カルミア 季節の花-金平糖のようなツボミが開くとパラソル形の小花が咲く-イパネマおやじ
カルミア (Calico bush) は、5月頃になると金平糖のようなツボミを出し、開花するとパラソルのような花形になります。ツツジ科の植物ですが、ツツジよりはシャクナゲに似た性質をしています。日当たりのよい環境を好みますが、暑さと湿気が苦手です。涼しくて日当たりのよい場所でなければ育ちません。真夏の直射日光に当たると、葉が日焼けを起こします。
カルミアの種子は市販されていないため、開花後に結実した種子を採取したものをまいて育てるか、苗が流通しているものを手に入れて育てます。
涼しい環境を好むのでコンテナ栽培が育てやすい
- 分類:ツツジ科ハナガサシャクナゲ(カルミア)属 / 原産地:北アメリカ東部、キューバ
- 別名:アメリカシャクナゲ、マウンテン・ローレル
- 学名:Kalmia latifolia
- 英名:Mountain laurel, Calico bush
- 園芸分類:常緑低木 / 耐寒性(普通)耐暑性(やや弱い)
- 草丈・樹高:1~3m
- タネまき適期:10月~12月
- 苗の植え付け:3月~4月、10月中旬~11月
- 植え替え:3月~4月、10月中旬~11月
- 取り木:5月~6月
- 開花期:5月上旬~6月中旬
- 栽培方法:地植え、コンテナ(植木鉢、プランター)
- ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)カルミアの、栽培最適地は東北地方から北海道の冷涼地です。
- 特徴
- カルミアは、北アメリカ東部、キューバに約7種が分布するツツジ科カルミア属の常緑低木です。その中で、国内で主に栽培されているのは、カルミア・ラティフォリア(Kalmia latifolia)とカルミア・アングスティフォリア(K. angustifolia)です。金平糖のような形をした、花径3cm程の小花を、枝先に盛り上がるように付けます。色濃いツボミが開花アすると、パラソル状の花をたくさん開花させます。
- 近縁種
- カルミア・アングスティフォリア(K. angustifolia)→和名は、ホソバアメリカシャクナゲ。北アメリカ東部に分布する。樹高は、30~150cm、枝先に総状花序を見せ、4~12個の小花を付ける。花色は、ピンク~赤紫色まれに白色。開花期は4月~5月。
- カルミア・ブクシフォリア(K. buxifolia)→北アメリカ東部が原産地。樹高10~100cm、茎頂部に総状花序または散形花序を見せ、6~8個の小花を付けます。花色は淡いピンク色、白色。開花期は春。
- カルミア・ミクロフィリア(K. microphylla)→北アメリカに分布する。樹高1~10m、散房花序を見せ、花枝に6~12個の小花を付ける。花色は白、ローズパープル色。開花期は4月~6月。
地植えの場所は西日の当たらない半日陰がよい
- 用土
- 水はけ、水もちのよい酸性土壌を好みます。
- コンテナの場合、市販のツツジ・サツキ用培養土または山野草用培養土5:赤玉土5:で混ぜ合わせた土を使います。自作する場合、赤玉土(小粒)4:鹿沼土2:ピートモス3:バーミキュライト1:または鹿沼土7:腐葉土3:で配合した土を使います。
- 地植えの場合、水はけがよく腐植質が豊かな酸性土壌(pH5.0~6.0)に植え付けましょう。根鉢の倍以上の深さに土を耕して、底に大粒の軽石かパーライトなどを厚さ7~10cmに敷き詰め、腐葉土とピートモスを2~3割混ぜ込みます。
- 肥料
- コンテナの場合、鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、5月下旬~6月下旬、9月~10月に緩効性化成肥料か骨粉入り固形油かすを置肥します。
- 地植えの場合、定植後の追肥は、2月、5月下旬~6月下旬、9月~10月に緩効性化成肥料か固形油かすを置肥します。
- 追肥の際は、植物の根や葉に直接肥料が触れないように注意しましょう。
- タネまき
- 適期は、10月~12月です。
- 市販のタネは流通していないので、秋に自家で採取した種子を採りまきします。採取したタネを、水ゴケのまき床にまきます。春になると発芽します。
- 植え付け
- 適期は、3月~4月、10月中旬~11月です。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、丁寧に根鉢を抜いたら、根鉢を崩さないで植え付けます。「用土」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。植え付け直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、「用土」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。丁寧に根鉢を抜いたら、根鉢を崩さないで植え付けます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。
- 植え替え
- 適期は、3月~4月、10月中旬~11月です。
- コンテナの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために鉢から根が伸び出てきたら、2年に1回を目安に行いましょう。古い土を軽く落として根を1/3程切り取り、新しい用土を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。
- 取り木
- 適期は、5月~6月です。丈夫な枝の表皮を直系の2倍の幅ではぎ取り、湿らせた水ゴケを巻いてビニールシートで包みます。水ゴケを乾かさないように管理して、春頃に発根したら根の下部で枝を切り落として、コンテナか花壇へ植え付けます。(取り木の詳細ページ)
乾燥土壌では生育不良になりやすい
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。真夏の時期は、朝か夕方の涼しい時間帯に、葉水を兼ねて水やりします。極端な乾燥を嫌うので、水をきらさないように管理します。
- 地植えの場合、基本的には必要ありません。ただし、真夏の時期など、土壌が乾燥に乾燥しないよう、適時必要ならば水を施しましょう。
- 手入れ
- 剪定→適期は、5月~6月です。花芽が付く前の早い時期に剪定します。強剪定もできますが、その場合は翌年の花は咲きません。
- 花がら摘み→花後の枯れた花は、結実する前に早めに切り取ります。
- 病気→褐斑病、花腐菌核病
- 害虫→アブラムシ、ハマキムシ
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。
- コンテナ栽培、地植えともに、西日や真夏の直射日光に当たるのを避けましょう。コンテナを移動してやりましょう。
- 地植えの場合、植えつける前に場所の環境をチェックして、それでも日当たりが厳しい場合は、寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。株元にマルチングをするとよい。