので、ベランダでのプランター栽培で長期間の栽培収穫が出来ます。
- チンゲンサイの仲間は、有名なタアサイなどを含め数種類の品種があり、タネまき適期と収穫期や性質が異なります。育てる地域の気候に合った、品種を選ぶことも栽培上手になるために必要です。
連作障害があるので1年以上空けた場所で育てる
- 分類:アブラナ科アブラナ属 / 原産地:中国
- 別名:(漢字表記:青梗菜)
- 学名:Brassica rapa var. chinensis
- 園芸分類:一年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(強い)
- 草丈:20~30cm
- タネまき適期:3月~10月(注意:「タネまき」の項目を参照)
- 苗の植え付け:4月中旬~6月中旬、8月中旬11月上旬
- 収穫期:植え付けて、約1ケ月後。高温期30~40日、低温期70~90日。
- 栽培方法:地植え、プランター ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)
- 特徴
- チンゲンサイは、昭和47年の日中国交回復の時に、原産地の中国から導入された野菜です。導入された当初は、葉柄が緑色の種を青茎パクチョイ、青軸パクチョイと呼び、白色の種を白茎パクチョイ、白軸パクチョイと呼んでいました。その後、中国野菜ブームの到来にともない、昭和58年に名前を統一して、葉柄が緑色の種を「チンゲンサイ(青梗菜)」、白色の種を「パクチョイ」と呼ぶようになりました。
- 近縁種(品種)温暖地の栽培基準
- チンゲンサイ・緑陽→小さな苗から大きな株になるまで育つので、好みの状態で収穫でき、栽培しやすくほぼ周年利用できる。タネまき時期:3月中旬~11月上旬・収穫期4月下旬~翌年4月中旬。
- チンゲンサイ・好菜→夏場の高温期栽培に適した耐暑性のある品種。タネまき時期:6月~10月・収穫期8月~翌年4月。
- タアサイ→冬の寒さの中で育てると旨みが増し、多くの料理に使える万能葉菜です。タネまき時期6月中旬~9月・収穫期8月~翌年4月上旬。
- 雪白体菜→春まきは小さな株で収穫、秋まきは大株に育て、霜に当たる後に収穫してシャクシ菜漬けにするとよい。タネまき時期3月中旬~11月上旬・収穫期4月中旬~12月。
- 長岡菜→耐寒性に優れた強健種。旨味のある青い葉と真っ白な茎が特徴。タネまき時期8月~10月上旬・収穫期9月中旬~12月。
生育適温は15~20℃です
- 適応(ハーブ、漢方としての適用)
- なし
- 料理・飲み物で楽しむ
- 和え物、煮物、油炒め、汁物の実
- 用土
- プランターの場合、市販の野菜用培養土または赤玉土(小粒)6:腐葉土3:バーミキュライト1:の割合で混ぜ込んだ土を使います。酸性土壌が苦手なので、苦土石灰を混ぜ込みます(用土1L当り2~3g、65cmプランターは12~13g)
- 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰を混ぜ込んでおきます(1㎡当り100g→1握り)さらに、植えつけの1週間程前に、土壌改良用の牛ふん堆肥や腐葉土を(1㎡当り4~5kg)を混ぜ込んでおきます。
畝作り→土作りが済んだら、畝を作ります。黒ポリマルチかシルバーストライプ入りのポリマルチで覆います。チンゲンサイは乾燥土壌だと生育不良になるので、マルチ栽培が適しています。ポリマルチの効果は他にも、低温期の地温を上げる(透明・黒マルチ)あるいは高温期に地温を下げる(白黒ダブル・シルバーマルチ)効果や、雑草の発生を抑え降雨による泥のはね上がりを防ぎ、害虫の防除など多くの効果が期待できます。
- 肥料
- プランターの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料(10L当り10~20g)を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の施肥は、月2~3回薄めの速効性液体肥料化、化成肥料を施します。用土に、市販の野菜用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥を施します
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料(1㎡当り約100g)を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、生育の様子をみながら月2~3回薄めの速効性液体肥料か、化成肥料を施します。
- 置肥をする際には、植物の根に直接肥料が触れないように注意します。真夏(7月~8月)の施肥は控えます。
適温管理すれば夏まきも可能
タネまき
- タネがとても小さいので、ペレット加工されたものかシーダー種子を使うと発芽しやすいでしょう。
- 春まき→発芽適温の20~25℃を下回る時期は、ハウス・温室などで温度を上げる工夫が必要です。また、生育適温の15~20℃を上回る際は、高温になり過ぎないようするため換気が必要です。
- 夏まき→梅雨時期は、マルチや雨よけなどの湿度対策が必要。また、真夏時期の高温期は、乾燥に注意して地面の温度を下げる工夫が必要。「春まき」、「夏まき」、「秋まき」の中では、夏まきの栽培が最も難しいです。
- 秋まき→チンゲンサイの栽培には最も適した時期です。秋は前半と後半では温度条件が異なり、後半はトンネルやハウス栽培が必要な場合もあります。地域やその年の気温により、栽培日程を調整する必要があります。
- 箱まき(セルトレーが便利)かポリポットまきにします。箱まきの場合は本葉が2~3枚になったらポリポットに仮植えします。ポリポットに根が回ったら花壇や鉢に定植します。ポリポットまきも同様に、本葉が5~7枚になったら、花壇や鉢に定植します。セルトレーなどに2~3粒を覆土5mm程の深さで蒔きます。(65cmプランターだと3~5本が目安)
- 花壇に直まき→点まきの場合、株間10~15cmで1ケ所に4~5粒まく。筋まきの場合、深さ1cmの溝を付けて2~3cm間隔でまいたら、厚さ5mm程の覆土をして地表を軽く押さえます。
- 間引き
- タネまき後、約2~4日で発芽して、1週間~10日で発芽が揃います。特に発芽までは乾燥させないように小まめに水やりをしましょう。適宜間引きながら、本葉が2枚で2本立ちの3cm間隔、本葉3~4枚で1本立ちの株間5~6cmにします。(間引いた芽は食べられます)
- 植え付け
- 苗の植え付け適期は、4月中旬~6月中旬、8月中旬11月上旬です。日当たりや風通しがよく、西日を避けた場所を選びましょう。
- プランターの場合、鉢底石を敷き、定植したら、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。(65cm型プランターだと3株が目安)
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた「畝」に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。株間は20cm位空けて植え付けます。
乾燥にとても弱い植物
- 水やり
- 基本的にほかの野菜と同じように、水やりは午前中に行いましょう。高温の時間帯に水やりをすると根を傷めるので、早朝か温度の下がった夕方に行いましょう。
- 芽が小さい時期は、ジョウロの口を上に向けて、タネや芽が流されたり倒れないように慎重に水やりしましょう。芽が生長した後は、土が乾いたらタップリと水やりしましょう。地植えの場合も同じです。
- 手入れ
- 病気→白さび病、根こぶ病、べと病、軟腐病
- 害虫→アブラムシ、コナガ、キスジノミハムシ、ハモグリバエ
- 防除→防虫ネットなどでトンネルを作って覆う
- 収穫
- 収穫時期は、高温期で30~40日、低温期で70~90日で収穫できます。育ち過ぎるとうま味が落ちるので要注意。草丈13~16cm程の尻張りのよいもの~、ナイフで根元から切り取ります。ミニチンゲンサイは、20~30日で収穫適期です。根も食べられるので、丸ごと引き抜いて収穫しましょう。
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。
- 地植えの場合、植えつける前に場所の環境をチェックして、それでも日当たりが厳しい場合は、寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。